ONTAKE100 2024完走記
2024年7月13~14日に開催されたONTAKE100。
初参加、100kの部を14時間35分06秒で完走してきました。
普通のランナーによる渾身のオンタケ徒然日記!!
究極のオレ通信!!!
1万2千字を超える謎の超大作!!
飛ばし読みでどうぞー
1 準備〜受付
大会1週間前。。
家がごたごたしていて肝心の6月に練習が積めず、まだごたごた真っ最中で出走を迷う。
ちなみに5月、6月のラン事情は、
5月350kぐらい(天ヶ瀬80含む)
6月200kぐらい
6月から家がごちゃごちゃしたのがようわかる。
だいたい週5回10k弱走って(キロ6〜6分半ぐらいのジョグ)、週1ロングが通常、ロングは山に行くこともあり。
今までで一番長く走った?動いた?のが5月の天ヶ瀬と1月にDNSした石舞台の80k。
ちゃう、神戸24時間走の130kでした。けどあれはまた別ジャンルか。
今回のオンタケは100k以上、ほんでずっと動き続けなあかんし、暑い。
大丈夫か?私よ?
けどちゃっかりデカトロンのトレランベストは購入してたりして。
千々に乱れる乙女心よ。。
2日前、DNSしても状況が良くならないことが判明。開き直って出走を決める。
予習も対策もほぼゼロ。完走できたら御の字。
前日夜に準備。
大会の準備もお出かけの準備も相変わらず死ぬほどめんどくさい。
忘れ物あっても到着までに買えるしな。
とりあえず当日使用、ドロップ用、着るもの、を袋に分けて終了。
それもやが、大事なのはゴール直後に飲むおビール。
冷凍して厳重にクーラーボックスに入れといたらゴール後も冷え冷えでいてくれるかしら。
冷凍庫にビールとレモンチューハイを投入。
明日は10時出発予定。
23時に就寝。
おやすみなさーい☆彡
当日朝、一通りの家事を済ませて出発。
ビールも忘れず小さいクーラーボックスに厳重に入れた。
旦那が運転手でついてくるので息子と犬と猫×2がお留守番してくれる。
走ってる途中に食べないので昨日から気を付けて細々と食べ続ける。普段はあんまり食べないおやつもつまみながらドライブ。
昨年は渋滞で大変だったようなのでそれを考慮して出発したけど渋滞はない様子。
中津川で高速を降りる手前、虎渓山PAで遅めの昼ご飯を食べる。
かきあげきしめん大盛。大盛ってもっと麺が多いと思ってた。
中津川で高速を降りた後、ここからはどんどん山に向かって行くようなので夜に食べるものをスーパーで調達する。
関西ではあんまり見かけないスーパーのバロー。
自分の食糧に鶏おこわとくるみパン、旦那の晩御飯にお稲荷さん6個入りと焼きそば、炭酸水とアイスをおやつに、自分へのお土産に関西ではあんまり見ない白醤油を買う。
自分の住んでない地方のスーパーはむちゃくちゃ面白い。これだけ日本全国画一化されても食文化の違いがちゃんと表れてる。
関西やと醤油のメーカーってキッコーマンかヤマサやけど中部ではヤマサの位置にイチビキがおるねんな。ふむふむ。
大会のために来てんじゃなかったらもうちょっと市場調査したい。。後ろ髪ひかれながら車に戻った。
木曽路はすべて山の中である
藤村さん、ほんまや、令和の今でもえぐい山や
とにかく山、山、想像が及ばない奥行き。
川沿いにどんどん山の中に行く。けど意外とこまめにコンビニや道の駅があった。
渋滞考慮18時到着のつもりで出発したのが渋滞がなかったので17時頃に松原スポーツ公園に到着。
おー、あの屋根!!!
とうとう来た!
2 受付〜スタート
手前の駐車場はいっぱいになっていたので奥の駐車場(第2?)に車を停める。
前日までの雨で駐車場は足元がぐちゅぐちゅを予想してたけどこっちの駐車場は芝生やし全く問題なし。
受付を済ませると18時ぐらい。
スタートまでのスケジュールを考える。
とりあえず食べて、寝て、マイルのスタートを見るために起床。スタートを見たら車に戻ってまた寝る。21時半ごろ起床。準備開始。
これでいこう。
買ったおこわとくるみパン、旦那にお稲荷さんを2個もらって食べる。いい感じに腹八分目。
食後、ちょっと明るいのでアイマスクをして目をつぶる。なかなか寝付けないけどフッと落ちて30分強は寝た感。
起きてトイレ行ってマイルのスタートを見学しに行く。
初めて見た神主さんのご祈祷と御嶽山への礼。
師匠のお姿も目視できた。
こんな感じでスタートするんやなと勉強してマイルスタートを見送る。長ーい長ーい道のりの始まり、色んな音の熊鈴を鳴らしながらヘッドライトの一群が走っていった。
あ、まだお店があいてたのでライスピュレを5個千円で購入。手持ち食糧が少ないのが今さら不安になってきた。
試食させていただいた感じはほんまにすり潰したご飯に味がついてるヤツ!
味は悪くなくて、変に後味が残ったりはしない。
いけるっしょ。
車に戻ってもう一寝入り。
21時30分起床のつもりが、うだうだしてから21時40分ごろに起きる。
まず歯磨き。車から出ると周りも動き出してる。歯を磨きながらトイレに行って並ぶ。
すでに準備完了のトレラン紳士たちの群れがおしゃべりしながらスタート方面に向かってたり、一人真剣な顔でトイレに並んでたり。。
みんな一様にワクワクテカテカ興奮気味。
深夜の山奥でみんな何をしとんねん。
なんか笑けてくるよね。
私も車に戻って準備。
今回の服装、装備
下着:ユニクロのエアリズムのシームレスブラ(マメクロゴウチのやつ)
ウエア:ヒアネスのノースリ(クラシックなかわいいやつ)
短いタイツ(シーインで買った総合格闘家みたいなやつ)
モンベルのクールアームカバー
インナーファクトのラミーソックス(くるぶし丈)
シューズ:アシックスのマジックスピード2
ライト:ジェントスのGD-180H
ザック:デカトロンのEVADICTトレイルランニングベスト(5L)
時計:COROSペース3
補給食
アミノバイタルパーフェクトエネルギー(赤い後半効くやつ)×1
ガッツギア×1
ライスピュレ(現地調達したやつ梅味)×1
梅肉チューブ(胃をアルカリ性に保つといいらしい、塩分も補給できる!)
生姜チューブ(なんかさっぱりする、気付け薬)
お茶(インナーファクトのフラスコに入れた600ml)
お水(ちっさいペットボトルに入れた400ml)
念のために空フラスコ1個持っていく
後半用にまるで同じものをデポバックに準備した。(梅肉&生姜は前半の分を引継ぎ)
服装については、インナーファクトのレディース変態おパンツが行方不明でシーインで買ったシームレスのショーツを着用。何も不具合は無かった。
タイツは雨だと短パンの裾がまとわりついて鬱陶しいとの情報を得てタイツに。
これはポールダンスのウエアとして買ったやつやからランの現場で見ると変に違いないが、まーえーわ。
他はTシャツにするかノースリにするかで迷ったけど、デポにTシャツを入れて出発時はノースリに。
このヒアネスのノースリはお気に入りやからテンション上げるため着たかった。
しかし!この時の私はこのせいで痛い目に遭うと知らない。。
シューズは、
なんでもいけまっせ!とか、
トレイルちゃうからなーとか、
オンタケはシューズを成仏させるところや!
etc、各所からいただいた大味なアドバイスを考慮し、昨シーズン履きに履きまくった相棒マジックスピード2を霊峰で成仏させることにした。
デカトロンのベストと、ジェントスのライトはカモシカトレイルさんのブログを読んで購入。
補給食については、走りながら食べるのが本当に苦手なのでカーボローディングで貯めこんで足らずをジェルで補う戦法。
いつもこれでいけてるし、私は出力が低いので何とかなるはず。
胸具合が悪い状態とか満腹状態にすごく弱いので、ジェルを食べた後は梅肉と生姜も食べて水でぐちゅぐちゅぺーしてお口をリセット。
これで胃の調子は一定でいける。天ケ瀬はこれでうまくいったのでオンタケでも採用。
お着替えを済ませてベストを背負い、いざ、スタート地点へ。
前のハーネスをパチパチ閉めると行かねば!って気分になりますね。
旦那がついてきてるので友達とわちゃわちゃもできず、マジで正味の最後尾に陣取る。
エチオピア人ランナーの紹介とかいろいろあって神主さん登場、祈祷して、御嶽山に礼。
さぁ、スタート。
旦那にグータッチで送ってもらい、ゆっくり足を動かし始めた。
3 ステージ1 上松
スタートしてからは車で来た道を走る。暗いし人がいっぱいでどこを走ってるか、道の様子が全然わからん。
と、そこで昨年のBAMBI100のボラでお世話になったKさんを発見!!嬉しくなって声を掛ける。
お知り合いの多い方なので覚えてないかなーと思ったけど、
声ですぐ分かったよ!
と言ってもらってめっちゃアガる。
前回完走できずで今年は絶対完走!とのこと。うん、私も絶対完走する!
ちょっとおしゃべりしながら走ったけど人が多くて知らん間にはぐれた。
川沿いのロードを延々ヘッドライトの列が続く。
これからみんな一体どうなっていくんや。私はとりあえずキロ6分半~7分ぐらいで走る。
ここら辺から左鎖骨あたりに違和感。ザックとノースリの左肩部分が着地の度に鎖骨に擦れる。
これはヤバい、長い道のりやのに。。
そういえばこのウエアとザックの組み合わせで走るの初めてや。
大会前に衝動買いするからこういうことになんねん!
どうしようと思いとりあえずザックの前ハーネスに下げてた手拭いを肌とウエアの間に挟む。走っても痛くなくなった。
グッジョブ!私!
分岐を右手に入ってそろそろ林道開始?
だんだん上り坂っぽい感じになって、足元もきれいなアスファルトではなくなってきた。
道幅が狭いのに人がいっぱいで普通のマラソン大会みたい。
ちょっと前に行けそうなので手で合図を出して、人の隙間を縫って前へ前へ。
暗いと斜度が分かりにくいので、上り坂もゆっくりではあるが走り続けることができた。
ふくらはぎだけで斜度を判断。これぐらいやったら走れそう。
最後尾スタートということもあり、周りのランナーさんは上りは歩く方が多い。
その中、ベテラン紳士風サンダルランナーさんが人の隙間を縫って走って行った。
その隙間に私も入れてー!と後につくと、
「ぶぅっ、ぶー、ぶ、ぶー」っといいリズムでオナラをこきながら上がって行かれる。
普通に聞こえてるけどみんなスルー。私ももちろんスルー。
けど、かまされながら走るのは嫌やから彼の後ろにつくのは止めにした。
おじいちゃんサンダルランナーが屁をこきながら林道を走るって恐るべしオンタケ(何が)。
いきなりオンタケの洗礼を受けた。
しかし、まこっちゃんが言ってたことはリアルガチ、ほんまに走れる斜度の上りが続く。
うちの近所でいうと赤い橋までの上りよりだいぶ緩い斜度。って誰がわかるねん。
かなり上ってやっと下り、時計の高低表を見ると下りも長い。
しかも下り始めると、さっきまでの上りで抜かした人たちがどんどん私を抜かして行くやん!
私、下り下手なんよなー。
ショックやけどまぁ仕方ない。
まだまだ先は長い、焦ってこけたり、足が無くなるのは避けたい。マイペースでいこう。
下り切るとまた同じような走れる上り。
15kぐらい走ってだいたいここら辺でコースとペースが掴めてきた(勉強不足!?)。
雑に言うと登る、その分下る。
割とパッキリ決まってる。
ほんで4分の1ごとに大エイド。
エイドは下り切った後にある。
私のペースとして、上りはキロ8~10ぐらい(斜度による)、下りはキロ6ぐらい、平坦はキロ6分半ぐらい。
わかった!!大丈夫!!(多分)
2回目の長ーい下りを下るとエイドに到着。
うん、トイレ行きたい。
下りが長いから催してから我慢するのは厳しい。予防のために行っておこう。
このエイドではトイレに並んでる途中でフラスコに水を入れてもらえた。
しかもボラの女性が手がおバカになって開けられなかったフラスコを開けてお水を補充してくれた。
優しいー泣くー。
ところで補給ですが、スタートはいい感じの腹八分目で出発、途中なんかお腹空いたかな?でジェル、梅肉、生姜ルーティーン。これを繰り返します。
エイドに食べ物あったけど持ってるもので行けそうなので食べず。
スッキリして、水も入れてもらって、さ、行くで。
ここからの上りはめちゃくちゃ長くて急っぽい。
とりあえず行けそうなところまで走って、後は歩こう。長い下りで走ったらいいや。
予定通りさすがに急な上りで歩く。でもただ歩くのはなんかもったいないので、胸を開いたり、肩甲骨、首、上半身のストレッチをしながら歩く。同じ動きばっかりだと飽きるし固まってくる。
ここら辺になってくると人口密度も低くなってぎゅうぎゅうのマラソン状態ではなくなる。
と、私のライトなんか暗くない!?
今までは前後左右に人がいたから自分のライトなんてどうでも良かったけど、自分一人になるとライトの光度がめちゃくちゃ低いことに気づいた。
歩きやからなんとか大丈夫やけど心もとなくはある。。
バキバキ明るい人にくっついて光をお裾分けしてもらいながら進む。
光泥棒をしてると何よりもレッドレンザーが明るいとよく分かった。
安物買いはやめて私も買います、レッドレンザー。
4時を過ぎるとだんだん空が白んでくる。
もう光泥棒も疲れた。早く夜が明けてほしいな。。
とか考えながらひたすら急登を歩いていると、さすがは夏、夜明けまでが早い。
一番高い山のてっぺん付近で夜明けを迎えた。
明るくなると靄がかかった山々がだんだんはっきり見えてきた。どこまでも深く深く続く山々。
健康目的のロードランナーから始めてこんなところまで来てしまったけど、なんてきれいな景色なんや!!
普段低山しか登らない私にとってはまさしく絶景。
多分、生まれてから一番高いところにいる。
疲れで何でも口に出すモードに入ってたこともあり、「めっちゃきれいやん!!」と大きめの声で言ってしまう。
ここからはご機嫌でぐいぐい歩く。高低表を見たらもうちょいで頂上。岩肌から湧き出る水で手を洗うと、清涼な冷たさにシャキッと目が覚めた。
目が覚めたことに自信はあったけど念の為にカフェインピルを飲む。
夜明け直後、迷惑掛けずに休憩できる道端には必ず誰かがうずくまって寝てる。蛇行するランナーもチラホラ。私も急に眠くなってもおかしくない。
ほんで上り切ると下り、長い下りは3回目か。
私の下りが遅いのはなんでなんやろ?そういえば、5月にみんなで走った時に下りの話したなー
くるぶしを飛び越える?やったっけ
ほんで脱力?
脱力しやすい手って
あーあの愚地独歩のサンチンの赤ちゃんのやつや(グラップラー刃牙を参照ください)。
長ーい下りを走りながら手はサンチンの印みたいなのを結んで
くるぶし、脱力、くるぶし、脱力‥‥
ぶつぶつ唱えながら走る。合わせて熊鈴がガラガラ‥‥
くるぶし、ガラガラ、脱力、ガラガラ‥‥
軽いトランス状態に陥りながら延々下る。
今日いちばんの集中。
だいぶ狂ってる。
けど、脱力といい走り方ができてる感じでドンドン下れた。
完全に明るくなって路面がはっきり見えた。
これは完全にガレた林道ってやつやな!!
私は今、オンタケを走ってる!!!
今まで下りは抜かされてばっかりだったのがちょいちょい抜かす身分に。
そろそろ足にきて下るのがしんどい人も出てきてるのかもしれぬ。
時計を見たらキロ6切ってる。時間は6時前、松原スポーツ公園までは残り10kぐらいほぼ下り。
これ、7時ぐらいに戻れるやん!?速いな!私!
んで、私はこのパートでオリエさんに出会っているはずやけど、どこで会ったかが思い出せない。。夜は明けてたけど松原スポーツ公園の前、上ってるオリエさんに声を掛けたハズ。
私:オリエさんですか?
(ストーカーとかじゃないの、女子は友だちに気をつけて見てるからわかったの)
オ:そうですー
私:おさきどんです!
オ:あー
(ファンの私、すかさずハグしにいく)
オ:ベタベタだよー。あーもう飽きたよー
私:いつも低山ばっかりやからこれでもテンション上がります!ちょっとがんばってみます
こんな感じやったはず。
ゆっくりとはいえ走りながらなので、ピッチさんのこともアッチャンさんのことも何も言えず別れる。
オリエさんは、アンニュイな脱力感がオンタケというシチュエーションとはミスマッチで何とも素敵でした。
最後の長ーい下りあたりから雨が強くなってきたかな?小雨ではなく本降りの雨、けど、もうスポーツ公園に帰れるしレイン着るのはめんどいな。
上はそもそも着替えるつもりやし。
雨が降る中スポーツ公園へ急ぐ。
最後のロードはめっちゃ元気な男性と並走しておしゃべり。
彼曰く後半のステージの方がガレてて景色が無いとのこと。しかし斜度的には後半の方が楽らしい。
ロードシューズを履いてることを指摘されたので、
オンタケはシューズを成仏させる場所と言われました!
と言うと爆笑された。
powerbar橋を渡り、最後の坂を2人でキロ6切って走る。
足は全然疲れてなくてまだまだ走れる感じ。最後の駐車場付近で彼には千切られたが、ほぼ7時ちょうどに松原in。
上出来上出来、これで後半全歩きでも完走できる。
ドロップを受け取りに行くと旦那発見。私がこの時間に帰って来ると予想できたとは。。
とりあえず着替えしよう、受け取ったあとはトイレに直行、ノースリからTシャツに着替える。
こいつもヒアネス。
トイレから出たところのベンチで靴下も履き替え。
雨と回避不能な水溜まりで足はべちゃべちゃやったけど、後半の方が酷かったのでここで履き替えたのは時間の無駄やったかも。
履き替えついでに素足を見たらふやけてたものの無傷。
屋根の下に戻る途中、同じ速度帯かと思いずっと探しながら走ってたゆかちゃんに会えた!
私より5分ぐらい先着してたらしい。
とゆことはほぼ同じ景色見ながら走ってたんやね。ゆっくり話したい!
もう出し切ったよー
にわかりみが深すぎる。
私も後半は考えず突っ込んだよ!
バイバイして屋根の下に戻る。
デポしてたコーヒーを一口飲み、ジェルを入れ替えた。8割完食。ライスピュレは手付かずのまま。
我神散を炭酸水で流し込んで、そのまま持って行くことにする。
前半は左胸にフラスコを入れてたけど、フラスコに入れたお茶ってマジでおいしくない。代わりに炭酸水のペットボトルにしよ。
この時だいぶ雨が弱まっていてレインを着て出発するか悩む。
旦那に
なー雨どうやろ?
聞いてみる。
そら、これからやろ。カッパ着たほうがええで
やんな、けどすぐ出せるようにしてるからこのまま行くわ
ドロップバッグを所定の場所に戻して、さぁ出発。
の前に梅肉チューブのフタが取れて右胸のペットボトルが梅肉まみれになったのを思い出した。
再びトイレに行って、ペットボトルと梅肉チューブを洗う。
エイドでオレンジを2切れいただき、水を補充して今度こそ出発。
滞在時間は25分。居座りすぎや。
4 ステージ2 滝越
小雨の中、ゆっくりと走り始める。
ノースリからTシャツに着替えたらザックとの擦れがなくなった!
けど、炭酸水のペットボトルがデカくて固い(当たり前や)。
それがデカいガッツギアと相まって走りにくい。
我ながらアホやなーと上りを歩きながら背中にガッツギアを収納した。
なんかアスファルトの道が長かった気がするけど、もう林道を走り過ぎて何が何やら記憶が曖昧。
未舗装林道に入ってからは、何か1ステージの道を逆走してるんかなってぐらい似てる気がした。
旦那の天気予報は当たって雨がどんどん強くなってくる。
めんどくさがりの私もさすがにレインを羽織る。
こちらのステージは度々川を渡ったり、道の脇を湧水が流れていたり水分含有量が非常に多くて、さらに雨で道が川状態のところも多数。
最初は丁寧に水溜まりや川を避けて走っていたが、もう足ボトボトやしええわ!って投げやりな気持ちと、疲れで足がコントロールできなくなってきてジャブジャブ水に浸かるようになっていった。
さらに、道全体に広がる回避不能の水溜まり、橋全体が水溜まり、湧水が溢れて道を横断してたり。。
こんなに靴を履いた足を濡らすことってありますかー!?ってぐらい足が濡れる。冷たい。
雨も強さを増して、レインパンツは着てない下半身の腿やふくらはぎが冷えているのを感じるようになっていた。
聞いてた通りガレ度はステージ1より激しい。
上りは石に靴底が引っかかるからそれがグリップになって案外走ってるけど、下りは左膝と右ふくらはぎが痛い。。かも!?
やばいなーと思いながらも前に進むしかない。
72km地点ウォーターステーション、水は大丈夫やけど念の為トイレに並ぶ。1基だけのトイレ、私の前に3人。
といちばん前の女性、あのザックと手ぬぐいはXで見たことあるで!人肉さんや!声をかけたいけど入ってしまわれた。
どうしよう、人肉さんと喋りたい、けどなんかだいぶ並んで時間ロスってる気がする。
ご縁があったらまた会える!と思い列から離れて出発した。
雨は止まない。ザックの上から羽織ってただけのレインのジッパーを上げてフードをかぶる。
今までと変わらず上りはゆっくり走って、水交園エイドまでの長い下りに突入。
やっぱり足がおかしい。ってか痛い確定。
着地の度に左膝と右ふくらはぎ側面(腸頚かな?)が痛い。
走れないことはないけど、痛みで思いっ切った着地ができないので速度が保てなくなってきた。
キロ6で下ってたのが、キロ6分半から7分になり、上りで抜かした人にどんどん抜かれていく。
あー、けどしゃーねー、とりあえずエイドついたらどないかせな。
そこに去年トモさんのイベントでご一緒したKN子さん!
大好きなトレランの大先輩です。
速いんやねー!
と言ってくださったが
もう足が痛くて下れなくなってきたんですよねー
先行ってくださいね
ちょっと泣き言を言うとKN子さん、
私ももうだいぶしんどいー
と言いながら
気をつけてねー
黒いモンベルのレインの背中がどんどん離れていった。
ここにまできてしんどいのはみんな一緒、先に進まな終わらん。
痛いけどこういう時こそ原点に帰らな。
くるぶし、脱力、くるぶし、脱力‥‥
唱えてリズムを作りながらひたすら下る。
エイドについたら、ほんまは嫌やけど痛み止めを飲もう。
圧かけたらマシになる気がするんやけどなー
そうや!!!!
腕にしてるアームカバー履いたらええねん
着圧ソックス代わりになりそう!
私ってかしこい!!
水交園エイドからゴールまでは20k強、エイドでリセットして最後まで走り切ろう。
まず、トイレ行って、痛み止め飲んで、アームカバー履いて、そうめん食べるぞ!
頭でシュミレーションしながら下る。
だんだん雨足が大人しくなってきた。
レインも脱いでザックにしまおうと思ったところで首の付け根、ちょうどレインのジッパーのあたりが痛い!
金具が当たってる?いや、これ毛虫ちゃう?熱を持った感じの痛み。
エイドの近くでよかった。これも処置してもらおう。
水交園エイドに到着。計測マットの前が見事に水溜まりになっている。
係員の方が大したことないので進んでくださーいと声を掛けてくれる。
もうどうでもいいくらいに足が濡れてるから躊躇なく進む。
まずはトイレ。ここはちゃんとしたトイレがあるので助かる。
手洗いの鏡で虫刺されを見るとバッチリ脹れていた。
外に出て石に腰をかけて、ナロンエースを服用、レインを脱いで収納、腕にはめていたアームカバーを外して泥まみれの脚に履く。
うん、予想通り圧がかかる。
昭和のスケスケビジネスソックスみたいでめちゃくちゃダサいけどこれでいけそう。
後、アームカバーって直に汗を吸ってるからかめちゃくちゃ臭い。
以降手を洗ったのに指が汗臭くて困った。
救護で虫刺されを診ていただき、気休めにかゆみ止めを塗る。
一通りやらないといけないことを済ませた後は、お楽しみのそうめん食うべ!
エイドの机のそばに行くと、100マイルのディフェンディングチャンピオン、パイセンが地べたに座っていた。
パイセンじゃないですか!?
パイセン、10歳は老けたか!?ってカスカスの顔で
もうボロボロですわー
だいぶしんどそう。けど強い人や、
いけますってー!
というと笑顔を返してくれた。速い人かてしんどい時はしんどいねんな。
そうめんは思ったよりしょっぱかったけど、色んな処置をしてホッとしてたのかするっと1杯食べることができた。
オレンジも1つ食べた。
ほんで、コーラあるやんか!!!
エイドで飲むコーラって何でこんなに美味しいんでしょうね、かあさん!
コップに半分注いでいただき一気に飲み干した。
さー、あと20kがんばろう!
エイドを出るときれいな舗装路が続いた。
左手には白樺が生えていて自然公園のような趣き。
このまんま、こんな感じで荒ぶれず最後まで終わってくれたらいいのになー
と思いながらゆっくり走る。
ここからは上り、斜度が上がると足もしんどくなってきた。
よし、ここから1k歩いて後はがんばって走る!全身をストレッチしながら歩いて準備しよう。
首から、肩、腹部、腰、もも、痛みのある膝、ふくらはぎ、アキレス腱、足底、足横を伸ばしながら1k歩いた。
ここからはゆっくりでも走る。
運悪くというか走り出すと道がガレてきた。
石に足を引っ掛けてキロ10でも走る。
高度が上がるほど勾配が急になり荒廃してガレる林道。また雨も本降りになってきた。
ここは地球じゃない星なんかなー、景色もないし、石がごろごろだよー
もー、しんどいなー!
周りに人がいても声に出しながら上がっていく。
最高地点の少し手間でウォーターステーション。
水は涼しいし手持ちで足りる。
けど、手が届く範囲の補給は食べ切ったので背中にしまったガッツギアを手元においときたい。
係員の方に、
すいません!背中のジェル取ってもらえますか?
いちばん上にあるはず
快くザックを探って取ってくださったが、汗でベタベタのザック触らせるなんて正気の沙汰では無かったと出発してから大後悔。
90kも走ると頭もだいぶゆるくなる。
後2kで下りとのこと、けどここからの2kは長く感じた。時計の高低図を何度も見てしまう。
やっと最高地点まで上って下り、ここで13時すぎ。
足が痛くて下りの動きに慣れるまで時間がかかる。
痛み止めが効いてか明らかな痛みは薄れたけど、違和感と痛みの兆候みたいなんは残ったまま。
石がゴロゴロの林道を何とか走る。
キロ7ぐらい。ここからの下りは長かった。
石ゴロゴロ、砂利道、セメントバキバキ、アスファルトが割れてるetcこの世の全ての林道があらわれた気がする。
いい加減まったいらのきれいな舗装路を走りたい!
足もしんどい。
デカい石や、水場を避けるコントロールもだんだんままならなくなってきて、一旦止まってストレッチ。
これ、故障して走れんくなるとかないよな
ちょっと不安がよぎる。でも進まないと終わらない。
キロ7〜7分半ぐらいで下り続ける。
脱力、くるぶし、脱力、くるぶし‥‥
もうリズムを作るためだけにただただ唱えた。
後ろから来たランナーに抜かされることもしばしば。
あのがんばって上り走ってた人下り遅いなーって思われてるんかな。。
赤ゼッケンのマイルのランナーにも抜かされだした。
パイセンは水交園で私より先に出はって、トップはもっと前、ならこの人は5、6位とかそんぐらい?
ってことは師匠に腰ポンの危機か!?
この涼しい良コンディション、私で想像以上にこんなに速い。
多分ヒトケタ順位やろうからそろそろ後ろに迫ってきてるに違いない。
ヤバい。
腰ポンされた上、ゴールが遅いと友だち誰にも会えないかも。
みんな私よりだいぶ前にゴールしてるはず。
帰ってしまう!
とにかくリズムは崩さず一定で、もう時計も見ない。
進んでなくて絶望するだけ!
だんだん斜度が緩くなってやっと舗装路に出た。
ここでだいたい14時頃。
よかった、けど足全然残ってない。
ロードに出たからって生き返るわけじゃないよな。
強い人はみんな言う、一歩一歩ゴールに近づいてるから前に進むだけ。
はい、進みます。
林道下りモードからロードジョグモードに切り替えて走る、けどキロ7以上はもう出ない。
けど絶対最後まで走る!!意地じゃ!!!
残り3kの分岐で係員の男性が誘導してくれた。
残り3キロでーす、がんばってください!
距離表示は時計とピッタリ。
直線の道に出ると前にポツ、ポツと2人男性ランナーが歩いているのが見えた。
ポールをついて坦々と歩いてる。
1人目に近づくと熊鈴の音。
律儀にずっと鳴らしたはんねんなー
軽く会釈して横を通り過ぎると、男性は私の後ろについて走り始めた。
熊鈴の音が足に合わせて鳴る。
ここまで長かったよな
103k走ってもう最後の最後、足は死んでるけど走りたいよね。
背後でゆっくりでも走ってる熊鈴の音に涙が溢れてきた。
しばらくして男性はまた歩きに戻った。しゃーない、足は終わってるもん。
私は最後まで行くよ!
師匠来てへんよなーと後ろを振り返りつつキロ7をキープで走り続けた。
powerbar橋を渡って最後の坂、これでもう終わり!
私100k走れるやん!!
駐車場の横まで来ると表彰式をしてるMCの方の声が聞こえてきた。
あ、ハーネスに引っ掛けてる手ぬぐい、ゴール写真で変に写るから取っとかな!
(私は背が低いので手ぬぐい垂らしてるとバランス
がおかしく見える)
手に手ぬぐいを握りしめてゴールに備える。
最後の直線、ゲートの奥に係員の女性がいるけどここがゴール?スタートしたとこまで行くん?
女性が
おめでとうございまーす!ここでーす!
と言ってくれる。
両手を挙げてゴール!!疲れた!
14時間35分ぐらい?
最初のエイドでトイレの列の中、水を補充してくださった女性がいた。
いい笑顔です!お疲れさま!
とねぎらっていただく。
これ、オールスポーツさんええ写真撮ってくれてるかもと一瞬期待がよぎった。
ドロップバックを受け取りに屋根の下に。
まこっちゃんおる!!!
おさきどん、お疲れー
100k走ったとは思えぬいつも通りの涼しいお顔。
まこっちゃん、ぺそちゃん、春巻ちゃんがそれぞれ年代別1位と聞く。
ワーッッツ!?速すぎやろ!!!
タイムは?
12時間51分とのこと。えっぐー!!スゴい人なんは知ってるけども。。
春巻ちゃんと初対面。
想像より小柄で黒髪がキュート。運動神経良さそうな方でした。またどこかでお会いできますように!
ブッこけて治療受けてたというぺそちゃんともおしゃべりできた。
両膝にでっかいバンソコウを貼ってもらってて、足の親指の爪もヤバない!?
かわいいのにワンパクな子や!!
私はみんなに速かったと褒めていただきご満悦。
まだまだおしゃべりしたいけど、足も死んでるし全身ドロドロをなんとかせな。
ほなまたー
車の方向に向かうと旦那がこっちに向かって来ていた。
一度、14時にゴールを見に来たらしい。さすがにそれは無理やな。
足は痛いけど胃腸は元気。
レモンチューハイ飲みたい!!!
車に戻って小さいクーラーボックスからチューハイを出すとまだキンキン。
ほぼ一気飲みや
3日だけでも禁酒してたからうまい!!
しみるーー
これで全ての記憶は美化されて、あーー楽しかった!
になったのでした。
後日談
オールスポーツのゴール写真に写ってた私は、雨の中を100k走ってよれよれになったしわしわのババァでした。
オールスポーツさん!せめて上から撮って!
アカン!下からは!
手ぬぐいなんてどうでもよかったね。