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企業広報バイブル #45 厳しい現実、戦いのFirst 90 days

🎵日米のリーディングカンパニーで企業広報を統括して気付けば28年。IT系、インターネット系、不動産、エンターテインメント企業、広告代理店、流通業界トップ企業広報アドバイザーまで色々。かなりの私見も交えて色々書いてみようと思い立ちました、、、🎵

上のポジションで中途入社。日米で環境は大きく違う。日本企業は「2、3ヶ月間は会社をよく見て理解して下さいね」などと周囲から優しい言葉をかけられたりする。が、外資系企業の場合、'First 90 days' という魔の言葉がまことしやかに囁かれる。

特に上のポジションは、前職が退職してから、同部門のマネージャークラスだって密かに昇進を狙っているポジションである。また、周辺部門の多くの人は、次、どんな人が入ってくるのだろう、仕事がしやすい人なら良いな。仕事できる人が来てくれるんだよね、と戦々恐々としている。そんな中、初めまして、と登場するのである。

全社に私の経歴と共に、新しく就任した旨を知らせるメールが人事から送られたりする。ほお、、こんな人なんだ、へえ、、とか反応は色々である。

さて、外資系企業の場合、多くは数ヶ月、ゆっくりしてね、なんて言うムードはない。First 90 days である。最初の90日間がいかに重要かを示す言葉。
このわずか90日間で 「凄い上司(良い上司)が来たよね」、周囲の部門にも「仕事ができる人が来たね」と認めてもらい、受け入れてもらう事が重要だという意味である。最初の90日間で何か成果を示せ、なのである。

そこをしくじると、、、後々やりにくいことになる、という意味である、、

人を引っ張っていく能力。これは必須なのであるが、世の中に出ているウンチク本などいくら読んでもそんなの学べないと思う。私がどう学んできたのか、など、分からないし、リーダーシップって簡単に言うが、それが向いている人、向いていない人、という適性は明らかにあると思っている。性格の問題。
誰でも向いているわけではないし、非常に優れたセカンド(トップをサポートする俗に言う女房役)に向いている人もいる。ここはウンチク本は無駄だと思う。

私の場合はだいたい、、
「これ、ここではどうやってるの?」
「この仕事、今まではどう進めてきた?」「このやり方、結構時間かかって大変だねえ」
と部下と対話しながら「2ヶ月くらいは今までのやり方を踏襲しながら、見させてね。その後、より良いやり方があれば変えてみるかも知れない。相談するね」と言いながら部門には入っていった。

それはそれ。部下の適性、性格、仕事ぶり、今までのやり方などを観察しながら、コミュニケーションをとっていく。

とは別に、90日以内にバチっと1つ象徴的な成果が欲しい。
「ほおおお、、、凄い奴がきたなあ」と全社に示せる何か。

広報の場合は、仕事が形に残るので意外とやりやすい。広報の仕事でわかりやすい何か、、といえば、である。
メジャーなメディアで大型特集の話を決めてきたり、社長取材や今までにない面白い角度で掲載をとってきたり、、、なるべく目立つやつね。また、全社員会議の定期開催や、人事部門と協力して社長と中堅社員とのランチョンミーティングなどでも良いだろう。わかりやすく形になるものを提案し、進めていき、今までとは違うぞ、を印象付ける。

また、本社もしっかりと押さえることが重要である。こちらから積極的に提案して、本社担当と定期ズーム会議、他の重要国のカウンターパートに連絡し定期的に情報交換ズーム。など、周辺国への自分の売り込みも怠らず、、90日間を過ごしていく。

90日。社内外、周辺諸国、へのアクションがそこそこ結果が出ると、その後は楽になる。周りの見る目も違ってくるし、私のところに必要な情報が入らない、という悲惨なことなど無くなる。

よく「社内の必要な情報が私に来ない」と愚痴る(叫びまくる🤣)人を見かけるが、それって努力が足りないのかも、と考えるべきである。周囲が貴方を ’必要な人、’無視できぬ人’ だと思っていないケースが多い。頼られる存在になるための努力は自身がすべきであると思う。

私は夏の時期での入社が多かったため(前任者がボーナスをもらって辞めるケースが多いため)、夏から秋にかけてフルスロットルで頑張って、やっと心穏やかな年末年始が過ごせるのであった。

転職後の初年度に限ったことではないが、ほとんど毎年、クリスマスから年始まで長期で休暇を取り家族とヨーロッパにいた。



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