【火曜日更新】ピリカの荒ぶりエッセイ②
カ、カ、蚊、に荒ぶる火曜日だ!
さあ、やってまいりましたよ。
荒ぶりエッセイ、2回目。
九州は早くも夏日並みの気温になることもあり、にっくきアイツらがTUBE並みにブイブイ言わせる季節。
ただでさえ貧血ぎみの身体から血を吸っていくのに加え、カユカユエキスを注入していくアイツら、である。
そう。
蚊、の活躍する季節到来なのだ!
これが荒ぶらずにいられようか!
私は昔から人一倍蚊に狙われやすい。
O型だからか、平熱の体温が高いからかよくわからないが刺されまくる。しかも何ヵ所も同時多発である。そしてまた、赤く膨れるから始末が悪い。いつも隣の人の倍はダメージを受けている。
腕などは刺された跡や現在進行中の膨れ箇所がたくさんで、人に見せれたもんじゃない。だから夏場はできるだけ半袖ではなく七分袖を着ているのだ。
ビヤガーデンなんかにいった日にゃ、またたくまに蚊に攻撃され、ビールを味わうどころではない。 野外でアルコールを飲むと30分で足じゅうさされてしまう。
普段ならまあ仕方ないで済むが、過去にほんとうに困ったことがあった。
昔々、自分の結婚式でのこと。
私は8月に結婚式を挙げた。
今考えると何故こんな真夏に式をしたのだろうと後悔しかないが、新婚旅行で休暇がとれるタイミングなどに合わせた故、の日取りであったように記憶している。
私の24歳当時、ブライダルエステなんてもんはまだ特定のリッチな人しかやっていなかったし、私自身あまり興味もなかった。
なので顔やからだに特別なケアもしていなかったため、腕には例年どおり、夏のあいだの強者たちとの闘いのあとがくっきり。
なにせ真夏の結婚式、衣装も長い手袋なんかじゃなく、半袖のパフスリーブに短い手袋である。のびのびと日焼けしまくった腕に、虫刺され。
さすがに当日、これはまずかろうと言い出したのはメイクの先生である。
「ちょっとこれはヒドイ。新婦さんなのに。日頃からもっとキレイにしとかなきゃ困りますよ」とぶつぶつ言いながら、先生はおもむろに腕から手のひらにかけてベタベタとファンデーションを塗りまくって、なんとか目立たぬようにと仕上げてくれた。
あと、あれもだ。
蚊とは関係ないが、思い出したのでついでに書くとする。
同じく、結婚式でのことである。
顔が濃いがゆえ、の悲劇がさらに24歳の私を襲ったのだ。
この時代(平成ひと桁)の私の地方の花嫁はお目めバチーン、睫毛バチーン、アイラインギュイーンにチークはピンク、リップは真っ赤、というメイクが主流だったため、完成時はとてつもなく濃い顔になった。(そしてかなり老けて見えた)。
そう、その顔はフレッシュな花嫁というより下積みの演歌歌手、という風情であり、私もそして旦那も、鏡の中の新婦の姿に失望を隠せなかった。
ちなみに旦那は私より6つも年上のくせに、小柄で童顔であるため、タキシードを着せたらますます幼く見えるのである。
幼妻と呼ばれてもおかしくない年齢差なのに、鏡に映るふたりはまるで、男子高校生と親戚のおばちゃんであった。
メイクの先生(当時60代)だけはひとりご満悦で、
「八代亜紀ちゃんみたいな、キレイな花嫁さんになったわあ~」
とアシスタントさんに笑顔で話していたが、当時24歳の私に「八代亜紀ちゃん」は全く褒め言葉ではなかった。アシスタントさんも笑うに笑えない様子だった。
私の脳裏に、嘉門達夫さんの替え歌メドレーの一節、「誰も知らない素顔の八代亜紀~♪」が流れ、その後私は結婚式の写真を一生封印することとなるのである。
そんな、苦い思い出の夏がくる。
私の夏は、夏服の準備よりも、はたまた美白を意識して日焼け止めを塗り込むことよりも、まずはドラッグストアで「ムヒCOOL」をまとめ買いすることから始まるのである。
いつも梅雨時期に油断して刺されるので、今年は早めに準備した私だ。
今年は負けないぞ、かかってきやがれ!
といいたいが、できるだけこないで欲しい。
だって48歳の私、何ヵ月も痕が残るんだもん。年を重ねるごとに、新陳代謝が悪くなってる証拠だ。
虫よけスプレーもあわせてまとめ買いだな。