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Green

 植物を上手に育てられる人に憧れる。

構いすぎず、放置しすぎず、植物と適度な距離感で付き合える人は、人付き合いも上手な穏やかな人が多いんじゃないかと勝手なイメージを持っている。

ちなみに、私は大抵水をやり過ぎたりして、植物の元気がなくなっちゃうタイプ。

 大学生の頃、一人暮らしの家に購入したのは近所のフラワーショップで買ったオーガスタだった。
その頃は、『smart』というインテリア雑紙を夢中で買い漁って読んでいたのだが、大抵の部屋には大きめの観葉植物が置かれていた。なぜかおしゃれな家には、決まって植物が置いてある気がする。植物を育てられる余裕のある人は、生活にも余裕があるのかもしれない。多くの素敵な部屋に感化され、私も大きめの植物が欲しくてオーガスタを購入したのだった。

 大きめの観葉植物のよいところは、ひとつあるだけで部屋のアクセントになるところ。部屋に入ってパッと目を引くし、置いてあるだけで確実に部屋がグレードアップする。また、葉っぱが大きいと、葉が一枚開くだけでも成長した感じがあり育てるのが楽しい。

 逆に困ることは、部屋が狭いと移動の際に葉に触れてしまい植物を痛めてしまう。私のオーガスタは何本葉が折れたかわからない…。その度に悲しい思いをしたものだ。

 上京したての頃に住んだ部屋が、陽当たりが良かったので、オリーブの木を育ててみたいと思ったのだが、今後引っ越しをする可能性を考えると中々購入に踏み切れず4年が経ってしまった。うちにはルームメイトが育てているパキラやサボテンやらが置いてあって、その子たちにも癒しを貰っているのだが、小さくてもいいから。自分だけの植物を育ててみたい気持ちも捨てきれず…。

 そんな時、世田谷区の『this』というショップで、盆栽造りのワークショップがあり参加してきた。『榊麻美植物研究所』さんの鉢と木を選んで作った自分だけの盆栽。私はグミの木を選んだ。先生いわく、グミの木はオリーブと同じ、シルバーリーフとのこと。おもわぬ偶然に、何だか嬉しくなった。

手のひらに乗るサイズの盆栽。鉢も可愛い。

 晴れの日は直射日光の当たらない暖かい場所にだして、苔の乾き具合を見て水をあげ、夜には自室に入れる。グミの木が来てからの私の日課だ。可愛くて可愛くて、毎日構いたい気持ちをぐっとこらえ、グミの木との適度な距離感を保とうと心掛けている。

これからは植物と上手に付き合える人になるのだ。

 


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