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松本:心刷祭に行ってきました
4月、長野県松本市にある印刷会社「藤原印刷」で開催された「心刷祭」に行ってきました。
印刷会社が開催するお祭り・・・?
印刷会社が工場でやるお祭り。
そういわれてもなかなかピンときませんでした。イメージが湧かない。
なぜなら、印刷会社に対して私が持っているイメージは製造業。
私が好きな本もレターセットも印刷会社の工場で造られているのは知っている。だからといって、直接その現場を見たりそこで本を買ったりしたことはない。そういう機会は無かったし。素人が行っても、ねぇ…
だから、そこに人を集めるってどういうこと!?というのが最初の印象でした。
でも、数年前に仕事で知り合った藤原印刷の方がとてもポジティブで外向きなエネルギーを感じた事を覚えていたので、なんだか面白そう、行ってみたい!と不思議な気持ちは好奇心に変わり、そして色んなタイミングや縁が重なり、以前一緒に働いていた先輩と一緒に行く事になりました。
印刷会社のお祭りは、ワクワクがあふれていた!
イベント当日、開始1時間後くらいに到着すると駐車場はほぼ満車。
徒歩で入っていく人も絶えない。
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工場から歩ける距離に駅はあるようだけれど、ターミナル駅の駅前や商店街の横にあるわけではない。
つまりふらっと立ち寄る場所ではなく、目的をもたないと来ない場所だ。
そこに沢山の人が来ている。大人も子供も男性も女性もいる。
私の知見を超える景色がそこにあった。
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会場は半分にあたる第一工場は工場見学などのワークショップエリアで、もう半分の第二工場は出展エリア(マーケット)。
出展エリアに足を踏み入れると、出展者と来場者で沢山の人人人。
人がいるだけの笑い声や楽しそうな会話が色んな所から聞こえてきた。
そして、そこにいるだれもがみんな楽しそうな表情をしていた。
来場者は、沢山の出展ブースやそこにある商品から自分の気になるものを見付けようとワクワクしている。
出展者は、多くの人に自分たちの商品やそこに込めた想いや背景を知ってもらおうと熱をもって来場者を迎えている。
来場者と出展者の会話によって、新しい知識や気付きの共有が生まれていた。
その間には商品(印刷物)という物質があるのだけど、そこにいる人はみんな、単なる消費としての買い物ではなく人と人のつながりを楽しんでいる。
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ワークショップエリアを覗くと、作業着のスタッフの方々が参加者に熱心に説明している様子だった。
当日参加ができる紙積みの体験や活字探しのコーナーに行くと、気軽に参加できるようスタッフの方が声をかけてくれる。
色んな所に設備や素材を説明するポップな案内があり、印刷について意識を向ける仕掛けが用意されていた。
印刷会社に来たからには知ってもらいたい、伝えたいという藤原印刷の方々の気合というか、祭りに対する熱意をいたるところで感じた。
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藤原印刷さんの事前のSNSの発信で読んだ「普段は工場で働いているスタッフがサービスします」という言葉を会場にいる間何度か思い出した。
そう。ここは人をもてなすための場所ではなく物を造る場所。
スタッフの人たちも印刷をする為に働いている人たちだ。
(そもそも心刷祭の土曜日は休業日ではないだろうか)
スタッフの人たちの伝えたい、知ってもらいたい、楽しんでもらいたい、という気持ちと行動があり、
それに共感したり気持ちを動かされた出展者や参加者が、知りたい楽しみたい参加したいと思って足を運ぶという行動をして
その結果、工場・製造という専門的でクローズドな世界が、オープンになって新しい出会いや気付きや発見のワクワクがあふれる場所になっていた。
ねぇ、すごくない?(興奮気味)
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印刷は楽しい!!!
心刷祭のチラシに書いてある「印刷は楽しい!!!」の文字をみて強く強く共感した。
デジタル化で本や紙のチラシはこれから少なくなっていくかもしれない。
でも、絶対になくならないし無くなってほしくない、と私は思う。
何かを伝えたい作り人がいて、心を込めて刷る人がいて、それを読みたい人や手に取りたい人がいたら絶対になくならない。
印刷の工程も沢山の会話やアイデアが生まれて楽しい時間なんだろう。
そんなメッセージを感じるイベントだった。
藤原印刷のみなさま、素敵な時間をありがとうございました。
次の開催も楽しみにしています。行きます!
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◆藤原印刷さんのnoteはこちら