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見たい怖い見たい

私は絵も上手くないし造形もできないけど、見るのは好き。

私が生まれ育った船橋は駅前に西武百貨店があって、最上階の10階には大きな本屋さんと西武美術館があった。

ときどき小学校で、西武美術館の割引券が配られた。帰りの会で先生が券を配るあいだ、割引券に書いてあるのが何の企画展なのか、ワクワクして待っていたのを覚えている。

気になる企画の時は、割引券と小銭を持って1人で西武美術館まで見に行った。

美術館の出口の目の前に、本屋さんの美術書コーナーがあった。子どもには高くて買えないからいつも立ち読み。

うっかりエログロ系を見てしまうとオエーとなる。でも見たい。でもオエー。

私にとって横尾忠則さんは、そんな子ども時代の渇望みたいな気持ちを呼び起こすアーティスト。見たい。怖い。見たい。不安。でも見たい!

東京都現代美術館で開催中の横尾忠則展。遠いから行けないなーと思ってたけど、NHK日曜美術館でこの美術展の特集を見たら興奮していてもたってもいられず。気づいたらチケット取ってた。で、昨日行ってきました。

最初の部屋で大作たちに圧倒されてもう私倒れそう。最後まで持つんか私。しかし夢中になって全部見ました。3時間かかった!不安になったり興奮したりと感情がバタバタ。

体に力が入ってたみたいで、もう美術館出る時はヨレヨレになってた。

そして図録買った!安いのと高いのあったけど、ここでケチると絶対後悔するから高いの買った!持って帰るの重かった!

展示では字が小さくてよく読めなかった説明も、しっかり書いてある。照明で光って見えなかった部分もよく見える。解説もたくさん載っている。じっくり読もう。

美術展は一人で見に行くに限る。動揺してる自分を他人には見られたくないから。「黒いY字路」見てる私の顔、たぶん人に見せられないきっと。

たくさんの作品を見ながら私、絵が描けなくて良かったと思った。難しいこと考えずヒエーとかオエーとかフフフとか、子どもみたいな気持ちで見られたから。

そして改めて思う、セゾングループのメセナ活動よありがとう。西武美術館は池袋と船橋だけ。船橋に作ってくれてありがとう。船橋西武はもう閉店したけど、私の思い出の大事なところにずっとあります。

#エッセイ  #ひとりごと #見る専

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