闇　その①

はじまり
16歳で両親が別居

私は母と兄弟と
初めてのアパート暮らし

最初は物珍しさから始まった
それほどの悲しさもなく
新しい環境に馴染もうと
子供なりの努力をしていた
(母親に気を使う、弟とマラソンに行く、など)

けれど数ヶ月経つと
段々と
その意味が分かり始める

母は無言

弟はほぼいない(転校して遊びに行っていたか、そのうち、土日は父の所へ行っていた気がする)

私は
家に帰っても話す人がいない
相談する人もいない

生まれ育った家には
いつも、祖父母と曽祖母
叔母
母、弟、たまに父
そしていつも出入りする近所の方
・親戚
で賑やかだった。

だから
私は、賑やかで楽しい場所で
何も困ることなく
ただ
ただ　
幸せに暮らしていた。
毎日色々な人とはなして
楽しく
ただ
ただ
純粋に。

本当に、ただ純粋に
真っ直ぐに育ってしまった

だから
転居してからも
そこからはみ出さずに生きていた

けど
それは、
長い長い
暗闇を作り始める
第一歩だった。