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ピリカ目線~恋について
まだずっとずっと若い日のこと。
とても好きな人がいた。
短い間だったが、一緒に過ごすこともできた。
何十年も前の話ではあるが、
いい恋をしたと思う。
身を焦がすような、とはよく恋愛中を表す形容詞だが、あれは確かに焦がれるような思いだったかもしれない。
彼の姿を見かけるだけで、頭から爪先まで稲妻が走るような感覚があった。
心臓は飛び出そうにバクバクし、頬は上気し血液が全身を駆け巡る。
いやはや、こんなにエネルギーをかけられるものは、一生のなかでそうないのではないか。
若き日の私は、かなりの恋愛体質であった。
寝ても覚めても、彼のことばかり。
仕事場で彼の姿を見かけると胸が踊り、仕事も手につかなくなる。
声を聞くだけで、からだがとろけそうな感覚に陥るほどだった。
こうやって書いているとだんだん恥ずかしくなるのだが、まあそれくらい、その頃の私はイカれていたのだ。
またまたありがちな結末だが、「ピリカの思いは重い」と言われ私たちは別れた。シャレか!
今日、彼の夢を見た。
別に彼のことを考えていたわけではない。
期末の数字の追い込みで毎日朝から夜まで走り回っているし、彼のことなんて思い出しもしていなかったが、夢の中の彼は相変わらず私を夢中にさせた。
本来なら週一で出すこのエッセイを、また今日も書かせるほどだ。
当時、よく読んでいたこの本を思い出した。
今は正直、こういう女性ど真ん中な作品は苦手である。まったくいまは読まない作家のひとりだ。
でも当時は女性ホルモンが毎日揺さぶられていたから、一行一行にきゅんきゅんしながら読んでいた記憶がある。
それにしても、夢というのはすごい。
話すときにちょっと顔を傾けるしぐさ、口より先に目から笑顔になるところ、身振り手振りまで、ちゃんと当時のままであった。
ってか、私覚えてるんだな、今もずっと。
なかなか可愛い女じゃないか。
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