いまさらでゴメン!Eurovision Song-Along カメオ出演アーティストがようやくわかったワケよ。映画『ユーロビジョン歌合戦 〜ファイア・サーガ物語〜』 Eurovision Song Contest: The Story of Fire Saga
映画『ユーロビジョン歌合戦 〜ファイア・サーガ物語〜』”Eurovision Song Contest: The Story of Fire Saga”、配信当初は、恥ずかしながらSong-Alongや劇中に登場するESCアーティストのことを誰一人として分かりませんでした。そこで・・
YouTubeのコメント欄にダイハードなESCファンが書き込んだ情報を元に 動画リンクの埋め込みができるnoteの特性を生かして、Song-Along に登場する各アーティストのESCパフォーマンスを以下に貼ってみました。いまさら感で恐縮ながら これから初めてファイアサーガを観る人のためのリファレンスということで。
ジョン・ルンドヴィク(スウェーデン)
John Lundvik
Eurovision Song-Along の歌い出しで華々しく登場。1983年ロンドン生まれのソングライターで 元陸上競技選手っていうアスリート系アーティスト。
▼2019年大会5位の "Too Late for Love"
アンナ・オドベスク (モルドバ)
Anna Odobescu
1991年生まれの歌手。なるほど本職は女優さん。大会成績が良くないにも関わらずにユーロビジョン映画にカメオ出演しているのは 映画関係者とのコネがあったからでしょうか(勝手な推測ですw)。
▼2019年大会2nd-sfで12位の "Stay"
ビラル・ハッサニ(フランス)
Bilal Hassani
1999年生まれ。モロッコのカサブランカ出身。2017年にカミングアウト。2018年に仏雑誌「Têtu」誌の「フランスを動かす30人のLGBT+たち」に選出されてます。
▼2019年大会gf16位の "Roi"
ロリーン(スウェーデン)
Loreen
1983年ストックホルム生まれの歌手&音楽プロデューサー。両親はモロッコ移民。2012年「Euphoria」で瑞典に13年ぶりの優勝をもたらし、2023年には「Tattoo」で2度目の優勝。昨今のESCを最も代表するアーティスト。
▼2012年大会の優勝曲 "Euphoria"
ジェッシー・マタドール(フランス)
Jessy Matador
1982年コンゴ民主共和国生まれ。女王ロリーンに ”一緒に歌いましょう”と誘われるオイしい役所です。その身のこなし方はさすがダンサー出身。
▼2010年大会12位の "Allez Ola Olé"
アレクサンドル・ルィバーク(ノルウェー)
Alexander Rybak
1986年生まれのヴァイオリニスト&歌手&作曲家&俳優。2009年大会の楽曲「Fairytale」(名曲!)ではそれまでの史上最高記録となる387得点で優勝。見るからに好青年。うちのカミさんは”息子にしたいタイプ”と言ってます。(※残念ながらサントラ盤の音源からはオミット)
▼2009年大会の優勝曲 "Fairytale"
ジャマラ(ウクライナ)
Jamala
彼女がこのABBA曲の一節を力唱するシーンに 製作サイドの気骨を感じます。1983年旧ソビエト生まれのシンガーソングライター。この度のウクライナ侵攻では家族と共に首都キーウからトルコに亡命することに。1944年に旧ソビエトによって行われたクリミア・タタール人追放政策時に貨車でキルギスに強制移住させられた曾祖母の悲しい体験について歌ったのが2016年優勝曲の「1944」。ESCに政治問題が持ち込まれたと 当時ロシア側からの猛反発をくらいました。
▼2016年大会の優勝曲 "1944"
エリーナ・ネチャーエヴァ(エストニア)
Elina Nechayeva
1991年生まれ。エストニア音楽演劇アカデミーを卒業し、クラシック歌唱の修士号を取得しているソプラノ歌手。トルコ系民族のチュヴァシュ人、エストニア人、ロシア人の混血で ESCにチュヴァシュ系としては初めてESC参加した人物に。
▼2018年大会8位の "La Forza"
コンチータ・ヴルスト(オーストリア)
Conchita Wurst
1988年生まれのドラッグクイーン&歌手。名前のヴルスト(Wurst)は”Das ist mir doch alles Wurst(私にとっては皆ソーセージWurst=どれも同じ、気にしない)”というドイツの慣用句に由来。つまり”人種・性別・外見など関係ない”。2014年大会への出場時は保守派が猛反発、EBUへの抗議が殺到するも「Rise Like a Phoenix」で見事に優勝。今日のNemoにもつながるLGBTQ+アーティスト系譜の起点となった人ですね。2015年7月にはプロモーションで日本を訪れて「スッキリ!」や「ミュージックステーション」にも出演しています。
▼2014大会の優勝曲 "Rise Like a Phoenix"
ネッタ・バルジライ(イスラエル)
Netta Barzilai
1993年生まれのレコーディング&ループ音楽アーティスト。イスラエル国防軍の徴兵制度による兵役で軍楽隊を務めた後に リモン・ジャズ現代音楽学校で電子音楽を専攻。その経歴もなかなかパワフルです。(※残念ながらサントラ盤の音源からはオミット)
▼2018年の優勝曲 "Toy"
そして…パーティーでのシング・アロング場面以外にも重要なアーチストがもうひとり劇中に登場しています。主人公たちがエジンバラにやってきた際のモンタージュ場面に流れる美しい楽曲・・そしてカールトン・ヒルでセグウェイに乗って観光を楽しんでいると・・広場で大道芸人としてその曲をピアノを演奏しているのが・・・
サルヴァドール・ソブラル (ポルトガル)
Salvador Sobral
1989年生まれ。ポルトガルの音楽グループ”Alexander Search”でボーカルを担当するシンガーソングライター。心臓移植の術後ということもあり 控えめなカメオ出演でしたが 自分の持ち歌(ESC優勝曲)を歌ったアーティストは劇中でこの人だけ。2017年にこのスローなシャンソン”Amar pelos dois”でESC史上最高記録となる 758 得点にて優勝。その際のスピーチでは「音楽は”花火大会”とは違う。エモーションなんだ。音楽を取り戻そう!」と 昨今のESCにチクリと物申す名言を残してます。妹のルイーザ・ソブラル (Luísa Sobral)が作詞作曲したこの曲は 私が ESCソングの中で最も好きな楽曲 なんス!(この映画を通じて出会えた曲でした・・)
▼2017年の優勝曲 ”Amar pelos dois”
あと最後に この人の動画も貼らずにはいられないですね。劇中で女優レイチェル・マクアダムス の歌唱吹き替えを担当しているスウェーデンの歌手 モリー・サンデーン(Molly Sandén )。モリーは、2006年にESCの年少版であるジュニア・ユーロビジョン・ソング・コンテストに出場し、3位というスウェーデン史上最高の成績を収めた実績の持ち主。映画でフィナーレに歌われる「Húsavík (My Home Town)」を 第93回アカデミー賞においてアイスランド・フーサビークの港(たぶん)からの中継で堂々と披露しました。
『ユーロビジョン歌合戦 〜ファイア・サーガ物語〜』”Eurovision Song Contest: The Story of Fire Saga”は、60年以上の歴史を持つこの音楽イベントの 魅力 や スケール感、コンテストの基本ルールなんかを知るにはもってこいの映画です。
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