「レンズ沼の歩き方」OP Fisheye-NIKKOR 10mm F5.6
今回は、フィッシュアイレンズ。2012年05月21日に日本の首都圏近郊でも観察できる金環日食がありました。日食を写真に記録したいと購入した思い入れのあるレンズです。
このレンズは、1968年に発売になった6群9枚構成の『世界初の正射影フィッシュアイレンズ』『世界初の一眼レフカメラ用非球面レンズ』だそうです。円周部分が小さく、中心部が大きく映る円周魚眼レンズです。正射影の技術的な説明は Nikon の HP「ニッコール千夜一夜物語 第6夜」をご覧ください。
金環日食は天気にも恵まれ堪能できたのですが、撮影の練習はほとんどできず一発勝負でした。何枚か撮影しましたがあまり良い出来栄えではありませんでした。
このレンズは後端が飛び出しているため、一眼レフカメラではミラーアップが必要。Nikon F や Nikon F2 でしか使えません。さらに、露出の問題もあり撮影のハードルが高かったです。
フルサイズミラーレスを購入しても、「ミラーアップが必要」の思い込みが強く、レンズカタログでも使用できないレンズと記載されていた気がして、防湿庫に眠ったままでした。
今回、接写リングをはさんでイメージセンサーとの距離を取りながら使えば、無限遠は出なくても写真は撮れるだろうと試してみました。センサーに干渉せず、接写リングを使う必要もなかったので無限遠もOK。一番気になっていた色被りも発生しませんでした。
ミラーアップして使用するレンズなのでファインダーが付属しています。外付けファインダーでの構図決めは、視差等のため結構面倒です。ミラーレスカメラでは、構図がしっかり確認でき便利です。
円周魚眼レンズは、なかなかなじみのないレンズです。今回使ってみて楽しさが分かってきました。雲景が好きなので、いろいろな雲の表情を撮ってみたいです。