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来年の ユーロビジョン・ソング・コンテスト(Eurovision Song Contest 2025) スイスでの開催地はどこに?

© 2024 EBU

 スイス代表のアーティスト ネモ(Nemo)が大方の予想通りに優勝を決めたマルメでの大会。次の2025年はスイスとなりますが開催都市の正式入札が始まりました。

 ユーロビジョン・ソング・コンテスト(ESC)の開催は その都市に大きな経済効果をもたらします。いわばオリンピックに似た自治体による開催誘致の競争が繰り広げられるワケですね。開催が決まった都市は メディアの注目を集め ヨーロッパ全土や世界各国から 観光客が訪れることになるでしょう、さらにEBUの放送網を通じて1億6,000万人以上の視聴者に、またネット配信を通じて全世界に自都市をアピールする大チャンスですからね。スイスでのESC開催は 1956年と1988年に続き3度目ということになります。

 報じられるところによると、現在、バーゼル、ベルン、ジュネーブ、チューリッヒの4都市が、2025年のESC開催権を争う見込み。

 各都市にとって一番の問題は ”開催費用の確保” ですが、4つの候補地すべてが 市や州からの資金援助があることを大前提としています。一方で スイスの超保守福音主義政党であるスイス連邦民主同盟(EDU/UDF)は、昨今のESCが 反ユダヤ的であり 悪魔主義 および オカルト的なものを助長する場 になっているとして、公的資金の使用にあたっては国民投票を実施するべきと主張しています。これが通ってしまうと仮にESCを招致できても 公的資金が使えないことになる可能性もあり、各都市とも一気に財政難のドツボにハマる危険があるということですね。

St.Gallen は残念ながら誘致を断念・・

2024.7/10更新

●バーゼル(Basel)
 
絵本の世界みたいな旧市街が並び 多くの美術館や博物館が点在するスイス第3の都市。多機能なイベントインフラが整っている聖ヤコブ地区(Saint Jakob)を中心とする模様。地元サッカーチームFCバーゼル1893の支援を受けたセント・ヤコブシャール(Saint Jakobshalle)サン・ヤコブ公園スタジアム(Saint Jakob Park stadium)の2つが会場候補。しかし双方とも屋根の補強などのかなりメンテをする必要ありそう。フランスとドイツとの国境に位置してるとこが強みか。

●ベルン(Bern and Biel/Bienne)
 
ロレックスやスウォッチといった時計ブランドの都市としてお馴染、スイスの首都ベルンは自国開催をもたらしてくれたNemo の 出身地・ビール/ビエンヌと協力し 大会史上初となるESCの共同開催を目指します。コンテスト会場は2025年3月にオープンするベルンの新施設ノイエ・フェストハレ(Neue Festhalle)。ユーロビジョン・ビレッジもその周辺の敷地内。しかしながら財政面で市民からの反対が強く、コンテスト直前になるまで施設が完成しないビハインドがあり、招致は難しいのでは…と伝えられています。

ベルンの新施設ノイエ・フェストハレ(Neue Festhalle)

ジュネーブ(Geneva) 
 レマン湖(ジュネーブ湖)の南端に位置し 国連の欧州本部や赤十字本部がある 外交や銀行の国際的な中心地。ESCの主催者である欧州放送連合EBUの本部もここにあります。15,000人収容の屋内ホール、パレクスポ(Palexpo)での開催を想定。国際空港があるうえ フランスとの国境が近いため 国外からの観光客にとっては非常にありがたい場所。またジュネーブはスイスの放送局に対する組織費用として約3000万スイスフランという最も高額の資金を申し出ているとのこと。(チューリッヒは2500万らしい)

●チューリッヒ(Zurich) 
 いわずと知れた銀行と金融の世界的な中心地でありスイスの最大都市。国際空港があってヨーロッパ各地の公共交通機関へのアクセスも良く 日本との間に直行便も飛んでます。メイン会場は 15,000人収容のハレンスタディオン(Hallenstadion)で、チューリッヒ湖畔のランディヴィーゼ (Landiwiese)をユーロビジョン・ビレッジとする予定。チューリヒはスイスのLGBTQ+の中心地でもあるので今時のESCにピッタリかもしれません。4つの開催地の中では"最有力候補"です。

チューリッヒ湖畔のランディヴィーゼ (Landiwiese)

 以上の4都市すべてがコンテストの開催に必要なインフラを十分に提供できる体制にあるため 開催地争いは熾烈になることが予想されています。私としてはやはり直行便の飛んでるチューリッヒ開催が希望かな・・。

2024.7/20追加

©Getty Images / Sergey Novikov

 なんと本名と思ってたチューリッヒが落選です・・。ESCの委員会チームは、スイス放送協会(SRG SSR)で行われた一次審査会議の結果、最終審査に進む2都市を バーゼル と ジュネーブ に決めました。ベルンはNemoの出身地との共同開催を目論みましたが市民の反発が強いのが影響したか。ジュネーブは SRG SSRへ提供する資金額で、ライバル都市のチューリッヒに競り勝ったという印象ですね…。

2024.7/31追加

 スイスの国営放送局SRG SSRは、インスタグラムのストーリーで、ユーロビジョン2025の開催都市を8月30日に発表することを明らかにしまた。コンサルティング大手のPwCが管理する大会委員会は4都市の入札を審査し、バーゼルとジュネーブを最終段階に進む2都市に選出。SRG SSRは現在、この2都市の入札を再度審査して最終決定を下すとのことです。


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