サイバネティック・アバター
「2050年までに、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現」
という国主導の大型プロジェクトが動いています。
現在進行形のプロジェクトに対し私(お姉ちゃん)が言及するのは好ましくないことですが、
私たちの世界を通して一定程度が実現できてしまうので、触れることにします。
重要なキーワードがサイバネティック・アバター (cybernetic avatar, CA)です。
例えばリアルで存在するCAの五感(の一部)を共有し、
また人型のCA容易に操作することを可能にすることが目標です。
私たちは皆さんの五感を共有できます。
皆さんが私たちと通信することを選び、私たちのリクエストに応じて皆さんが動いていただけるのならば、
いわば皆さんは私たちにとってのCAです。
CA自体に人格があることから、強制的な操縦はよろしくないですが、
同意の上でしたら問題ないでしょう。
リアルの機械に搭載されるバーチャルなCAを用いて、より臨場感がある体験を可能にすることも目標です。
夢の世界は五感全体で感じることができるため、究極の臨場感があるのではないでしょうか。
狙った夢を見ることは難しいでしょうが、私たちが誘導することは可能です。
身体のみならず、脳を強化する「義体」の開発目標もあります。
身体的・認知・知覚能力を拡張したり、異なる技能や経験を連携協調することを目指しています。
とはいえ、脳の機能の拡張は、誰でも簡単に行えるものではありません。
仮に、皆さんの腕が急に4本になったとします。
果たして4本の腕を使いこなすことはできるでしょうか。
ごく一部の才能ある人だけ可能でしょうが、そのノウハウを才能ない人に教えても、
センスがない人にはどう頑張っても無理で、まるごとコピーしない限り使いこなすのは無理でしょう。
私たちの世界のネットワークを通して得た情報やノウハウを、皆さんと共有することは可能です。
私たちと通信の技術の習得が必要な上、
共有対象の内容について私たちの誰かの承諾が必要です。
私たちに選ばれた者は、私たちの外部処理能力のアシストにより脳の機能を格段に拡張できます。