さあ、がんばろうぜ
SNSで本業のことを書くのは憚られるので、あんまり明確には書いてこなかったけれど、
いま一旦お休み中で、現場を離れているからこそ見えてくるものがあり、差し支えない範囲で書くことにした。
「生命保険を選ぶポイントは、会社でも、商品でもない、担当者が大事」と私は入社以来ずっと思っている。
これは、おそらく私がmoonだからだろうけどね。
ただ、この仕事を10年近くやっているといろんな場面を見る。営業職員の変動も激しい。
時期によっては毎月誰かが辞めていく。そのたびにお客様が振り回されるのは、本当に心が痛んだ。
多かれ少なかれ、お客様は「営業職員込み」で契約をしていただけてると思う。目に見えない商品だから、特にである。
この人だったら、ちゃんとしてくれるだろうという期待である。
それを裏切ったり、利用してはいけないと、本当に思う。
とはいえ現場は、きれいごとでは回らない。なんのかんの言っても数字の世界。
いくらお客様のヒアリングを丁寧にできても、感動的なプレゼンをしても、契約をいただけないことには会社には、評価されない。
仕事をしていないのと表向きは変わらないのだ。
コミッションのつき方は会社それぞれだが、いわゆる固定給でないところは経費の負担もかなり大きくなる。
入社1年目で好成績をあげても、それ以降販路を広げられずに、二、三年で退職したり他社に移るパターンも、かなり多く見てきた。
経費でかかる金銭的なマイナスを、奥様の給与で埋めさせてしまっている、と心を痛める男性職員もいる。
この業界で息ながく勤めるには、新契約を預かり続けられる販路を常に開拓できるか、と同時に営業職員自体が運転資金を回していけるか、という金銭的体力が必要なのである。
「お金」がすべてではないけれど、やはり「お金」があればいろんな活動が出来る。
固い文章になってしまったが、そういうなかでも自分なりの「理念」がピシッとある人は強い。
なんのために自分はこの仕事をしているのか。
同業のかたならわかっていただけると思うが、毎朝、お客様のもとに向かう車のなかで自問しない日はないだろう。
割のいい仕事、効率的な仕事は他にもたくさんある。時には自分がブレて、投げ出したい日だってある。
私も「絶対、明日辞めてやる!」と何回も車で叫んできた。
でも、できないのだ。今まで私を選んでくれたお客様の顔が浮かんできて、「ありがとう」の言葉が甦ってくる。
だから一晩泣いて泣いて、ふくれて、荒れて翌日はまた、お客様に会いに行く。そしてまた、頑張れる。
そんな、ヒリヒリした毎日。
その日々のなかで、「何のためにこの仕事をやるのか」にきちんと帰結できる人は強い。
こういう人には、苦労してても時々バーン、と大きい数字を神様がプレゼントしてくれる。数字にならない試練のときを我慢して飲み込んで、はじめてもらえるプレゼント。
続けていればこそのプレゼントだ。
私は、またそのビジネスの世界へ戻ろうとしている。
一度数字の世界に病んだ私がはたして出来るのか?と自身に問うと、正直足が震えるくらい怖い。
療養する前の私は、自己肯定感がハンパなく地に落ちていたからだ。
2月にnoteをはじめて、ピリカ文庫、すまいるスパイス、いまやっている朗読ステーション。たくさん小説も書いた。スキもフォローもコメントもたくさんいただいた。
ニックネーム「ピリカ」での活動は、会社名も勤続年数も年間売上もまったく関係ないもうひとりの「私」。
今まで仕事の奥の奥に押し込めていた「大切な私」だ。
この場所があるから、また頑張れそうな気がする。本心はめちゃめちゃ怖いけれど。
だから、私は。
自分を。同業者のみんなを。働く人たち、育てる人たち。表現する人たち。見守る人たちを応援したい。
さあ、がんばろうぜ!って、震えながら。