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はたして出るのか ?? セリーヌ・ディオン Céline Dion !? ユーロビジョン2025 は スイスのバーゼルで開催~歴代のスイス代表アーティスト を大雑把に振り返る。 Eurovision Song Contest 2025

 ユーロビジョン・ソング・コンテスト 2025  は スイスのバーゼルで開催が決定しました。スイスは 第1回大会が行われた記念すべき場所~The Birthplace of Eurovision Song Contest~なのです。この機に歴代のスイス代表アーティスト を大雑把に振り返ってみたいと思います。

 まずはこの方。1956年の記念すべき第1回大会で見事に優勝!に輝いたリス・アシア Lys Assia 。第1回大会では1アーティストが複数の楽曲をエントリーできたらしいのですが、評価対象となった楽曲『Refrain(リフレイン)』はスイートでスローなフランス語の楽曲。彼女は続けて1957年と1958年もスイス代表として出場しているESCレジェンドですね。折に触れてESCに姿を見せていたようですが、2015年の60周年記念の大会の場で公に姿を見せた(当時91歳)のが最後となりました。(ちなみに この記念すべき第1回優勝曲は、コンピレーションCDで しめやかにラストを飾っています。)

 
 第1回目から10年ほどの間、スイスは自国の代表として隣国のドイツ、フランス、イタリアといった他国からアーティストを迎えます。イスラエル人のエスター・オファリム Esther Ofarim もそのひとり。1963年大会でスイス代表として楽曲『T’en va pas(行かないで)』を披露した彼女は優勝候補の一人でしたが 2ポイント差で惜しくもデンマークに敗れます。

 その後 エスターは夫のアビ・オファリム Abi Ofarim とともに歌った『Cinderella Rockefella』が1968年に欧州で大ヒットし 全英1位を記録。ESC出場をきっかけにキャリアを順調に築いて成功したアーティストの一人となりました。


 70年代のスイスは次々とESCに代表を送り出しますが なかなか良い成績を残すことができませんでした。そんな中、ペペ・リエンハルト・バンド Pepe Lienhard Band の楽曲『 Swiss Lady(スイス・レディ)』は、アルペンホルンの印象的なソロから始まる軽快で明るいポップソング。これスイスで大ヒットを記録して バンドは1977年のロンドン大会に出場。6位に食い込むまずまずの成績を残します。

 ちなみにこの曲のタイトルは英語ながら歌詞はすべてドイツ語。ユーロビジョンでは当時「自国公用語のいずれかの言語で演奏しなければならない」というルールがあったのですが、スイスの場合は公用語がたくさんあったのでドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語のどれで歌ってもよかったということのようです。

 そして一気に80年代へ。シンガーソングライターの ダニエラ・シモンズ Daniela Simmons1986年に楽曲『PAS POUR MOI(私のためでなく)』でベルギーの優勝に次いで準優勝2位という見事な成績を残します。(80年代という時代を感じさせるこのヘアスタイルw )


 1988年には 20歳になるカナダ出身の女性がスイス代表に。そのアーティストこそが あの セリーヌ・ディオン Céline Dion 。エントリー曲の作曲者がスイス人だったことで出場が認められたとか。約6億人のテレビ視聴者の前でその『Ne partez pas sans moi(私をおいて行かないで)』を披露して見事にスイスに2度目の優勝をもたらします。このハートフルなバラードを情感たっぷりに歌い上げるディオンの歌唱力と力強さは今観てもスゴイ。20カ国の審査員たちはその圧倒的な才能を目の当たりにすることになりました。ESCへの出場は、彼女の音楽人生における重要なステップであり、その後、現在に至るまでのドラマティックな国際的活躍ぶり(欧米での大成功→難病闘病→パリオリ2024奇跡の復活パフォーマンス)はみなさんご存じの通り。ESC出場時の衣装がカワイイですね。これもネバダ州の豪邸にある伝説の衣装部屋に今でも保管してんのかしら。

 当時はカナダとフランスでしか知名度のなかったセリーヌが、欧州でのキャリアアップのために ユルかったESC規則の隙をついてスイス代表として出場したことは明らかですが、興味深いのは 彼女を送り込んだスイスに対して永遠のライバル隣国 オーストリア がなんと「0点」隣国のフランスも「1点」という激塩な対応 だったこと。一方でドイツはポルトガル、スウェーデンとともにスイスに最大となる12ポイントを与えており、ESCでは出場アーティストの歌唱力やパフォーマンスとは全く関係ない”別の力学”が投票ポイントに働くことを露骨に見せつけた集計結果となりました。まあ、そこも含めた採点の面白さが今ではユーロビジョンの面白さの一つでもあったりするワケですが。

 そしてセリーヌ・ディオンに続けとばかりに、スイス代表として送り込まれた ”2人目のカナダ人” が 同じケベック出身の アニー・コットン Annie Cotton。楽曲『 Moi, Tout Simplement(単純なこと)』をフランス語で歌い上げて堂々の3位という成績を残したのが1993年でした。

 
 そしてその後しばらく、スイスはユーロビジョン・ソング・コンテストにおける暗黒期に入ることに…。

 2002年には、後に歌手として またテレビの司会者として成功を収めることになるフランシーヌ・ヨルディ Francine Jordi が 自作曲の『Dans le jardin de mon âme(私の魂の庭で)』でコンテストにのぞむも20位台という不本意な結果に。その後、ジョルディはオーストリア、ドイツ、スイス全土でドイツ語放送されている人気の生放送テレビ番組「Musikantenstadl」の司会を務め国民的なタレントになりました。2025年バーゼル大会のステージに登場する確率が非常に高い人です。


 スイスの低迷ぶりに頭を痛めた地元放送局は、2007年当時、全世界で1千万枚以上のレコードを売り上げていたダンスミュージック界のスター DJ BoBo こと ルネ・バウマン René Baumann をスイス代表に選出します。国民の税金は国内アーティストのために使われるべきと 勇んでESCにのぞんだルネに対する期待は高かったもの、エントリー楽曲『Vampires Are Alive(吸血鬼は生きている)』は決勝に進出できなかったばかりか、サタニズム的な楽曲や演出に批判が殺到しただけでパッとせずに終わる結果に。う~ん、当時のパフォーマンス↓を観るとなんとなくわかる気が‥。

 
 さらに2013年には スイスから意外なアーティストが登場します。なんと代表として送り込まれたのは 救世軍バンド。しかし政治的・宗教的な内容を禁止するESC規則により「“Heilsarmee”ハイルスアルメー(ドイツ語で救世軍の意)」というバンド名の使用や制服を着用が認められず、最終的に「Takasa(The Artists Known As Salvation Army)」と改名(プリンスかよ!)して出場を果たすも、あれやこれやの努力むなしく決勝には進めませんでした。ハードロック・ポップみたいな楽曲『You and me』もバンドの特色を生かしきれずに残念スねー。メンバーで一番目立ってたのがコントラバス担当、当時95歳という高齢での出場者となった エミール・ラムザウアーEmil Ramsauer さん。(2021年に103歳で大往生)


 そんな スイスの長い低迷ぶりに遂に終止符が打たれたのが 2019年。英オーディション番組「ポップアイドル」のドイツ版で優勝、レンガ職人からポップシンガーに転身したイケメンのトビ職兄ちゃん ルカ・ヘンニ Luca Hänni 『She Got Me』4位の大健闘!スイスのトップ5入りは1993年のアニー・コットン以来の快挙となりました。


 その次の大会となった2021年(2020年はCOVID-19で中止)には、ジョンズ・ティアーズ Gjon’s Tears として活動するジョン・ムハレマ Gjon Muharremaj が『Répondez-moi(答えてください)』で登場。見事な歌唱力を披露して3位の成績を収めます。この素晴らしい楽曲は ESCに参加した作曲家たちによって選出される マルセル・ベザンソン賞 作曲家賞も受賞しました。

 
 ロシアによる侵攻のためウクライナ(2022年大会で優勝)の代わりにイギリスで開催された2023年のリバプール大会では、レモ・フォラーRemo Forrer が パワーバラードナンバー『Watergun(ウォーターガン)』で登場。しっとりかつパワフルに人生の葛藤と無力感を歌い上げますが 審査での高得点にはつながりませんでした…残念。

 そして今年2024年5月スウェーデンのマルメ大会。スイス代表のネモ Nemo は 得意とするラップやドラムンベースさらにオペラ的な要素をミックスした壮大な楽曲『The Code』(007映画のテーマ曲みたいだと思った)でエントリー。ノンバイナリーのアイデンティティを受け入れるまでの自らの物語を、その圧倒的なステージパフォーマンスとともに歌い上げ、優勝候補ナンバー1だったクロアチアを抑えて見事にスイスに3度目、36年ぶりの優勝をもたらすことになりました。


 以上、かなり大雑把にこれまでのスイス代表アーティストについて振り返りましたが、2025年のバーゼル大会では ネモのステージ再登場は間違いないだろうし、歴代レジェンドの登場(なんとセリーヌ・ディオンに出演交渉中って噂も…)や過去のアーティストたちの映像もかなりフューチャーされると思うので今からしっかり予習しときたいと思ってます。

🔻スイスの歴代アーティストを大雑把じゃなく ”全員” 振り返り!
歴代のトップリストや総集編、コンピレーションなど、ESCに関連するマニアックな動画を投稿している神【SchlagerLucas】さんの動画はコチラ!
ホント勉強になります…。
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