ヒトの胎盤ができたのはウイルスのおかげ
いつも読んでいただき
ありがとうございます。
さおりんです。
カンガルーやカモノハシを除いて
ほとんどの哺乳類は発達した胎盤を持つ
「有胎盤類」です。
もちろん、私たち人間も有胎盤類です。
胎盤は子宮の中で育っている胎児と
へその緒で繋がっている部分で
母体とのあいだの物質交換の場として
つくられる特殊な臓器です。
分娩後、しばらくすると後産として
出てくるのが役目を終えた胎盤です。
この胎盤が進化の過程でどのように獲得
されてきたのか、その秘密にウイルスが
関わっていたようです。
鍵になるのが「シンシチン」と呼ばれる
遺伝子でした。
胎盤の胎児側の表面を覆う細胞に
「シンシチン細胞」という
特殊な細胞があります。
母体の血液と胎児の血液が
混ざり合わないようにしているのと
同時に栄養などの物質交換と酸素と
二酸化炭素のガス交換を行っているのが
この「シンシチン細胞」です。
シンシチン細胞は、
シンシチンタンパク質をつくってこの
シンシチン細胞を形成する役割を
持っています。
ということは
母親の体から生まれてくる哺乳類に
いまの繁栄をもたらした大事な遺伝子
ということになります。
そして驚いたのですが
このシンシチン遺伝子は太古に
ウイルスの遺伝子だったという証拠が
見つかりました。
ウイルスはカプシドという殻を包む
エンベロープという脂の膜を
持っていたけれど
シンシチン遺伝子はエンベロープを
構成するタンパク質をつくる
遺伝子でした。
このシンシチン遺伝子の元になったのは
「レトロウイルス」です。
このウイルスは、RNAウイルスの一つで
感染したヒトの細胞のなかで自分の中の
遺伝情報を細胞に埋め込んでしまいます。
その中には病気にしてしまう
ヤツもいれば
すべて病原体というわけではないです。
ただ感染しているだけで潜んでいること
もあります。この長い長い時間をかけて
シンシチン細胞がつくられるように
なったと言われています。
ですがこれだけでは
胎盤にはなりません。
他にもいくつかの遺伝子が重要な役割を
持つようになったそうです。
長くなってしまったので
またさらに詳しいことは
別に記事を書いていきます。
ここまで読んでいただき
ありがとうございました。
管理人のさおりんでした。
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こちらの内容は、
尊敬する武村政春先生の著書
「ヒトがいまあるのはウイルスのおかげ」
を要約&ご紹介させて
いただいております。