
KID 19歳と31日目 〜やんちゃな彼とアメリカの思い出〜
我が家には19歳になった愛犬KIDがいます。
突然ですが、動物と人間…
言葉はなくても、確かに伝わる想いがあるのではないかと、19年目にして感じることが多くなりました。(時間かかりすぎた!笑)
みなさんはそんな経験ありますか?
愛犬はずっと私に伝え続けてくれていた想いがあったようです。
動物がお好きな方、一緒に暮らしている方、きっと感じたことがあるかもしれません。
KIDは今日も無事に朝を迎えました。
毎朝、彼の呼吸を確認するたびに少しだけハラハラしてしまうのですが、
それでも彼はまだ頑張って私たちの横にいてくれます。
その事実がただただ嬉しくて、すぐに「よしよし」と触れる当たり前を噛み締めながら一緒に時間を刻んでいます。
せっかくこうしてKIDのことをノートに残しているので、今日も彼との思い出をひとつご紹介させてください。
KIDのやんちゃ時代と、アメリカの動物病院
KIDがまだ小さかった頃、私は学生で、アメリカでコスメトロジー(美容学)を学んでいました。
授業がとても忙しく、どうしてもKIDとの時間を取ることができずにいた時期でした。
その頃のKIDは… とにかく脱走魔でした。
家のドアを開けた瞬間、一人で猛ダッシュ!
「やったー!自由だー!!!」とでも言わんばかりに、
まるで”ひとり運動会”を開催するような子犬でした。
アメリカでは、犬のしつけは飼い主の責任です。
通りすがりの人を噛んでしまったり、子どもに怪我をさせてしまうと、
即座に訴訟問題に発展してしまう国です。
そんな事情もあって、KIDのしつけにはそれなりに気をつけていたはずなのですが…
それでも彼はやんちゃすぎました。
そんなKIDのトリミングを近所の動物病院にお願いしていました。
子犬の頃からお世話になっている動物病院で、地域密着型のその動物病院は、とても温かい場所でした。
ただ、授業が忙しくなると、どうしても動物病院のトリミングの受付時間に間に合わない現実問題が生じました。
本来なら時間外は受け付けてもらえないのですが、事情を話すと
「あなたは特別ね」と言って、先生たちは、忙しい中でも私の事情を理解して、特別に時間を作ってくれ、受付時間外に裏口から入れてくれるというありがたい対応をしてくれていました。
まさかのおりこうさん!?
ある日、いつものようにKIDのトリミングをお願いして、
迎えに行ったときのことです。
病院のスタッフさんたちが、私に向かってこう言いました。
「Kidって、いつもすごくいい子よね!」
……え?(心の声)
一瞬、英語を聞き間違えたのかと思いました。
いや、もしかしたらここにはKidが二匹いて、間違えているのかもしれない….
「え?私のKIDのこと?」
そう思いながら、思わず口に出してしまいました。
“Are you guys talking about my doggy, KID?”
すると、スタッフさんたちは笑顔で頷きながらこう言いました。
“Oh yeah! Of course, he’s a good boy!”
いやいやいや…
「彼、私の言うこと全然聞かないんですけど?!」
そう言うと、スタッフさんたちは笑いながらこう言いました。
「そんなことないわよ!“Stay”って言ったら、ずっと待っているし、私たちの言っていることも英語もよく理解しているのよ〜」
いや、何このまさかの展開。笑
私が何度「KID!」と呼んでも全然言うことを聞かないのに、
彼らが「Stay」と言えば、完璧に従うなんて…。
もしかして、KIDは…
「やっぱりアメリカ犬なんだ…英語の方が心地良いのか…」
いや、
「アメリカ人の綺麗なお姉さんの言うことしか聞かないタイプだったのか…?」
そんな仮説が頭をよぎり、妙に納得しました。笑
この病院のスタッフさんたちは、
時間が合わない私にもいつも温かく接してくれました。
KIDのやんちゃっぷりに困らされたことも多かったし、
噛むことをやめない子犬のKidを本気で躾をしようと必死になって、
時には、私の手から血がダラダラ流れることもありました。
それでも、彼を守るために、そんなことは日常茶飯事となりました。笑
「噛んだら、人間は言うことを聞く」なんて覚えてしまったら大変なことになります。
自分を守ることで一生懸命だった海外生活、守るべき小さなやんちゃ犬に手を焼きながらも、私たちは、たくさんの周りの人に支えてもらいながら、一緒に成長してきたんだな…
と、昨晩の夕飯の片付けをしながらふと、そんな思い出を思い出していました。
こうしてKIDのことを読んでくださる方がいること、
それがとても嬉しく、ありがたく、少しでも「動物と生きることの尊さ」や「かけがえのない時間」を感じてもらえたら、とても幸せです。
KIDが、今日も穏やかに過ごせますように。
そして、家族みんなが笑顔でいられる時間が続きますように。
そんな気持ちと共に今日はこのノートを締めくくります。
また次回も、KIDとの思い出を綴っていきます。
読んでくださって、いつもありがとうございます!
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