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8月NPO活動発表会「くまともりとひと~日本熊森協会のこれまでと未来~」

8月のNPO活動発表会は、日本熊森協会福岡県支部 柳 時一 副支部長に発表していただきました。その様子をムーがお伝えします。

最近、クマに関するニュースを良く目にしますね。
「クマ」と聞くと、狂暴、怖い・・・そんな印象を持っている方、多いのではないでしょうか?実際はどうなんでしょう。


日本熊森協会とは

日本熊森協会は「クマ」をシンボルに、奥山水源の森の保全・再生や大型野生動物の保護に取り組んでいる、全国組織の実践自然保護団体です。

なぜ「クマ」をシンボルに!?

クマは日本で1番大きな大型野生動物で、山の植物の実などを主食にする雑食動物です。クマが住めるだけの環境があるということは、多種多様な生き物全てが住める環境が整っているということです。熊森協会は、最高に豊かな森を残すために、森の生態系の頂点であり、森の守り人でもある「クマ」をシンボルに活動をしています。

え!?クマは雑食動物?人が襲われたというニュースを見たことがある方は不思議に思いますよね。会場に参加された方も、驚いていました!
では何故、クマは人を襲うのでしょう。

なぜクマは人里に現れるのか!?

祖先が大切に残してきた森は、全生物の命と産業を支えてきた滋養豊かな水源の森であり、動物と人間との棲み分け、共存した生活ができていました。それが、戦後の林野庁の拡大造林政策により、手入れが行き届かない人工林の増加、太陽光発電などの建設による森の伐採が進み、生物も植物も生き残れない森となっていきました。また、地球温暖化も森の劣化を加速させています。
その結果、野生動物たちは空腹に耐えられず、食料を求めて里に出てくるようになりました。本来クマは臆病な性格で人間を襲う習慣はありません。人身事故は、怖がるクマが人間から逃げようとして起こるものです。
もしもクマに遭遇したら、刺激しないように大声を上げたり急に走り出したりせず、静かにゆっくりと後ずさりし、その場を立ち去ってください。

動物の住みにくい環境を作ってしまった、その原因が私たちにもあると知り、動物との共存について真剣に考えないといけませんね。

日本熊森協会の活動について

クマや動物が棲めなくなった奥山や人工林は、生態系のバランスが崩れ、湧き水の減少、豪雨などで山崩れや土石流が多発しています。
人類が生き続けるには、保水力抜群の豊かな水源となる森を、生き物丸ごと残すことが必要です。
そこで熊森協会は、放置人工林の間伐や実のなる広葉樹の植樹を行ったり、買い取った山を自然の森に戻すなど、様々な保全活動を行っています。また野生動物の保護、子どもや学生向けの環境教育活動も行っています。

詳しくは日本熊森協会のホームページをご覧ください。

柳副支部長より

人と動物の棲み分け、共存する社会づくりのためには、大きな自然保護団体が必要です。一人一人の力は小さくても多くの人が集まれば、国を動かし自然を守る法律や制度をつくることができます。数は力です!!
福岡県支部では、講演会の開催やイベントでのパネル展示、植樹会の参加、本部で飼育している熊に餌のどんぐりを送るなど、全世代が参加できる活動を行っています。活動に参加できなくても、会員の1人として熊森協会を支えていただけたら嬉しいです。

最後に

発表後、参加者アンケートには、「クマに対する見方が変わった」「豊かな森を残すために自分の行動(意識)を変えていこうと思います」など、前向きな感想を多くいただきました。

動物も人間も生き続けるために、私たちにできることは・・・
100年先、1000年先に、子どもたちが豊かに生きていける自然環境を考えて行動してみませんか?

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