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私と、若者と、【Youth+協働者インタビュー企画④NPO法人E-LINK代表 日向洋喜さん】

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 ご無沙汰しております。前回から少し時間が空いてしまいました…。皆様
お身体等々お変わりはありませんでしょうか?
 若者支援の現場を支えてくださっているオトナへのインタビュー企画、4人目は、NPO法人E-LINK代表の日向さんにお話をお伺いしてきました。
 インタビュアーは前回に引き続き吉田が担当。元Youth+利用者からの面白いお話も聞かせていただいてきましたよ!


なまら、ツナガル

吉田-NPO法人E-LINKさんの取り組みを簡単にお聞きしてもいいですか?

日向-いまは、学童保育とフリースクールがメインです。午前中は学校行っていない子たちが自由に過ごして、放課後の時間から親が働いている小学校低学年の子たちを預かっています。
他にも、私たちは「なまら、ツナガル」というミッションで、子どもたちと地域、子どもと大人、大人と大人を繋げる活動をやっています。また、お寺を使って、学生さんたちを中心に子どもの居場所を作ったり、親子交流のイベントをしたりとか。そんな感じですね。

元々はゲストハウスで事業をしていたんですけれど、建物自体が老朽化で取り壊しになって。子どもに関する事業だけ引っ越してきて、ここで継続してます。今はゲストハウスが無くても色んな人と繋がれる場所になったかなと思っています。

吉田-そうだったんですね。ここは木が中心の内装になっていて、落ち着きます!

日向-ありがとうございます。ゲストハウスが木造の空間だったので、板とか持って来れるものは持って来て、保護者や子どもたちと一緒に床を張ったり、棚を作ったりして引っ越しました。

吉田-じゃあ、ほとんど手作りなのですね。

日向-そうですね。カウンターの本棚とかは元々あるものですけど、あとはみんなでって感じです。

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ゆるく、楽しく、近い距離間で


吉田-日向さんは元々Youth+利用者だったというお話を聞きましたが、いつから使っていたんですか?

日向-いつだろう…。大学2年生の後半ぐらいからYouth+アカシアを使い始めましたね。
『B-café』という「大学生と高校生がお話ししよう」という活動を先輩が始めて「一緒にやらないかい?」と。友達も参加していたので「予定無いし、行くわ~」とちょっとずつ参加を重ねて。翌年、僕は休学したのですが、後半、戻ってからちょくちょく参加してたら、いつの間にかB-caféの代表になっていました(笑)

吉田-いつの間にか代表に!(笑)

日向-いつの間にかなっちゃって(笑)。当時、大学2年生と4年生のメンバーで運営していて「4年が卒業したらどうする」となった時、同級生が「就活あるし…。でも、日向は休学してるじゃん!」と。僕自身、あまり就活のことを考えていなかったので「確かに、暇か。」みたいな、アハハ(笑)。という感じで自然に代表になって、3年ぐらいは、アカシアに月2回とかの頻度でいましたね。フフ(笑)

吉田-そんな流れが…(笑)B-caféはどういう活動をしていたのですか?

日向-最初はコレといって何もやっていなくて。毎週、知っている高校生が2人ぐらい来て、大学生と駄弁って帰るみたいな感じでした。自分が代表になって「これではあまりに人が少ないぞ…」と思ってから、「ご飯を一緒に食べよう」とご飯づくりのイベントを始めたんですよね。「トーストパーティするぞ!」とか、「たこ焼きパーティーしよう」とか。そんな感じで始めて、ロビーの高校生とか「バンド練習で来ました」という若者を、受付で声をかけて「これ食べられるよ!」とご飯で釣って。月2回「何かしら楽しい事しようぜ」と企画してました。

吉田-日向さんが活動を発展させていったんですね~。

日向-そうそう。それはちょっとありますね。アハハ(笑)

吉田-しかもめちゃくちゃ楽しそう…!当時のおもしろエピソードってありますか?

日向-なんだろうなあ…。スタッフがメキシコのヤニブっていうゲームをもってきて、ひたすら2時間それだけしたり…。あとアカシアの企画で、札幌のアイドル「ミルクス」と一緒にまちづくりを考えるイベントをしたときに、参加した高校生が「ミルクス」にどハマりして、毎回「ミルクス」の台詞や自己紹介をコピーして披露したりしていました。(笑)

吉田-なんと…(笑)真面目なルートに繋がるというのも大事ですけど、ただただ面白い事を共有するって結構大事ですよね。

日向-本当に大事ですね!それがあったから、「リアルオープンキャンパスしよう」というイベントを企画したりもしました。5~6校の大学生スタッフと高校生たちがサイコロを転がして「題に沿った大学の話をしよう」みたいに、色々気楽に大学の話ができる、真面目にも振りつつ、適当に遊びにも振りつつという企画を楽しくやっていたなと思いますね。

吉田-「楽しい」を共有するとか一緒に創り出すとかは、興味や熱量がない子でもできますものね。

日向-そうですね。それに尽きますね。

吉田-環境が日向さんを代表にした、という事もあったと思うのですが、そもそも続けてられた理由ってなんでしょう?

日向-あ~、なんだろう~。なんでだろうなー…。でも、シンプルに楽しかったんですよね。それこそ大学2年生の時に関わっていた高校生の中には、大学生になったときに「楽しいから」といってスタッフになってくれた子がいたり、高校生から大学生になっても来てくれたり。何かを楽しみにしてくれた子たちがいたということは、理由のひとつですね。あと、アカシアのロビーって、なんか居心地いいですよね。フフフ(笑)ゆるっとしていて。僕らも忙しいから限られた回数だけ、ゆるくやりましょうという感じだったので、難しいことが一切なかったんですよね。

吉田-なるほど!

日向-元々僕が教師を目指していて、子どもたちにいろいろな視野を持ってほしいという思いがあったので。目指していたのは小学校教諭でしたけど、高校生もいいかなと思っておりました。一番近い距離間で、ご飯を食べながら、大学の話も、それだけじゃないよーみたいな話もできて。「リアルオープンキャンパス」も、もうすごく楽しかったですね。

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繋がるコトって簡単だ


吉田-休学をしていたということですが、その間は何を?

日向-100日間のピースボートの旅に行っていたんですよね。北欧中心のプランで、中国からスリランカ、エジプトを通ってフランスとかスペインを周って、スウェーデンやノルウェー、デンマークやバルト三国に行って、大西洋を通って中米のメキシコやベネズエラに行って、パナマ運河通って帰ってきて。大体23か国ぐらい周って、色んな人と会ってきました。

吉田-壮大だ…!確かピースボートっていろんなコースがありますよね?そこにした理由はあるのですか?

日向-北欧が教育分野で進んでいるというところですね。オプションツアーを申し込めば、小学校訪問や現地の人と交流など、スタディツアーみたいな要素を体験できて。だから、スウェーデンの環境教育を学びに行ったときとか、すごく良かったなって思います。

吉田-へぇ!実際に行ってみて一番印象に残ったことはどんなことですか?

日向-そうですね~。色々あるけど…。僕、地理が大好きで。船旅で覚えた地名や歴史の場所とかを、実際に土地を知れて「地理で覚えたことは全部その通りで、繋がって、ものすごく大きい世界だな」て思ったんです。
それと合わせて、現代はLINEが普及して、SNSも賑わって、海外の人たちとFacebookとかでやり取りできて。それこそパナマの先住民の村ツアーがあって、竪穴式住居や藁の家とかに住む人たちと仲良くなったんですけど、その人とFacebookで誕生日のやり取りとかもするし。
めちゃくちゃ広い体験をしたけど、繋がる事って簡単で、いつ、どこで何しているのか、SNS等を使えば誰でもわかる。その“繫がる狭さ”をすごくポジティブに感じたことはデカいですよね。もし僕が学校の先生になったとしたら、それを知ってほしかったんですよね。繋がることは簡単だと知れば、極端な話、みんな仲良くなれる。そういうのを伝えたいなと思って旅に出たので、自分でも体感できたことは大きいです。

吉田- すごく「繋がる」というキーワードを大事にされているのだなって感じました!

日向-完全にそうですね。さっきも言った通り、今は「なまら繋がる」というミッションを掲げて事業展開をしていて。やっぱり人と繋がった事で自分自身の可能性が広がると。船旅もそうですし、大学時代のB-caféに先輩が声をかけてくれて、アカシアに行って高校生と繋がっていたこともそうです。それが僕自身の新しい視野になって「高校生ってこんな事を考えているんだ」という視野になるし、「ご飯」というキーワードがあったら、みんなと仲良くなれるきっかけになるんだなと発見することもできた。繋がった相手も「こんなことができるんだ」とか「こんな人もいるんだ」と刺激になるはずなんですよね。そういう出会いが僕は大事だと思ったし、子どもの時にそういう繋がりがあれば、やるかやらないかは別で、可能性が生まれる。
そもそも知らないと選択できないし、知っていたとしても、繋がりのある人の話を聞かないと、自分も「アカシア行ってみよう!」「ピースボートに乗ってみよう!」とはならない。だからこそ、繋がりって大事で、誰かから聞いた事、誰かと一緒にやった事は必ず自分の行動する力になると思います。なので、学童保育やフリースクールなどを通して、繋がる機会を僕たちは作っていきたいなと今思ってやっています。

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ロビーだから混ざりあえる

吉田-今は運営協議委員としてYouth+に関わってもらっていますし、元利用者としての見方もできる日向さんだからこそお聞きしたいのが、Youth+の若者支援に期待している事はありますか?

日向-本当に、居場所としての機能はすごく良いなと思っています。極端な話、必要としていない人はいっぱいいると思うし、そういう人が知ったら本当に凄い居場所になると感じるんですよ。スタッフさんの関わり方が良い感じのフランクさで、決して拒まないじゃないですか。話も聞くし、ロビーにただいるだけもできれば、色んなイベントをやって誘ってくれるし。居場所がない人にとってこんなに気持ちいい場所はないと思う。
あと学生だった僕としては、やりたい事をすぐ支えてくれたんですよね。団体の1人のスタッフとしてYouth+スタッフさんが関わってくれていたので、あれは心強かったですね。
だからもっともっと頼られてもいいじゃないかなーって。アハハ(笑)もっと必要な人はいるんじゃないかなーって思うんですよね。学生とかは特に。こういう所に団体登録して、お話するとか、場所を借りるとか、若者の団体としての可能性が広がると思いますし、もっと若者が有効活用してくれたらいいなと思いますね。

吉田-場所があるし、ターゲットは“全ての若者”なので、もう少し色々な若者と出会ってきたいなと我々も思います!

日向-そうですよね。言い方はあれかもしれないですが、イケイケの人たちもそうでもない人たちも全部拾える環境だと思うので、溶け込めない人たちの居場所にもなるし、逆に「やりたい事がありすぎる」みたいな人たちが一緒に関われて、それこそ学校だったら関わらないけれど、ロビーで一緒になったときは混ざり合えるとか、その可能性がすごく面白いなと思っています。

吉田-コロナ禍で、大学生たちも活動場所が無くなっていっている状況で。「何かできるボランティアありませんか?」という問い合わせもあったりするので、そういう子たちも活動できたらいいですよね。

日向-そうですよね。

吉田-最後の質問ですが、若者支援のことを大人にも知ってもらいたいな、と思っていて。社会にとって若者支援が必要と、どうやったら伝えられるでしょうか?

日向-そうですね。シンプルに若者のやりたい事をサポートする場所だと。救い上げるセーフティネットでもあるし、若者の可能性や力をグイっと引き上げる場所でもあると思うんですよね。逆に言えば、この施設やここにいる若者と関わることで、大人側もこれから一緒に活動できる人たちと繋がれる場所ではあるのかなと思います。大人もYouth+に刺さってみる仲間が見つかるかもしれない。そんなことは言うかな。

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日向洋喜
NPO法人E-LINK代表理事。自身のピースボートでの世界一周の体験を経て、「まならツナガル・トカイナカ」をテーマに、子どもの居場所作りやキャリア形成支援を行う他、地域密着型多世代型コミュニティの形成に取り組む。



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〇インタビュアー
吉田…Youth+アカシアスタッフ。クリスマスに友人からもらったアウトドア用ライトが明るくてエクスペクトパトローナムでした。


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