2024/10/27 ポイント争奪ミドルスクール準決勝 ややみ(黒単コントロール)vsたちばな(ランドスティル)
ややみの黒単コントロールは《アンデッドの剣闘士/Undead Gladiator》《陰謀団の貴重品室/Cabal Coffers》が入った懐かしい香りのする構成だ。
ベースこそスタンダード時代のものに近いが、《トーラックへの賛歌/Hymn to Tourach》《Krovikan Horror》でミドルスクール風にアレンジされている形。
消耗戦を積極的に仕掛ける戦術はミドルスクールではやや珍しく、またここ最近のイベントでは黒いデッキが向かい風傾向だったこともあり、(以前に比べれば)このアーキタイプを見かけることも殊更に少なかった印象だ。
しかし、そんな環境でもややみはスイスラウンドを1位通過している。
対するたちばなはランドスティル。
例によって《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》などの呪文でない攻撃手段を《行き詰まり/Standstill》でバックアップするコントロールデッキだ。
デッキについては今更説明の必要はないかもしれないが、今回のたちばなのデッキには《翼の破片/Wing Shards》が仕込まれているなど細かなアレンジがあったりする。
そんなたちばな、普段は関西圏でプレイしているが出張ついでに立ち寄ったら勝ち進んでいたとのこと。
またこの両者は予選ラウンドで一度当たっており、その際はややみが勝利している。
ややみの連勝なるか、それともたちばなのリベンジマッチとなるか。
素晴らしい勝負に期待したい。
【ROUND：1】
スイスラウンド上位のややみが先攻。
後手のたちばな、《平地/Plains》《黄塵地帯/Dust Bowl》と心許ない手札を即マリガン。
ややみはまず《強迫/Duress》で仕掛けるが、《意志の力/Force of Will》ありのたちばなは早速これに悩むことに。
…というのもたちばなの手札は
《剣を鍬に/Swords to Plowshares》
《行き詰まり/Standstill》
《衝動/Impulse》
《意志の力/Force of Will》
《平地/Plains》
《島/Island》
そこそこ強力。まあ強力ながらも今から《強迫/Duress》と何かしらを交換しなければいけないので弱くなる予定でもある。
ここで《衝動/Impulse》を失いつつ《意志の力/Force of Will》を強行した場合、《行き詰まり/Standstill》が無事であれば今後のリソース回復が可能。ただし直後に《トーラックへの賛歌/Hymn to Tourach》でもあれば大いに財産を失うことになる。
相手側からすれば《強迫/Duress》に《意志の力/Force of Will》を使ってまで守りたいカード＝《行き詰まり/Standstill》でほぼ透け確定なため、次のターン《陰謀団式療法/Cabal Therapy》でもまあ耐えてなさそうだ。
そんなわけで最速の2対1交換もいかんだろう、とたちばなはスルーを選択。予定調和的に《行き詰まり/Standstill》が抜かれることに。
このマッチは消耗が頻繁に発生するコントロールミラーということもあり、今後ややみ側はたちばなの複数枚引けるドロースペルに大いに悩まされる構図となりそうだ。逆にそういったリソース源を事前に潰されてしまうと平たいゲームになってしまうため、この時点ではまずややみが一歩リードした形となる。
…まあこの後無限の一進一退が予想されるため、このリードがどう活きるかは完全に未知数な部分となってしまうのだが。
《島/Island》で返すたちばなに、ややみは2回目の《強迫/Duress》。
先程の《強迫/Duress》に《意志の力/Force of Will》を使っていたらと思うと中々に肝が冷えるシーンだ。
この《強迫/Duress》により《対抗呪文/Counterspell》が増えたことが確認され、《剣を鍬に/Swords to Plowshares》が抜かれていく。
ややみは《萎縮した卑劣漢/Withered Wretch》を送り出してライフを詰めつつ《アンデッドの剣闘士/Undead Gladiator》を回し、たちばなは《衝動/Impulse》から土地を並べてじっと耐える展開。
《アンデッドの剣闘士/Undead Gladiator》回収のためややみが捨てたカードが《Krovikan Horror》であった事も手伝って、なんだか複雑そうな墓地事情が形成されてきた。
《Krovikan Horror》は自分の直上のカードを参照するため一度上にスペルや土地が積まれた場合回収できなくなることがあるのだが、ややみのデッキには《萎縮した卑劣漢/Withered Wretch》の能力で間にあるカードを追放すると再度回収できる状態に持っていける…という小テクが仕込まれていたりする。まあ現状は《アンデッドの剣闘士/Undead Gladiator》が踊っているだけでも保険が効いている状態だ。
ゆえにこれは(マナこそかかるものの)ライフを失わない《ファイレクシアの闘技場/Phyrexian Arena》のように機能しており、これから予想される消耗戦への備えは充分となった。
平和な場で《萎縮した卑劣漢/Withered Wretch》が2点ずつダメージを蓄積していく。
たちばなの《黄塵地帯/Dust Bowl》の返しでややみは《陰謀団の貴重品室/Cabal Coffers》から《マスティコア/Masticore》。さすがに土地が揃ってきたたちばな、これを素の《意志の力/Force of Will》でかわす。
更に引いてきた《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》を送り出し、次のターン以降ブロックからの+1により《萎縮した卑劣漢/Withered Wretch》アタックを牽制できるようになった。
しかしながら《アンデッドの剣闘士/Undead Gladiator》回転コースを見逃せないため《陰謀団の貴重品室/Cabal Coffers》に《黄塵地帯/Dust Bowl》を使わざるを得ない。
ややみは構わず残ったマナで《アンデッドの剣闘士/Undead Gladiator》を回し続け、更に2体目の《萎縮した卑劣漢/Withered Wretch》をプレイ。
続くターンでややみは《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》を意に介さず《萎縮した卑劣漢/Withered Wretch》2体で攻撃。
この動きから除去の雰囲気を察したか、たちばなは訝しみつつもミシュラブロックでなく《正義の命令/Decree of Justice》X＝3でのサイクリングを選択した。
これにより片方の《萎縮した卑劣漢/Withered Wretch》を兵士3体ブロックにて討ち取る事に成功するが、この過程でたちばなのライフは10に。
たちばな、攻勢に転じるべく《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》2枚目セットから1枚目を攻撃に向かわせるがこれは《燻し/Smother》で退場。
この戦力の変動から一気にライフを詰めるべく、ややみはここでドローに充てていた《アンデッドの剣闘士/Undead Gladiator》を普通にプレイし圧をかけていく。
たちばなは《神の怒り/Wrath of God》で凌ぐが、《アンデッドの剣闘士/Undead Gladiator》の死により当然の如く《Krovikan Horror》が誘発。この2体が同居している限りどちらも延々と戻り続けることになるため、結局のところ時間稼ぎ以上のことはできていないようだ。
即《神の怒り/Wrath of God》を受けた事もあり攻め手を切らしたくないややみ、ついに《Krovikan Horror》を直接プレイしダメージ合戦を目論む。
次ターンに《Krovikan Horror》が攻撃しつつたちばな残り7、ここで一発ホームランの《堕落/Corrupt》をキャスト。
他はともかく、さすがにこちらは通せないたちばな。《Krovikan Horror》に《剣を鍬に/Swords to Plowshares》を撃ちつつ、《堕落/Corrupt》には《意志の力/Force of Will》を撃ち込む。こうすることで《Krovikan Horror》の上に《堕落/Corrupt》が乗るため回収不能になることを狙った鋭いプレイだ。
しかしこの《剣を鍬に/Swords to Plowshares》を消費したことでややみの眼前が一瞬フリーになり、続く《ラクァタスのチャンピオン/Laquatus's Champion》の定着を許してしまう。
なんとか残りライフ1で耐えた上で《ラクァタスのチャンピオン/Laquatus's Champion》の攻撃をチャンプ目的《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》起動。これへの《殺し/Snuff Out》は《対抗呪文/Counterspell》で防ぎチャンプブロックを成立させたものの、この使い方こそ不本意そのものなわけで。
たちばな、無念の投了。
ややみ 1-0 たちばな
【ROUND：2】
《島/Island》で口火を切るたちばなへ、ややみは開幕《陰謀団式療法/Cabal Therapy》。
2本目であること、リソース合戦であること、そもそも次のターンマウント取られるの嫌すぎる諸々の理由から《行き詰まり/Standstill》を指定する。
《平地/Plains》2枚
《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
《テフェリーの反応/Teferi's Response》
《対抗呪文/Counterspell》
《衝動/Impulse》
とまあそこそこな内容だ。
指定は外れこそしたものの《テフェリーの反応/Teferi's Response》という重要な情報を手に入れ、テキストを入念に確認。
見たところまだミシュラランドを引かれていないため直近で問題にはならないが、将来的に目の上の瘤になる可能性がある。
《沼/Swamp》の追加で動かないややみを尻目にたちばなは《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》からの《衝動/Impulse》で《行き詰まり/Standstill》を見つけ、そのまま設置。
結果として3ターン目に《行き詰まり/Standstill》。よくある流れながらも中々に厳しい展開だ。どうしようもなくなる前にややみは《アンデッドの剣闘士/Undead Gladiator》素のプレイでさっさと《行き詰まり/Standstill》を解除することを選択。
そのまま《陰謀団式療法/Cabal Therapy》裏に繋げるが、ここで公開された(見えていなかった範囲の)カードが大問題である。
《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》
《平地/Plains》
《賛美されし天使/Exalted Angel》
《嘘か真か/Fact or Fiction》
あまりにも激ヤバ方向に成長してしまったたちばなハンド。しかも《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》を引かれたことで《テフェリーの反応/Teferi's Response》が活きてくるおまけつき。
《アンデッドの剣闘士/Undead Gladiator》回収のみのややみ、《嘘か真か/Fact or Fiction》を見送ることしかできない。めくれたカードは
《謙虚/Humility》
《剣を鍬に/Swords to Plowshares》
《行き詰まり/Standstill》
《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
《島/Island》
…なんだか手札が一生減らなそうに見えるのは気のせいだろうか。
《剣を鍬に/Swords to Plowshares》《行き詰まり/Standstill》《島/Island》を手に入れ一気にウィンコンディションだ。即座に《行き詰まり/Standstill》設置でターンを返す。
ややみは《アンデッドの剣闘士/Undead Gladiator》サイクリングでじっと耐え、アップキープの回収を挟んだあと《火薬樽/Powder Keg》でお伺いを立てる。
これにより《行き詰まり/Standstill》が爆発し、お誂え向きに《正義の命令/Decree of Justice》がチラリ。
…ということは、この《火薬樽/Powder Keg》は通らない。
たちばなは溢れんばかりの手札から《マナ漏出/Mana Leak》で捌いていく。ややみは《アンデッドの剣闘士/Undead Gladiator》の回収を挟んでいるためにマナの余裕がほとんどないため《マナ漏出/Mana Leak》でさえも効いてしまうのが辛いところだ。
たちばな、まずは見られている《賛美されし天使/Exalted Angel》で攻め始める。
これは即《チェイナーの布告/Chainer's Edict》を受けてしまうが、次ターンからは《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》で攻撃開始。
ややみは《黄塵地帯/Dust Bowl》を置くが《テフェリーの反応/Teferi's Response》が見えているため倒すに倒せない。
なんとか《強迫/Duress》で《正義の命令/Decree of Justice》を抜くものの
《剣を鍬に/Swords to Plowshares》2枚
《衝動/Impulse》
《嘘か真か/Fact or Fiction》
《テフェリーの反応/Teferi's Response》
という特濃の手札が残ってしまう。解決すべきタスクが多すぎてややみ苦笑。
とはいえやれる事が限られているややみ、とりあえず《堕落/Corrupt》でライフ的な猶予を取りに行くことに。
これは通るものの、たちばなは返しで変異をプレイし攻め手を切らさない。
それだけは許すまじとばかりにややみの手札から《チェイナーの布告/Chainer's Edict》が飛ぶが、隣に《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》があるため起動→ややみ《燻し/Smother》→《テフェリーの反応/Teferi's Response》と繋がり、たちばなは手札を失わずこの攻防に勝利する。
とはいえ同時にこの過程で《テフェリーの反応/Teferi's Response》が消費されたことで《黄塵地帯/Dust Bowl》が動き出せるようになり、この(《賛美されし天使/Exalted Angel》であろう)変異さえどうにかなればややみ側にも勝機はある。
たちばなは返すターンで変異で攻撃に向かうが、この段階では変異を解かず好機を待つ。
ややみは《賛美されし天使/Exalted Angel》の表になるコストや能力を確認し「まあさすがに天使だろう」という目測の元《陰謀団の貴重品室/Cabal Coffers》からの《アンデッドの剣闘士/Undead Gladiator》サイクリングループでカードを探しに行くプレイに向かう。
一旦リソースを減らすべく撃った《トーラックへの賛歌/Hymn to Tourach》は《剣を鍬に/Swords to Plowshares》《嘘か真か/Fact or Fiction》を抜く結果になり内容だけで言えば僥倖そのものなのだが、これの解決前に都合悪く《正義の命令/Decree of Justice》が合わせられてしまい場の危機は継続されることに。
たちばなも《黄塵地帯/Dust Bowl》を置くと《陰謀団の貴重品室/Cabal Coffers》を破壊しつつ総攻撃。
ややみもサイクリングループから《トーラックへの賛歌/Hymn to Tourach》を撃ち込むが場の解決には至らない。
これを見るやたちばなもついに変異を解除、当然の《賛美されし天使/Exalted Angel》とトークンで総攻撃し王手をかける。
《陰謀団の貴重品室/Cabal Coffers》が割られたためマナ事情的な自由度を失ったややみ。
《アンデッドの剣闘士/Undead Gladiator》やりくりからのラストトップデッキは《もぎとり/Mutilate》と値千金だったのだが、無情にも《マナ漏出/Mana Leak》で勝負あり。
決着は3本目に持ち越しとなった。
ややみ 1-1 たちばな
【ROUND：3】
お互い7枚をキープ。
ややみが《陰謀団式療法/Cabal Therapy》から仕掛け、これはもうお決まりパターンか《行き詰まり/Standstill》を指定。
これは外れてしまうものの、
《剣を鍬に/Swords to Plowshares》
《火薬樽/Powder Keg》
《テフェリーの反応/Teferi's Response》
が確認される。ややみは再び見えている《テフェリーの反応/Teferi's Response》と戦うことになった。
しかしややみの二の矢はナイスサイドボード《ストロームガルドの騎士/Knight of Stromgald》！《剣を鍬に/Swords to Plowshares》や《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》で防げないアタッカーの登場だ。
放置が許されない脅威に対したちばなは注文通りの《火薬樽/Powder Keg》。
返しの攻撃は受けるしかないが、引き込んだ《行き詰まり/Standstill》でそのまま逆転への道を繋ぐ。《火薬樽/Powder Keg》の導火線が2個になったところでややみのドローステップに起爆。
そのドローでややみは《黄塵地帯/Dust Bowl》を手に入れるものの《テフェリーの反応/Teferi's Response》の存在が重くのしかかる。
とはいえまだまだ序盤、更に《行き詰まり/Standstill》が置いてあることによりたちばなも《テフェリーの反応/Teferi's Response》で返しにくい状態だ。
ここからは両者ドローゴー。
ややみは道中《アンデッドの剣闘士/Undead Gladiator》で適宜手札調整を行っていき、たちばなも土地を揃えて《黄塵地帯/Dust Bowl》への備えとする。
何度かのターンパスののち先に動いたのはややみ。
《陰謀団式療法/Cabal Therapy》で《行き詰まり/Standstill》が反応しつつ《剣を鍬に/Swords to Plowshares》を指定。
《謙虚/Humility》
《テフェリーの反応/Teferi's Response》
《翼の破片/Wing Shards》
《謙虚/Humility》
《正義の命令/Decree of Justice》
《火薬樽/Powder Keg》
《剣を鍬に/Swords to Plowshares》
カウンターこそないものの潤沢な手札を公開するたちばな。
見られたのでは仕掛ける他にない、と《正義の命令/Decree of Justice》をX＝3でサイクリング。
攻撃した上で《謙虚/Humility》を貼って場を一旦固定する。
しかしこの3点クロックは即座に《もぎとり/Mutilate》の餌食となり、再び《テフェリーの反応/Teferi's Response》が睨みを効かせた微妙な空気の場に戻っていく。
たちばなの《火薬樽/Powder Keg》の返しでややみは5点の《堕落/Corrupt》を。これは《マナ漏出/Mana Leak》で返されるが、続くターンに再び《堕落/Corrupt》が。
たちばなは悩みつつこれも《対抗呪文/Counterspell》するが、ややみはなんと3発目の《堕落/Corrupt》！
カウンターを2つ消費したたちばな、この一挙3連射にはさすがに苦笑いのスルー。たちばなライフ残8。
しかしたちばな、このほぼフルタップの隙を見て《フェアリーの集会場/Faerie Conclave》で反撃開始。《堕落/Corrupt》4枚目はないだろうと思いたい、そんな気分だろう。
ややみは《強迫/Duress》で《テフェリーの反応/Teferi's Response》を抜き、《黄塵地帯/Dust Bowl》をアクティブな状態へと引き戻す。この過程で残された手札が《翼の破片/Wing Shards》《剣を鍬に/Swords to Plowshares》2枚の除去トリオであることも確認。
たちばなは《フェアリーの集会場/Faerie Conclave》で突撃するが、これには《燻し/Smother》が。
負けじと《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》を追加するが、例によって《黄塵地帯/Dust Bowl》に睨まれてしまっている。
ややみは《アンデッドの剣闘士/Undead Gladiator》を回転させた上での《トーラックへの賛歌/Hymn to Tourach》で《剣を鍬に/Swords to Plowshares》2枚を叩き落とす。
たちばなはお返しとばかりの《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》の2点で殴り返すが、次のターンには攻撃しないままターンをパス。
これはもしかして《正義の命令/Decree of Justice》なのでは？
謎の圧力に対しややみは《アンデッドの剣闘士/Undead Gladiator》回転から《強迫/Duress》。
案の定スタックでX＝7でサイクリングされる《正義の命令/Decree of Justice》。しかも《強迫/Duress》の解決で見えていなかった範囲+このサイクリングまでの過程で引かれていたカードが《対抗呪文/Counterspell》《嘘か真か/Fact or Fiction》と中々なもの。
この《強迫/Duress》で《対抗呪文/Counterspell》を、《陰謀団式療法/Cabal Therapy》で《嘘か真か/Fact or Fiction》でそれぞれ抜き手札リソースを壊滅させるものの、場に残った7体が致命的すぎる。
好機とばかりにたちばなは《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》も起動し一挙9点を叩き込む。
しかし返しのターンでのややみのトップデッキは《もぎとり/Mutilate》！
お互いにかなり物凄い引きをしていて観る側としては非常に楽しいのだが、このシーンにおいては両者心中穏やかではないかもしれない。
ともあれ事前に手札破壊でカウンターを抜いていた事も功を奏し、この《もぎとり/Mutilate》は無事成就。場に再び静寂が訪れることに。
ややみの《火薬樽/Powder Keg》にはカウンターを2つ溜めた《火薬樽/Powder Keg》で応じ、なんとか《アンデッドの剣闘士/Undead Gladiator》ループでマナを使った瞬間＝《黄塵地帯/Dust Bowl》が起動できない瞬間に《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》を差し込む形で食いつないでいくたちばな。
ややみが送り出した《ストロームガルドの騎士/Knight of Stromgald》は《謙虚/Humility》のせいで1/1と可愛い。《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》の前には少々分が悪いものの、《黄塵地帯/Dust Bowl》のアシストでいずれ突破する可能性もある。
2体の《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》の攻撃は片方《黄塵地帯/Dust Bowl》に阻まれるが、これによりややみは残り3。
しかし次のターンには《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》は全て破壊されてしまい、続く《フェアリーの集会場/Faerie Conclave》も壊されていく。
お互いに手頃な勝ち手段を喪失していく壮絶なシーソーゲームだ。
とここでややみ、《Krovikan Horror》を引き込み小突き始める。
この《Krovikan Horror》は1/1なのだが墓地では能力を発揮できるため、《アンデッドの剣闘士/Undead Gladiator》との組み合わせで戻り続けることができる。この場では4マナ1/1でも貴重な戦力なのだ。
たちばなもこれに《神の怒り/Wrath of God》するなど必死の応戦。
ややみがブロッカー目的で立てようとした《アンデッドの剣闘士/Undead Gladiator》は《マナ漏出/Mana Leak》で排除。この流れで事前に置いていた《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》の眼前が一瞬クリアになり、この攻撃でややみのライフは残り1。
さすがにこれは手痛い。もう1ミリの隙も許されないややみ、《黄塵地帯/Dust Bowl》で《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》を処理。
ややみの《Krovikan Horror》が細かいダメージを刻み、たちばな残り5というところでおもむろに《沼/Swamp》6枚をタップ。
さすがにこれは終わっただろ、誰もが諦め顔の中出てきたのは《ラクァタスのチャンピオン/Laquatus's Champion》。
6マナ1/1、もはや《沼のチンピラ/Bog Hoodlums》を笑えないサイズに全員苦笑いだが、この状況では既にパワー1があるだけでも充分偉いように思えてくる。
この隙にもたちばなは《黄塵地帯/Dust Bowl》で《黄塵地帯/Dust Bowl》を壊すが4マナ1/1と6マナ1/1を止められない。
ついにライフが1になるまで擦られ続け、3本目お互いライフ1という摩訶不思議な状況が生まれることに。
既にデッキに1枚の《神の怒り/Wrath of God》を消費しているたちばな、懐事情的にはここで《正義の命令/Decree of Justice》を引く以外逆転の道なし。しかもここまで2枚使ってしまっているため、この場から勝てるカードは本当にデッキに1枚の《正義の命令/Decree of Justice》1枚だけとなる。
運命の最終ドローは、このゲーム中でも散々引いた、ややみが最も忌み嫌っていた《行き詰まり/Standstill》なのであった。
ややみ 2-1 たちばな
ややみ、決勝進出！
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