北海道議会議員選挙の投票価値の不平等

先日(1月28日)、令和5年2023年の千葉県議会議員選挙の選挙無効を求めた訴訟で、最高裁第三小法廷は請求棄却の判決を出しました。
いわゆる一票の格差(較差)としては、千葉県議会の選挙では2.69倍だったとのことです。この一票の格差というのは、議員一人当たりの有権者数が最小の選挙区と、最大の選挙区(千葉県の選挙では船橋市選挙区)で比べると、議員一人当たりの有権者数で2.69倍の格差が生じているということです。
単純化して言うと、1万人の有権者で一人の議員を選出することになる選挙区と2万6900人の有権者で一人の議員を選出することになる選挙区があるということです。
この格差2.69倍は(逆数にすると0.37ですから、)、上記の最小の選挙区の1票の価値に比べて上記の最大の選挙区の住民の1票は0.37票の価値しかないということがいえます。

この0.37票の選挙について、最高裁第三小法廷の多数意見は、選挙無効の請求を認めませんでした。
しかし、裁判長の宇賀克也裁判官の反対意見の方が具体的であり説得的であると考えます。
判決書については、裁判所のホームページでPDFが公開されていますので、載せておきます。


さて、北海道議会議員選挙も、一昨年(令和5年)4月の統一地方選挙のときに行われました。
北海道議会のホームページによると、令和2年の国勢調査の数字を基にすると、一昨年の選挙は一票の格差は最大3.364倍だったとのことです。
較差3.364倍というのは、1票の価値が0.297票ということになります。
令和2年の数字よりも選挙当日の有権者数の開きは大きくなっていたのではないかと考えられますので、1票の価値の不平等はより大きくなっていたものと考えます。

道議会の解散がなければ、再来年の令和9年2027年に道議会選挙が行われることになります。
私としては、このような投票価値の不平等が是正されずに選挙が実施されるのであれば、道議会議員選挙の無効を求めて訴訟提起をしようかと考えております。(私自身が原告となることもできますし、原告となって費用負担に協力してくれる方がいれば原告代理人として提起します。)

なお、こういった投票価値の不平等などの選挙についての問題は、形式的に原告の属する選挙区の選挙の無効訴訟を提起して争うより他になかなか方法がありません。私が2年後も道民であれば、その住所の選挙区の無効を求める訴えをすることになります。

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林朋寛
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