パグならばどれほどよかったでしょう(金網デスマッチの相手がピットブルの群れだった米津玄師)

高瀬隼子の「おいしいごはんがたべられますように」を読んだ。こんなに邪悪な小説があってよいものか…と思った。人間の気持ち悪さというか、歪みみたいなものを存分に引き出している。「ちゃんとしたごはん」に腹が立つという感情、人々にある程度通底するものではないかとも思うが、それをメガホンで増幅させたものを終始見せられていた。なんだかしっかりした感想が書けそうな気もする。少し考える。
高瀬隼子、インタビューや人の評判を見るにつけ、以前からじっとりとした作風であるのはなんとなく知っていたが、ここまで胸の奥の方の「いやなかんじ」を引き出してくるようなものだとは思わなかった。これはぜひ他の著作も読まなければ。

泣いている人がいたらさ、抱きしめるだろ。それでさ、捕まる。

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並盛

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