金属の毒と人間が生み出した毒
いつも読んでいただき
ありがとうございます。
さおりんです。
今回は、
金属系と人口系の毒について
ご紹介していきます。
【鉱物に由来する毒】
鉱物の多くは珪酸塩鉱物です。
非鉄金属は主にマグマや熱水活動に
伴う硫化鉱物として産まれます。
硫化産物を焼くと酸素とくっついて
酸化物に、
酸化物と炭素を蒸し焼きにすると
単体の金属が得られます。
その金属が毒性を持つ場合も
副産物が毒性を持ち、周辺環境を汚染
する場合もあります。
・砒素(As)
火山の噴気孔周辺で自然砒や鶏冠石など
の硫化物としても産まれますが、
商業的には硫化鉄鋼から得ます。
三酸化砒素は粉末状で、水に溶かすと
水和して亜砒酸となります。
無機砒素化合物は毒性が強く、
無味無臭なのでかつては暗殺などに
用いられました。
一方で、海藻には有機砒素化合物が
含まれていますが、
その毒性は極めて低く、
健康被害はありません。
・水銀(Hg)
天然では多くが辰砂などの硫化物
として産まれます。
無機水銀の毒性、症状は砒素などと
大差なく、消毒薬である昇こう(塩化水銀)
は、自殺・他殺にも用いられました。
一方で有機水銀の1種のメチル水銀は
神経系に強く作用する強力な慢性毒です。
戦後熊本などで水俣病が発覚して以降、
水銀の危険性は周知され、代替物への
転換が進められています。
・カドミウム(Cd)
カドミウムの化学的挙動は
亜鉛と類似します。天然では閃亜鉛鉱
に数%含まれます。
カドミウムは亜鉛と間違って体内に
取り込まれますが、働かないうえに
体外に排出されにくく、
その慢性中毒症状は、亜鉛欠乏症とも
類似します。
・鉛(Pb)
天然ではほとんどが方鉛鉱として
産みだします。
融点が低く柔軟で加工しやすいため、
古くから用いられてきた金属で、
古代ローマでは食器や水道管に
使われていました。
鉛中毒は、鉛を含む金属や顔料を扱う
職人などの職業病の側面がありました。
大気中には、
有鉛ガソリンを主な由来とする微量の鉛
が含まれています。
現在は、有鉛ガソリンの使用禁止が
進められ、大気中に含まれる鉛は大幅に
減少しています。
【元素の体内での働き】
有害イメージが強い砒素やクロムなども
じつは体内ではなんらかの働きを持つ
必須の元素です。
しかし、これらの微量成分の最適範囲は
広くはなく、取り過ぎれば過剰症や中毒、
不足すれば欠乏症になります。
薬と毒は紙一重なのです。
【火山ガス】
火山地下のマグマには、
高圧でさまざまな火山ガスが
溶け込んでいます。
大部分は水と二酸化炭素ですが
有毒なフッ化水素、塩化水素、
二酸化硫黄、硫化水素なども含まれます。
これらのガス成分は噴火時にはマグマを
泡立たせて膨張させることで爆発的な
噴火を引き起こします。
また活動的な火山では平穏期にも
火山ガスが地表に放出されています。
【人間がつくった毒】
毒の中には、人間が作り出したものが
あります。身の回りの化学製品が
じつは毒であったこともあります。
科学技術の進歩で生活が豊かになります
が同時に人間や地球にとって未知の物質
を環境中に放出していることも確かです。
これまでに放出された汚染物質への対応
や新たな汚染物質の放出を防ぐには、
国際的な協力が必要です。
・POPs
生物蓄積性や長距離移動性をもつ
残留性有機汚染物質です。
POPsの1つであるDDTは、
優れた殺虫剤であり、蚊が媒介する
マラリアなどの感染症の撲滅に
貢献しました。
しかし、生態系への悪影響から、
現在では各国で製造、使用が
原則禁止されています。
・マイクロプラスチック
プラスチック製品に含まれている
添加物には、有害なものや、ヒトへの
有害性が疑われているものがあります。
プラスチックごみのなかでも
微細なものはマイクロプラスチック
と呼ばれ、一度環境に放出されると
回収はほぼ不可能です。
次回は、自然界の中の
毒と進化について
ご紹介していきます。
ここまで読んでいただき
ありがとうございました。
さおりんでした。
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