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なんでも与えてくれる悪魔とハーメルンの笛吹きの行列の最後尾の後ろの後ろで
私の好きな尊敬するお方が、「自分は何もしないで、さびしーやさしくしてーって言って、優しくしてくれるのは、悪魔だけでしょ」と言った。
ヒエロニムス・ボスの七つの大罪の話をしたことがあって、それのことを言ったらしい。さすがです。
「悪魔に魂売ってもいいって思うならいいけど、そうじゃないなら、自分から動かなきゃね」
ますます同意です。
悪魔に魂を売ってもいいと思うぐらい、淋しいときもある。
とにかく、優しくしてくれるなら、誰でもいいから、優しくしてってなってしまうときだ。
思考を停止させて、ハーメルンの笛吹きに惑わされる子供たちのように、惹きつけられて踊りながら楽園に向かう。
それができれば、いいのかもしれないな、と思うときがある。それが幸せなのかな、とか。
でも、想像してみても、ハーメルンの笛吹きの行列の最後尾を見つめながら、「その先は、本当に楽園なの?ねぇねえ、そもそも楽園の定義ってなに?」と考えてる子どもの姿の自分が見える。
それで取り残されて、下賎な大人たちに囲まれているのだ。
みんなの行く楽園は、私の知らない、想像もできない、素晴らしい場所なんだろう。
毎日花火があがる。あらゆるところでプロジェクションマッピングが見ることができる。甘くて飽きなくて、いくら食べても太らないお菓子。刺激的だけど許されるあらゆる恋。子どものうちからもらえて、支払う必要のない年金。銀メダルも銅メダルもなく、金メダルだけのオリンピックが毎年開催される。みんな夢を持っていて、前向きに日々を過ごし、それが悉く叶う。清潔で、芳醇で、豊かなあらゆる出来事。
いいな。いいなー。
それでも、私は行列に参加できない。行列が嫌なのだ。単純に、みんなの行く場所に行きたくないんだ。みんなが集まって、楽しく遊んでいて、満足していて。それでも、私は、そこに行きたくないんだ。残念だけど、私は、これでいい。
そして自分だけの楽園を創ればいいんだ。
誰かたまに遊びにきてくれたら、大歓迎するよ。