窮鼠はチーズの夢を見るに普通とそうじゃないの境界線を揺さぶられる
窮鼠はチーズの夢を見る
をAmazonPrimeで見ました。
成田凌の演技はもちろん期待していて
あとは大倉君?
関ジャニどうなんだと訝しがっていましたが
良い意味で期待を裏切られました。
ストーリーはあちらこちらに転がっており
漫画原作なので今回はお任せして
感想だけ書きます。
分類でいえばBL作品。
私が最近見ていたBL作品といえば「おっさんずらぶ」
おっさんずらぶでは、男×男といったことに
あまりフォーカスすることはなく、
単に好き、嫌い、その先どうなっちゃうのといったお話で
実際に見たら大いに違和感がある絵面なんだけど
それを感じさせない、というか
ラブストーリーとして見れちゃったんですよね。
ただ、今回の窮鼠はチーズの夢を見るは違っていて。
大倉君演じる大伴先輩は当初結婚して、さらには不倫相手もいる
いわゆるノンケ。
成田君演じる今ヶ瀬はこれまでも男一筋。
そのため今ヶ瀬のアプローチに大伴先輩は当初拒否反応を示します。
さらには物語中盤には大倉君の元カノ(現在も狙っている)が出てきて
「男と女だよ?!」
といったセリフを吐きます。
大伴先輩も
「そういった違う世界の住人だろ」
といった世界を分断にかかるセリフを吐きます。
ただね、男と男。それだけなんです。
違いが。
成田君演じる今ヶ瀬の仕草、表情、好きになってうれしいような悔しいような苦しいような顔、どれも私が知ってるどうしようもなく好きな人がいるときの顔なんです。
わかる。
今ヶ瀬が序盤にいうセリフ。
「品行方正で顔がよくて、だから好きになったとでも思ってるの」
ほんとこれ。好きになってしまったら理由なんてない。
自分でもわかっている。最低な奴だと。
でも好きだからどうしようもなく苦しい。
映画を見進めると、
男と男が、っていう普通じゃなさがだんだん気にならなくなってくる。
ただ、随所随所に男×男を気にしてい大伴も垣間見れて
普通って、普通じゃないって、ってその境界線がぐちゃぐちゃしてくる感覚に陥る。
「好きになりすぎると自分の形を保てなくなる」
これも映画内のセリフ。
そう。自分の形、要は自分と自分以外の境界線がわからなくなる。
終わり方さえも白黒つけずに終わらせた素敵な映画だと思います。
赤ワインをしこたま飲みながら見るのに良きでした。
その他、思ったことといえば
大伴先輩みたいな人、人を惹きつけるよね。
客観的に見たらくずだなと思うんだけれど、
それでも人が寄ってくるのは
外面はがして内面をさらけ出したいといった欲求に駆られるのでは、と。
外面は非常に良いし、実際人として品がよくて優しいのだと思う。
女性の好みを細かく推察することができるし、
外出する人に対しては気遣いの言葉をかけることができる。
だからこそ、別れること、きっぱり断ることもできない、という。
嫌いだな。客観的に見たら、嫌い。
でも私も学生時代、好きで好きでたまらないひと、
周囲の友人から評判最悪だったな。
でも本人、意を介さないからね。
だって好きだしこんなに面白いし気遣いできるし、って思ってる。
でも一歩引いた立場から見ると見えてくるよね、粗が。
そんなことも思い出しながら
見ていた映画でした。
クリープハイプの曲、聞きたくなったな。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?