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ユーロビジョン・ソング・コンテスト初観戦~ 2024 年大会に 音楽ライブ番組制作の最先端をみた。 Eurovision Song Contest 2024

2階スタンド席からステージを見下ろすとこんな感じ

 行ってきました家族3人で スウェーデンのマルメ 政治的なことで色々とゴタゴタしましたが 今回、初めてライブで観た ユーロビジョン・ソング・コンテストEurovision Song Contest )の ステージは 何から何まで 素晴らしかった!です。

会場のマルメ・アリーナは HYLLIE駅 直結

 私が観戦した 第2セミファイナルの生中継 は 2階スタンド席のステージ上手後方席でしたが、舞台装置の動きやアーティストごとの転換、スタッフの動きなどの全体を俯瞰できてすごく勉強になったし、音響やビジュアル面でまったく不満感なくステージを楽しむことができました。それに”第3の主役”ともいうべき各国から集った観客が 自国や応援アーティストの国旗を振り回して盛り上がり大合唱(時には大ブーイングw)する様は まさに圧巻!(これはサッカーの国際試合なのか!?)会場全体の熱気は テレビ画面やネット配信ではその半分も伝わらないのではと思うほど…とにかく"お祭り騒ぎ感"がハンパなくてマジで大興奮いたしました!消防法で限界ある国内イベントと違ってパイロテクニクス(火炎特殊効果)もメチャクチャにド派手で最高!こりゃ絶対に現地会場で生で楽しむべき音楽イベントだと思いましたね。

▼凄かったステージ演出とスティディカムのおっさん(笑)

5つの吊り下げ式ビデオキューブが印象的な今回のステージ

 まず今回のステージセットがシンプルながら超カッコいい!デザインはドイツのフロリアン・ヴィーダーによる Wieder Design が担当。中央のステージは 総面積186平方メートルの十字型ビデオフロアになっており、正面の巨大なメイン・ビデオウォールの前でアーティストそれぞれが独創的なパフォーマンスを繰り広げます。正面スクリーンは中央で水平に分割することができ、ショーの後半の集計発表時に代表アーティストたちのいる控え室(通称 GreenRoom) を観客のド正面に見せるという演出もありました。

集計発表時には正面がパカーンと割れて裏の控え室(Greenroom)が観衆の目の前に。
FLORIAN WIEDER

”ステージを十字型にすることで どの方向にアーティストが移動しても観客が同じフレームに収まるようにし、普通の音楽ライブ番組のようでなく より大規模なコンサート会場のような雰囲気を作り出すことが最大の目的だった” と ヴィーダーは語っています。

 さらにステージ上部にはコントロール可能な5つの吊り下げ式ビデオキューブが配置されて前後左右に映像を映し出し、これがステージ上のスレスレまで自由に上昇・下降するワケです。しかも真俯瞰の映像を捉える小型のドロップカムがこのビデオキューブ内を垂直に通り抜けるように移動することで驚愕のコンサート映像を創り出しておりました。

ビデオキューブ内を垂直に捉えるドロップカム!超カッコエー!

 また今回の番組カメラワークに関しては ”EUROVISION SONG CONTEST 史上最高のものだった” と各方面から絶賛されています。現場で観て驚いたのは、ステージ上のアーティストの寄り画(顔アップ)を拾いに縦横無尽に駆け回るスティディカム・カメラマン&スタッフの動きでした。自らの撮影タイミング以外の 細かいカット割りが 完璧に頭に入っているのでしょう、引きのステージ画にカットが変わるタイミングには 完全にステージから掃けて写り込まないように全力であっちいったりこっちいったり ステージ周辺を、それこそ全速力で走り回っている姿があまりにもプロフェッショナルすぎて泣けました!ESCのスティディカムはスゴイと噂には聞いてましたが、これにゃホントに驚きましたね。このカメラスタッフの動きに関してはライブの終了直後から、SNS上で次々と驚愕と賞賛の投稿が寄せられておりました。

Slimane と 舞台上のスティディカム

 そのスティディカム カメラが本領を発揮した映像がコチラ↓ フランス代表の Slimane による” Mon Amour ”のパフォーマンス映像です。舞台上のアーティストの表情を 息のかかるような距離 で撮影することで、プライベート空間での愛のささやきw…みたいな演出表現をするわけですが めっちゃ効果的。

 下記 ↓ のように カメラだけでなくサポートする黒子のスタッフさんが常時2~3人ステージ上なのに 完成映像 ↑ の広いカットには 誰一人と写り込んでない!これはホンマ スゴい!

 あと、これ↓ もメインスクリーンやキューブビジョンの映像とあいまって素晴らしいプロモビデオのような仕上がりになってる アルメニア代表の LADANIVA による” Jako" のパフォーマンス。とにかく完成映像には 誰一人として撮影スタッフが写り込んでないんス!(カット変わりの広い引き画に注目)

 ちなみにこのライブ中継は今回ESCでは初めて導入された LiveEdit という音楽ライブ専用の最新鋭のツールを使ってスイッチング制御されてます。パフォーマンス時のカメラ割りを音楽のタイムラインに合わせて自動コントロールが可能で ライブなのにビデオクリップを観ているがごとき完成度を誇る超クールな映像として毎回再現できるようになってます。

20台以上の中継カメラを音楽に合わせて自動制御
ステージ正面奥のLiveEditコンソール

 とにかく今大会のメイキング↓↓↓を観ると世界一流のスタッフが総結集して創り上げたステージですね。そしてその中継は ライブエンターテインメントを最新技術で映像化したひとつの”作品”と言えそうです。

EUROVISION SONG CONTEST 2024 の プロダクション・チーム

► Eurovision Song Contest: https://eurovision.tv
► Wieder Design (Setdesign): http://www.wiederdesign.com/
► Green Wall Designs (Light & Screen Content Design): https://greenwall.se/ ► M&M Production (Production Management): https://m-m-pr.com/
► NEP (Broadcasting): https://www.nepgroup.com/
► OperTec (Special Cams): https://opertec.tv/
► Creative Technology (Licht, Video, Audio): https://ct-group.com/de/
► [LITE]COM (Rigging): https://litecomgroup.com/
► PYROMAN (SFX und Pyrotechnik): https://pyro.fi/en/
► TPO (Network): https://www.tpo.se/
► Riedel (Communication): https://www.riedel.net/de/
► The Powershop (Power Supply): https://www.thepowershop.eu/
► SVT (Setbau):

LiveEdit
https://www.liveedit.app/
https://www.instagram.com/liveeditapp/


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