10がつ帽じつ、二

イラストを納品した。
モンブランをたべにいこうとおもった。ぱっとすぐにおもった店は遠い。近いケーキ屋のイートインにしようとおもいいってみると、祭りでイートインはやすみだった。店でひとやすみしたい心持ちだったので、駅の方にむかって自転車をこいだ。なんどかいったことのあるカフェで、栗のタルトとジャスミン茶をたのんだ。モンブランとはちがう、クリームはそえられているだけで、栗がぎゅっとつまったタルトだ。あっというまにたべおえて、たっぷりあるジャスミン茶をのみながら、ふきぬけの高窓をみあげていた。紙もペンももってこなかったので、ただしずかにしていた。腹のあたりからだんだんと元気がてできた。会計のとき店のひとがことしは栗が安く手にはいりにくいので、栗のタルトは直におわってしまうだろうと言った。帰り道、祭り囃子がきこえてきた。近所の田んぼは稲刈りをおえたばかりだ。そのままになっていた庭のトマトの支柱をぬいて、草むしりをした。

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