極東ゆえの幸運
【極東】東の果て。特に欧米から見て、日本・中国・朝鮮・タイなど、東アジア・東南アジア等を指す。日本は最たる例。
大人になってからもう一度世界史を学びたいと思い、只今
「一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書」山﨑圭一(著)
を読んでいます。学生の頃、世界基準の世界地図で日本が真ん中に位置しないことに驚いた人も多いのではないでしょうか。
本当に文字の如く、端にも程があるだろうって位
すっごい端
なんですね。ここに、最近言われている「歴史は日本史からでなく世界史から学べ」の理由があります。今日はその辺りについて考えていきたいと思います。
人類の祖先についてですが、まずアフリカでそれらしき化石が見つかっています。それが様々な地域に広がり、現代人と同じ大きさの脳を持つ人の化石がヨーロッパで見つかっています(クロマニョン人)。
世界4大文明 (エジプト・メソポタミア・インダス・黄河)、ありますね。(※更に古くて高度な文明があると現在では否定されている) でもやはり共通するのは長い川や土地の広さ。ヨーロッパが入っていませんが、あの場所は土地の狭さと他の国との近さゆえに、古くから海上交易が盛んで発展していました。
加えて早くに発展したため更なる土地を求めて、ヨーロッパ各国は海を渡りました。俗に言う「大航海時代」(アメリカ大陸・アフリカ・インド・中国等)。
1番早く産業革命が起きたのも、ヨーロッパです。物(商品)が安価で早く大量に作れるようになり、多大な利益を生み出しました。そのために征服地とされた国の人々や土地・資源が使われたので、これらの地域は発展が遅れることになります。
フランス革命を経て、絶対王政から国民主権国家が初めて成立したのもヨーロッパです。先進国では当たり前ですが、王様にだけ権利がある世界なんてイヤですね…
意見は色々あるでしょうが、現在でも時刻の基準がイギリスだったり、地球温暖化対策に熱心なのはヨーロッパです。早くに発展した証でしょう。
さて、世界史をおさらいして思うのが
日本が全くと言っていい程、出てこなんですね
やっと出てきたと思ったら、100年近く前。そう、第二次世界大戦です。資源も人材も乏しい小さな極東の国(しかも発展が遅れていた)が世界を相手に戦争をしようというのだから、狂気の沙汰と思われても当然です。それなのに敗北した後数十年でNo2に踊り出るものだから、びっくりです。
少し話が逸れました。なぜ今まで放っておかれたかというと、前述の通り「すごく遠い・利益が得られそうにないから」なんですね。過去に元 (ヨーロッパまで領土を広げた国モンゴル帝国の分裂後、フビライ=ハンが中国に建てた国)が日本に侵攻してますが難を逃れています。あと、国家として存在していたのも理由の1つかと。国内では争ってましたが、孤島なので近隣国との領土の争いは殆どない。ゆえに統一しやすい(民族も単民族)。
「歴史は苦手」とか「日本人は日本のことを知らない」って、このことが原因してるんじゃないかと。
例えば実家が仏教の天台宗だとしても、それで仏教の全てが分かる訳ではない。他の宗派の仏教も知り、国内での広まり方やどこから来ているのかルーツを辿り、そもそもなぜ発生したのか知る。もっと言えば他の宗教も知ると、比べることによってより分かる。(ちなみに世界3代宗教はキリスト教・イスラム教・仏教)
仏教で例えましたが今までの日本の歴史教育は、一部(日本)→全体(世界)なんですよ
そりゃ分かりにくいわ。いきなり元(フビライ=ハン)が来たって言われてもピンとこない。
何かをする時は、先ずは全体→細部が基本。そうでなくては要領も悪くなるのは当然。ついでに言うなら、日本が真ん中の世界地図も拍車をかけてる。世界共通言語は英語ですが、スペイン語も意外と話されています。ところがユーラシア大陸とアメリカ大陸が左端・右端に位置するものだから、「なんでこんなに離れているのにスペイン語が使われているの?」と錯覚してしまう。歴史を勉強する際は、スタンダードな世界地図を使った方がいいと思います。
歴史は地政学的観点で見ると、納得することが多いし現在起こっている問題でもそうですね。どこに位置するか、それが大きな鍵を握っている。
世界が繋がった今、世界情勢オンチにならないよう歴史を辿っています。するとやっぱり理解しやすいし、しっくりくることが多い。
ちなみに中国のページを読んだ時のもの凄いデジャヴュ感。
日本は律令制度だったり文化だったり、大半が中国由来ですからね。そんな中国が持ち前の力で世界の中で台頭し始めたのは、さほど新しくありません。何せあれだけの人口と面積を持つ国です。近年に起こると予想されている「台湾有事」。もう「極東ゆえの幸運」は得られない(というか既に大きな影響が出ている)。
その時どうするか
しっかり考えなくてはなりません。平和ボケした日本では想像し辛い(というか本音としてはしたくない)ですが、生きるって波瀾万丈というか自分1人の力ではどうにも出来ない事が本当に多いのだな、と感じずにはいられません。「日出ずる国・日本」、あれは中国から見て太陽の登ってくる位置(中国基準)で言っているんだ。ふと、そんなことを思い出しました。
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