2024/11/03 意志の力争奪ミドルスクール準決勝 4oung8yro444(カウンターバーン)vskurofuji(Benzo)
4oung8yro444のカウンターバーンは青い要素を搦め手としゲームを伸ばしていき、ランドスティルのようなミシュラランド戦略と火力で勝負を仕掛けるデッキだ。
カウンターと火力ということで相反しやすい要素が同居したデッキではあるものの、ミドルスクールではマナベースの問題で土地から継続的なダメージを受けやすいため、バーンのような攻撃手段は普通のフォーマットより削りが楽なゲームが生まれやすい。《嘘か真か/Fact or Fiction》《蓄積した知識/Accumulated Knowledge》のような大量ドローで枚数を集め、最終的に重ねて勝ってしまおうというコンセプトなのである。
kurofujiのBenzoはかつてプロツアーシーンで活躍した名デッキ。《納墓/Entomb》からの《再活性/Reanimate》などで高速で巨大クリーチャーを釣り上げることを主戦略とし、サブプランとして《ゾンビの横行/Zombie Infestation》を備える。《ゾンビの横行/Zombie Infestation》は《ゴブリンの太守スクイー/Squee, Goblin Nabob》《Krovikan Horror》のような手札に戻るクリーチャー各位との相性は抜群で、これは手札に来た巨大クリーチャーを墓地に送り込む手段も兼ねている。
これらの全体的な軽さ・全ての動きが黒単で賄えるがゆえのマナベースの緩さが魅力のデッキだ。
【ROUND:1】
スイス上位の4oung8yro444が先攻。
4oung8yro444のデッキには場に出てしまった巨大生物や《ゾンビの横行/Zombie Infestation》に対処するのがほぼ不可能なため、kurofuji側に何かしらの脅威が出た場合に一気にゲームが傾く、あるいはそのまま押し切られてしまう可能性が高いだろう。
一方でkurofuji側はリソース回復手段に乏しく序盤で走り出せなければそのまま右肩下がりになりがちなデッキだ。場に出す生物も土地に触れる《土喰い巨獣/Petradon》であってほしいところだが、これは喰らったとしてもその場で土地に余裕があれば《狡猾な願い/Cunning Wish》→《青霊破/Blue Elemental Blast》で対処されうる。
ゆえに勝負は最序盤に大詰めを迎えると言っても過言ではない。
4oung8yro444は青マナなしをマリガン。kurofujiはキープ。
《フェアリーの集会場/Faerie Conclave》からゲームが始まるが、このタップインを見るや否やkurofujiは行動を起こす。
《沼/Swamp》から即《納墓/Entomb》だ。
リアニメイトというデッキの妙。それは非常に軽いコンボでありつつ、絵合わせコンボながらも(墓地が無事なら)ターンを跨いだ分割払いでも良いという点だ。
つまり一旦墓地に爆弾を埋め込めば次に引いた釣竿カードは全て有効牌と化す、ということになる。
裏を返せば埋める行動さえ咎められるなら釣竿も持ち腐れとなってしまうわけで、これに4oung8yro444は早々に《意志の力/Force of Will》を使用した上で《フェアリーの集会場/Faerie Conclave》を設置。
kurofujiの仕掛けは続く。
若干悩みながらも《水蓮の花びら/Lotus Petal》《生き埋め/Buried Alive》と二の矢を重ね、これが見事成就。
《ゴブリンの太守スクイー/Squee, Goblin Nabob》《Krovikan Horror》《Krovikan Horror》と探し、《ゾンビの横行/Zombie Infestation》プランを匂わせつつ終了ステップに《Krovikan Horror》を2枚回収。
4oung8yro444は《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》で動かず、ターンを貰ったkurofujiも《ゴブリンの太守スクイー/Squee, Goblin Nabob》を回収しただけで動かない。
ということは?
kurofuji「ディスカードに入ってもいいですか?」
リアニメイトあるある、ナチュラルディスカード。
頼むから《ゴブリンの太守スクイー/Squee, Goblin Nabob》の方を捨ててくれ、そんな全人類の願いが届いたのかポロリと赤いカードが墓地に。
現実は非情である。
そんなわけでリアニメイトスペルが活き始めることになった。
kurofujiは次ターンに早速《再活性/Reanimate》。これには《意志の力/Force of Will》しつつ《直観/Intuition》から《蓄積した知識/Accumulated Knowledge》を回収して耐える4oung8yro444だが、このままでは攻めに転じるのは難しそうだ。
とりあえずメインで《蓄積した知識/Accumulated Knowledge》で3枚引きつつ待ってみるものの、更に《ゾンビの横行/Zombie Infestation》が連なってきて泣きっ面に蜂。
《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》が2体いることにより見た目上すぐにゾンビが攻撃してくることはなさそうだが、kurofujiがゾンビを生みつつも生産スピードを落として《Krovikan Horror》を素出ししてきたことによりブロック→パンプの流れが牽制されることに。
そうこうしているうちにゾンビまみれになってしまい、ついにkurofujiのコンバットが始まる。
4oung8yro444も一旦《稲妻/Lightning Bolt》で《Krovikan Horror》をどかした上でブロックし急場を凌ぐものの、第二メインで放たれる《死体発掘/Exhume》。
これには《嘘か真か/Fact or Fiction》をぶつけてみるが《意志の力/Force of Will》には到達できず、《土喰い巨獣/Petradon》により今救ったはずの《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》を吸い込まれてしまう。
「大体死んでそう」と漏らしつつも、《火+氷/Fire+Ice》で《土喰い巨獣/Petradon》を寝かせるなどしてターンを作ろうとする。
しかし殴ってくるのは《土喰い巨獣/Petradon》だけではない。すぐに生産体制を取り戻したゾンビ軍団に食い荒らされ、まずはkurofujiが1本。
4oung8yro444 0-1 kurofuji
【ROUND:2】
再び4oung8yro444先攻。
《トーモッドの墓所/Tormod's Crypt》こそあるものの土地が薄い初手をマリガン。kurofujiはキープする。
しかし不運にも続く手札に土地がない。《ファイレクシアの炉/Phyrexian Furnace》はある。
さすがにスタートできず再度引き直すも《フェアリーの集会場/Faerie Conclave》のみ。かなり厳しい状況だ。
kurofuji側の1ターン目の動きはなく、2ターン目の《ゾンビの横行/Zombie Infestation》にはなんとか《無効/Annul》して命を繋ぐが、《フェアリーの集会場/Faerie Conclave》だけが集会が開かれる事なく佇んでいる。
しかも《ゾンビの横行/Zombie Infestation》2枚目を引かれてしまい風前の灯。
ゾンビが1体生まれるものの、kurofujiが捨てたのが《再活性/Reanimate》《動く死体/Animate Dead》と、恐らく爆弾クリーチャーなしで釣竿がダブついている状態のようだ。
ついに《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》を引き当てて動き出せるようになった4oung8yro444。
kurofujiはこれに《強迫/Duress》をぶつけ、
《対抗呪文/Counterspell》2枚
《直観/Intuition》
《火+氷/Fire+Ice》
《予言の稲妻/Prophetic Bolt》
《ネビニラルの円盤/Nevinyrral's Disk》
を確認の上《マナ漏出/Mana Leak》を落とす。
仕掛けは揃った。
《ゾンビの横行/Zombie Infestation》から《土喰い巨獣/Petradon》、《死体発掘/Exhume》と繋げて土地を全て奪いにかかる。
4oung8yro444も《火+氷/Fire+Ice》に全てを賭けるが《意志の力/Force of Will》はなく再び不毛の大地と化すマナ事情。
手札に簡易なドロースペルがないため、土地も欲しいし対処手段も欲しいしで無い無い尽くしとなってしまった。
そのまま《土喰い巨獣/Petradon》が完走し、4oung8yro444無念の敗北。
4oung8yro444 0-2 kurofuji