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第2回「気候変動と正しい科学の知識:地球・グローバル編」のコーディネーターレポート

はじめに

皆さんこんにちは。札幌市環境局主催の「さっぽろ気候変動タウンミーティング(以下「タウンミーティング」と言う。)」のワークショップコーディネーター、ファシリテーターをしている対話の場づくり屋 SNUG代表の長谷川友子です。

このnoteではタウンミーティングの各回のレポートをお送りします。今回は第2回目のタウンミーティングの様子をお届けします。

「タウンミーティング」とは?

タウンミーティングで大切にしていること

「さっぽろ気候変動タウンミーティング」とは、札幌市環境局主催の全8回のワークショップ。市民が気候変動をはじめとする社会課題について対話する文化をつくることを目指して、気候変動を様々な角度から学び、考え、行動していくため市民対話の場です。
このタウンミーティングでは、立場や属性の異なる人々が集まり安心して話し合うことができるよう「公正な対話の場づくり」を大切にしています。

タウンミーティング全8回の全体像公開!

事前に実施したユースファシリテーターと運営のミーティングで、ユースファシリテーターから全8回の全体像をもっと詳しく知りたいという声がありました。
そこで、最初の4回を気候変動や対話の基礎を学ぶ「ふむふむ・もやもや期」、後半4回を「やってみよう期」と位置付けました。

今年度のタウンミーティングのキーワード「自分らしい行動」の意味とワケとは?

昨年度のタウンミーティング では参加者が安心して参加できる対話の場づくりを大切にしていました。
今年度は参加者が安心して参加できる対話の場づくりを探究することに加え、「自分らしい行動」につながるような対話の場づくりを目指します。

タウンミーティングの運営は、「何かやってみたい」という参加者がいるにもかかわらずはじめの一歩を踏み出しにくいのはなぜだろう、ということをユースファシリテーターと考えていました。

対話していきついた仮説は、参加者は「行動」という言葉に対して大きなハードルがあるのではないか、ということです。
例えばファシリテーターが「何か行動してみよう」と呼びかけても、参加者は「行動するからには大きなことをしなくては」と思ったり、逆にアイデアが浮かんでも「こんな些細なことは行動とは呼べない」と考えてしまう可能性があります。

そこで、このタウンミーティングではあえて「自分らしい行動」という言葉を打ち出すことで、参加者が自身の問いや疑問、自分の感情(もやもやしたことなど)をきっかけとした多様な行動を試行錯誤できる場にしたいと考えています。その行動の規模は、どんなに些細でも大胆でも大歓迎。 
まずは「やってみよう」と口にできる環境づくりを目指そうと考えた結果が「自分らしい行動」というキーワードになったのです。

タウンミーティングを支える「ユースファシリテーター」たち!

今年度から、グループファシリテーターをユース世代が担うという新たな試みがスタート。
2024年9月から10月にかけて計3回のユースファシリテーター養成講座に参加したユースファシリテーターがタウンミーティングの対話の場づくりに取り組んでいます。

ユースファシリテーターはグループ対話でのファシリテーションや参加者のみなさんが付箋に書いていただいた意見の共有など、プログラムの進行で重要な役割を担っているだけでなく、開場してからの参加者への案内や飲み物の提供など、場づくりの多くを担っています。

第2回「気候変動と正しい科学の知識:地球・グローバル編」のコーディネーターレポート

前回は「公正とはなんだろう?」と考えるためのプログラムでしたが今回は打って変わって科学がテーマ。
第2回は地球規模で起きている気候変動についての基礎知識を物理化学の視点から学びました。

開催日時:2024年12月1日(日)14:00-17:00
会場: 札幌エルプラザ2階会議室1・2
講師:小坂優さん(東京大学先端科学技術研究センター 准教授)
参加者数:17名

第2回のタウンミーティングの様子は?

このタウンミーティングの本編は3部構成のプログラムです。
本編に入る前に、ファシリテーターから参加者へ全8回のタウンミーティングが目指す姿や目的などを参加者に共有してからワークショップがスタートです。

チェックインの説明するユースファシリテーター!

第1部:集まった私たちを知る時間

グラフィックレコーディングをもとに前回のプログラムの振り返りをしたあと、今回は最初からグループ対話を実施。

参加者同士の関係性を深めるべく、改めてなぜこのタウンミーティングに参加したのか、自身の動機や想いについて参加者同士で対話しました。

第2回目は、第1回目の参加者が考えた
気候変動を対話することへの期待と不安を振り返った上で対話を実施。

第2部:講師による学びの時間

参加者一人ひとりが集まった動機や思いを共有した上で、講師からの学びの時間を過ごします。今回の講師は東京大学先端科学技術研究センター 准教授の小坂優さん。
地球規模で起きている気候システムの変化について学びました。IPCCの第5次報告書に書かれた「人間活動が大気・海洋及び陸域を温暖化させてきたことには疑う余地がない。」という言葉の根拠や裏付けを丁寧に説明していただきました。

科学者の小坂さんの講義はユニークな語り口とともに進んでいきます。
講義後には小坂さんのご講演の資料が参加者に配付されました。

第3部:対話によって学びを消化する時間

第3部はじっくりと対話をする時間です。今回はグループメンバーを変えずに対話を実施。
休憩を挟んでから、小坂さんの講演を聞いた感想や自身の意見をグループで対話し、その後はグループメンバーで対話してきたことから自分たちでトピックを決めて対話する時間を過ごしました。

ユースファシリテーターは参加者として意見を言いつつ対話のサポートも行いました。

今回から参加者がほかの参加者に「やってみたい」「やってみよう」と呼びかけることができるような時間を設けました。

今回の参加者からは「対話の場をもっと増やしたい、やってみたい」という声が上がりました。これから参加者同士でどのような自分たちらしい行動を探究し試行錯誤ができるのかたのしみです。

第2回のタウンミーティングを終えた参加者の感想

第2回のタウンミーティングを終えるために、参加者の皆さんに「今の気持ち」「今日印象的だったこと」「これからタウンミーティングの参加者とやってみたいこと」を書き残していただきました。

「対話の場を増やす」「もっと大勢の人を巻き込みたい」というような言葉たちから、今年度のタウンミーティングのキーワード「自分らしい行動」につながる空気感が感じられるなと思いました。

第2回のグラフィックレコーディング

このさっぽろ気候変動タウンミーティングでは、グラフィックレコーディングで対話をリアルタイムで可視化し記録しています。

今回のグラフィックレコーディングも引き続き、ユースのあみさんこと菅原愛未さんが担当。ありがとうございました!

ぜひじっくりとご覧くださいね。

第2回レポートの終わりに

第2回目のタウンミーティングの参加者は、改めて気候変動という問題の壮大さに対してときに呆然と、ときにもやもやと、ときに何かを閃きながら対話していたように見えました。
関わっていない人は誰もいない気候変動。これからもタウンミーティングを通してともに対話し、自分らしい探究を続けましょう。

おまけ:表でも裏でも活躍するユースファシリテーターたち

先に述べたようにユースファシリテーターと運営は事前のミーティングなどを通してタウンミーティングのプログラムについても対話しながら、その結果をプログラムに反映させています。

第3回目のさっぽろ気候変動タウンミーティングのお知らせ

タウンミーティングはどの回からでもご参加いただけます。気候変動についての知識や経験は問いませんので、ぜひお気軽にご参加ください!

次回のテーマは「気候変動と正しい科学の知識:地域・ローカル編」!
気候変動について、ローカルというまた違った切り口で学びます。

開催日時:2024年12月22日(日)14:00-17:00 会場: さっぽろテレビ塔2階 あかしあ・しらかば 講師:豊田陽介さん(特定非営利活動法人 気候ネットワーク上席研究員 ) お申し込みはこちらから!

さて、第2回のコーディネーターレポートはいかがでしたか。
今後もこのnoteではコーディネーターのレポートやタウンミーティング参加者のインタビューを掲載予定です。

それではまた、第3回目のタウンミーティングでお会いしましょう!

さっぽろ気候変動タウンミーティング
コーディネーター・ファシリテーター
対話の場づくり屋 SNUG
代表 長谷川友子


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