開催規模が縮小か?バーゼルでのユーロビジョン2025 に関して 州の国民投票 を実施。Eurovision Song Contest 2025
来年の5月13日、15日、17日にスイスで行われる第69回ユーロビジョン・ソング・コンテストに関して バーゼル・シュタット州の住民による国民投票が実施される可能性が出てきました。バーゼルでの開催が決定して以来、保守右翼政党のスイス連邦民主同盟(EDU)は、ESCに資金援助(州税負担)することに対して国民投票を実施するべきとの署名運動を行っていましたが、必要な署名数2000を大きく上回る合計4,203の署名を提出。州首相府が署名を検証して正式承認されれば、国民投票が実施されることになります。投票は11月24日に行われ、住民にはバーゼルがユーロビジョンにお金を出すべきかどうかの可否を投票する機会が与えられます。う~ん、直接民主制が特色のスイスならではの展開ですね。
バーゼル大会は多機能なイベントに対応できるインフラが整備された聖ヤコブ地区(Saint Jakob)中心の開催を予定していますが、バーゼル自体が小さい都市なので街のすべてが徒歩圏内。メイン会場のセント・ヤコブホールと ESC ビレッジや関連施設まで車や地下鉄などを使わず移動できそうなことで、ファンにとっては利便性が高く街全体でのイベント体験ができるものと期待されていました。しかしEBUや幹事局のスイス放送協会(SSR SRG)は民間企業からの資金調達はもとより、いったん議会で承認を受けた3,490万CHFの資金援助があることを前提としてプロジェクトを進めているため、今回の国民投票で援助が否決された場合は、メイン会場以外でのユーロビジョンストリート、ユーロビレッジ、ユーロクラブなどの運営にかなりの影響が出ることが予想されるので心配です。
バーゼル大会のプロジェクトマネージャーであるベアト・ロイクリ氏によると、国民投票の結果にかかわらず、5月の同大会の計画は変更なく継続されることは間違いないとし、どの関連団体も参加中止や撤退などの予定はないとのこと。しかしスイスのフランス語 日刊紙 ル・タン(Le Temps)紙は、バーゼルの住民がコンテストへの資金援助に反対票を投じた場合、コンテストの規模が縮小されるだろうと報じており、幹事局SSR SRGの広報担当も「このイベントは、土曜の夜の大きなテレビ番組制作のプロジェクトに縮小され、付随する各地でのイベントなどは予定中止せざるをえなくなるだろう。当然ながらバーゼル市がESC招聘で目指した価値の創造も大幅に減少することになる。」と語っており、予算不足によるイベント計画の縮小はやむを得ないとの見解を示しています。
バーゼルでのユーロビジョン2025は、1st-セミファイナルが5月13日、2nd-セミファイナルは5月15日、グランドファイルナルは 5月17日に行われます。
2024.11.26追記
投票が行われた結果、バーゼル=シュタット州の有権者の賛成多数(賛成67%、反対33%)で、ユーロビジョン・ソング・コンテスト2025を支援するために9月に大評議会で承認された3,490万スイスフランの支出が認められることになりました。バーゼル州政府がユーロビジョンの全体計画に資金を全額提供できることになったわけで、とりあえず一安心ですね。