カラスの水浴び

カラスの水浴び

そのそばで少しの距離をとりながらハトがそれを見ている。

そのハトはカラスと友達になりたいと思っていた。

ハトの２倍くらいの大きさのカラス。

優雅に水浴びをしているが場所といえば空き地の水たまりである。

空き地のど真ん中に窪んだ空間があり程よく水が溜まっている。

１羽でゆっくり…人間でいうお風呂にでも入っているかのようだ。

それを羨ましそうに見ているハト。

カラスはそれに気づいている。

ハトが少しずつ水溜りに近づいていく。

カラスは水を浴びてはハトの方を向く。

ハトがその足を止める。

まるでだるまさんがころんだのようである（笑！

友達になりたいハトはちょっとずつ距離を縮めるが、近づけば近づくほど自分より大きいカラスに恐怖を覚える。

その恐怖に耐えきれなくなったハトはついに飛び立ってしまう。

カラスは寂しそうにそれを見上げる。

本当はカラスも友達になりたかったのかもしれない。