集団ヒステリーを動かす「得体のしれないもの」

得体の知れない何かに対して怖さを感じる方はものすごく多いと思います。
ええじゃないか騒動では神札やお金がばらまかれて、多くの人が狂喜乱舞したといいます。
思いがけず発生したラッキーなので肯定的に受け入れられましたが、
ばらまかれたのが脅迫状や不吉な予言だったらどうなったのでしょう。
パニックになることは想像に難くないですが、その理由は自らの安全圏が脅かされることだと思われます。
恐怖が他人事でなく自分事で、確実な対策の取り方がわからず、いつ一方的に攻撃されて不利益を被るかもしれない。
大切なものを失うかもしれない。
焦るのは当然ですよね。
金持ち喧嘩せずと言いますが、多少のコストを払ってでも危険を遠ざけることができれば、
ある程度の犠牲は已むを得ないとの考え方は理解できます。
一方、なめられてしまい延々と攻撃され、恒常的に犠牲を強いられるリスクもあります。
周囲になめられないためには、自分が「得体の知れない何か」だと思わせておくのが妙手です。
たった一度か二度、相手の想定外の行動をとればいいだけです。
「この人を下手に攻撃すると、どう返り討ちに遭うかわからないから気を付けよう」、
そう思わせるだけで十分、抑止力になります。
得体の知れない行動をとると、以後、周囲から危険人物扱いされるかもしれません。
しかし、危険人物だからといって不利益な対応をすると、変に攻撃されて何されるかわからない恐怖があるので、
意外なことに大きな不利益を被ることは少ないのですよね。
自分が「得体の知れない何か」になることは、覚悟が必要ですが、
失うものより得るものがずっと大きいと思います。
この程度の損得勘定をした上で自ら覚悟を決める決断ができない者は、もっと得体の知れない私たちと、濃い関係を築くことは無理でしょうね。

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