✨ピリカルーキー賞✨受賞作品発表!!
おまたせしました。
ピリカグランプリ、ルーキー賞の発表です!
いやー、みんなほんとに初めて?って思うくらい素晴らしかった。最後まで選考も決まらなかったルーキー賞。
賞金は500円サポート×3本!
では・・発表します!
🏆️一本目!ミムコさん!
❇️講評❇️(shino)
今回のルーキー賞への投稿作品には「これがルーキー?」と驚くものが多くあったが、ミムコさんのこの作品に、私は息をのんだ。
よっつの塊に分けられた本文は、みごとな起承転結。
① 寝るのがもったいない & 一般的なこどもの提示。
➁ 一般的なこどもの定義。布団の中はヒマ。ヒマだと時間が長い。
③ そんな長時間の真っ暗では、嫌なことを考えて悲しくなる。
考えの具体例に発展。
④ でも不思議、一般的な子どもはいつの間にか寝ちゃうんだ。
でも、流れがスムーズなのと、
「一般的なこども」という大変印象的な言葉を、少しずつ変形させて文章の中に入れ込むことで、いかにもな起承転結の印象はない。
読む度に、私は、思わず「うまいっ!」と小さく叫んでしまう。
読者は「ああそうだよなぁ、私だってそうだった」と思い、「私も『一般的なこども』なんだ!」とつい嬉しくなる。
決して特別ではない、ごく一般的な子供のはずなのに、ミムコさんの「一般的なこども」には、超特別感があるのだ。
また、中盤の「部屋の真っ暗なのか、頭の中の真っ暗なのか」からの細かな、そして優しい気持ちの展開や、
最後に、ピザトーストを登場させるところもいい。
私は、ミムコさんの「一般的なこども」に匹敵するような「一般的なおとな」になりたい!
ミムコさん、素晴らしいショートショートをどうもありがとうございました。
また「僕の物語シリーズ」を楽しみにしています。
🏆️二本目!!Marmaladeさん!
❇️講評❇️(ねじり)
「眠りに落ちる瞬間」
実は私も以前、同じことが気になって考えたことがある。
知りたくても知ることのできないその瞬間は
一体どんな感じなのだろうと
この作品を読んで昔の思いが蘇ってきた。
いくら頑張っても決して掴まえることのできない眠りの瞬間。
頑張っても頑張っても、その正体はつかめない。
こうして読者は、この難しい謎に挑み続けてきた主人公の
熱心な好奇心にどんどん惹きつけられていく。
そしてそんな主人公は、とうとう現代の知恵を借りることとなる。
まさかの「眠りに落ちる瞬間」を検索。
検索とは、なんとも現代っぽくて面白い。
しかし検索画面に打ち込んでみると
そこには本人が想像していなかった検索候補が並んだ…
するとここで
もしかすると自分は幸運なのではないか、と気づく。
ここからは、検索候補の言葉から気づいた眠りへの考えが綴られている。
眠りに落ちる瞬間を真剣に考えることで知った眠りの大切さ。
その時間は誰のもでもなく自分だけの特別な
大切なものであることを教えてくれている。
Marmaladeさんは、この世界と夜の向こう側にある世界との境目を
「透明な空気のドア」と表現した。
この作品を読んでからは、本当にそんなドアを出入りしている気がする。
眠りに落ちる瞬間。
恐らく思い出すことはなかったであろう昔の記憶は
この作品によって「記憶のドア」を開けてもらうことができた。
Marmaladeさんのこちらの作品は
「日常の中にそっと隠れている大切なものを見つける」
そんな、宝物探しのような作品でした。
出会えて良かったです。
本当にありがとうございました。
🏆️三本目!!!かっちーさん!
❇️講評❇️(カニ)
かっちーさんの作品を読ませていただいてまず思ったのは、なんて面白い発想なんだということです。
主人公は、note黎明期からのユーザーでnoteだけで生計を立てている。毎日睡眠時間を削ってnoteに時間を割いていたのに、ある時note運営側から5千万円のサポートがつき、衝撃的な内容の一通のメールが届く。
実は裏でモニターにされており、読む記事やスキ、コメント、さらには有料記事購入やサポートも全てnote運営側のAIにコントロールされてきたというのだ。
こんな面白い話が書けるかっちーさんの想像力がすごい。それも、少しありそうな話、というのがいい。
メール開封によりアカウントが消滅すると書かれている。
『noteに睡眠時間が削られる生活から開放されるのか、心のよりどころを失いもっと眠れなくなるのか、まだわからない』
と締めくくられた最後、この両方がわかるのもnoteユーザーならではではないだろうか。
でも5千万あったらぐっすり寝れるかもなどと想像が膨らむ。
睡眠にnoteを掛け合わせたユーモア溢れる楽しい作品でした。
以上、3作品でした!
受賞された方、おめでとうございます!
ほんとに、泣く泣く選考からはずれた素敵な作品がたくさん。
審査員それぞれから背中を押されて、書いてくれた方も多いと思います。
その気持ちがうれしい!
また、グランプリ企画しますのでたっくさんショートショート書きまくりましょ!