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経緯②

豊橋市在住
着物スタイリスト大山沙織です

『あれ?やっぱり!』声をかけてきた女性は
狭い待合のスペースにもかかわらず大きな声で
私の隣に移動してきた。
『すごい素敵な日傘をさしてるなって思って、
やっぱりね!呉服屋の人は違うわ』と。
そう、地元という世間はとても狭い。
こんなところで顔を合わすのはなるべくなら避けたい。見かけたとしても気づかない振りをして欲しかった。でもお喋りは止まらない。

『今日は検診?やっておいた方がいいもんね、私も検診だよ』と。検診ではないので曖昧な返事をするしかなく、しばらくは相槌を打つ。すると受付で名前を呼ばれようやく席を立つことができた。
受付女性は問診票を見ながら
『今日はどうされましたか?』と。
問診票には症状を記載してあるはずなのに。
待合いと目の鼻の先にある受付、
テレビや雑誌に目を落としながらもそれこそ
"聞こえない振り"をするだけで会話は筒抜けである。
もじもじと『少し気になることがありまして。』と告げると『何ですか?しこりですか?』と受付女性。
『知り合いの方がいるので奥でお話ししてもいいですか?』と伝えても
『は?あなた代理人の方ですか?』と、上手く伝わらず結局、受付で『乳頭から血の混じる液体が出ているんです』と言わざるを得なかった。
いくら乳腺専門だからとはいえ、
顔と声のわかるところで伝えてなくてはならないのはとても辛かった。
即座に受付女性はそれならと検査着に着替えて待つようにと奥へ促した。
たぶん聞こえていただろうと思い振り向くことなく奥の検査室へと向かった。

マンモグラフィー
上下左右に胸を挟んで撮る乳房専門のレントゲン
ものすごく痛いと言われる中、
わたしは幸い平気なタイプでした。
症状のある左胸の撮影中、やはり茶褐色の液体が流れて検査着のズボンが汚れてしまった。
診察
マンモグラフィーの画像が出来たようで診察室へ
医師のM先生は画像と問診票を確認しつつ口頭でも私の話を聴いてくれた。
触診とエコー
診察台に上がり検査着の前を開ける。
まずは触診と指の腹をつかってまんべんなく
何かを探すかのように全体をチェック。
次に胸に暖かいジェルが塗り広げられる。画像が頭の辺りにあるモニターに映し出される。
黒とグレーの画像はどこをどう見て良いのかさっぱりわからない。

M先生はマンモグラフィーとエコーも画像をみるかぎりガンを疑うような感じはないし、しこりもないね。まだ液体は出るかな。液を採取して調べて見ておこうと。
昨夜に発見された乳頭からの分泌液、自分でも散々、先程のマンモグラフィーでも出てしまったので、
絞り出すように採取された液体は茶褐色ではなく赤みの強い液体へと変化していた。

この日はそれでおしまい。
乳がんではないっていう言葉に安堵し帰宅。
検査結果が出るのは2週間後とのこと。

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