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2024/11/17 溢れかえる岸辺争奪ミドルスクール決勝 とろ(ランドスティル)vsうたまる(タックスラック)

各々が(気分で)好きなデッキを使う傾向にあるがゆえに、何かとカオスなメタゲームを形成しがちなミドルスクール。
 今回の決勝は、その環境の中でも「愛好家」の二人の対決となった。

とろのデッキはランドスティル。何度か決勝の観戦レポートに登場する彼、今となっては関東のランドスティルマスターと言って差し支えないだろう。
今回も危なげなくスイスラウンドを通過しここに座っている。
対するうたまるはタックスラック。こちらも《土地税/Land Tax》《巻物棚/Scroll Rack》というテンプレからいくつもの派生デッキ(奇抜なものを含む)を生み出しつつ、今回は比較的正統派な構成のものを持ち込んでいるこのデッキの大御所である。

なおこの二人の対戦は以前のイベントの決勝にてマッチング、その際は大激戦の末とろの勝利となった。
とろの連勝なるか、それともうたまるのリベンジが成功するのか。


【Round:1】

まずはスイス上位のとろが先攻。
うたまるの1マリガンを挟みゲームスタートと相成った。

以前もお届けしたこの組み合わせ、ランドスティルvsタックスラックの勝負。やはりうたまる(タックスラック)が《土地税/Land Tax》を早期に設置できるか否かが焦点となる。
1マナと非常に軽い動きであるため、言ってしまえば初手に《平地/Plains》もしくは白マナ+《土地税/Land Tax》と持っているだけでOK。これは「成就すれば他はどんな手札でも大体有利になってしまう」ほどの効果をもたらしうる。
…のだが、問題は逆に対処されてしまった場合の話。初手にない場合《土地税/Land Tax》を揃えるために《悟りの教示者/Enlightened Tutor》や《ギャンブル/Gamble》を経由するとカード枚数上の「損」が発生する上、対処されたのち再展開できなければそれこそデッキが「謎の紙束」にもなりかねない。
とろ側の対処が単体のカウンターでなく《意志の力/Force of Will》であれば枚数上の差は縮まり、その後の交錯はより五分に近い勝負となるだろう。

そんな序盤の伸るか反るかの攻防がさっそく開始。
とろの《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》を見届けると、うたまるは《モックス・ダイアモンド/Mox Diamond》から《ギャンブル/Gamble》。
後手1マリガンであるため、サーチ後の手札は4枚。つまり負ける確率は1/4だが…。

とろが裏向きで拡げられた4枚のうち1枚を指差すと、白いカードがこぼれ落ちて…!?

しかしこっちだったので一安心。
文字通りの「ギャンブル」をとりあえず成功させ、《モックス・ダイアモンド/Mox Diamond》からの《土地税/Land Tax》をキャストするうたまる。

だがここでとろは無情にも《魔力の乱れ/Force Spike》!

うたまる「それは面白くないねえ」

そこそこの対価を支払いつつ、最も安価なカードで切り返される…という完全に噛み合った形。《ギャンブル/Gamble》経由でさえなければ、と惜しみつつもうたまるは仕方なくターンを返す。
ここまでお互い1ターンしかプレイしていないのにうたまるの手札は残り2枚。どうしてこうなった。

更に《アダーカー荒原/Adarkar Wastes》から《浄化の印章/Seal of Cleansing》と、ほぼ《土地税/Land Tax》の定着が見込めない厳しい場に。
なんとか《巻物棚/Scroll Rack》を引き込み設置するうたまる。とろもこれに《浄化の印章/Seal of Cleansing》を切るか悩むものの、現状のうたまるの枚数的リソースが壊滅している事を鑑み我慢。

…と、この《巻物棚/Scroll Rack》を回してみたところ即《土地税/Land Tax》が出現。《巻物棚/Scroll Rack》は我慢したがこっちはさすがに駄目だ、とこれまた即《浄化の印章/Seal of Cleansing》の餌食に。
再度《土地税/Land Tax》を探しに行きたいところだが、手頃なシャッフル手段に到達するまでは《巻物棚/Scroll Rack》が積んだ負債に付き合わなければいけないうたまる。

とろはこの間にも《嘘か真か/Fact or Fiction》で手札を肥やした上で《正義の命令/Decree of Justice》で2点クロックを準備する。
対してうたまるは毎ターン1枚ずつ新情報を得ていくが、どれも有益なものではなかったようだ。

うたまるも一応《ゴブリンの太守スクイー/Squee, Goblin Nabob》を素で出してみるが、とろはこれを即《剣を鍬に/Swords to Plowshares》した上で《正義の命令/Decree of Justice》を重ね、更に《行き詰まり/Standstill》で完璧に蓋。
まずはとろが1本。

とろ 1-0 うたまる


【Round:2】

両者1回ずつのマリガンを挟み、うたまる先攻の《強迫/Duress》からゲームスタート。
《賛美されし天使/Exalted Angel》
《マナ漏出/Mana Leak》
《対抗呪文/Counterspell》
《衝動/Impulse》
《島/Island》
《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》
ここから《マナ漏出/Mana Leak》が抜かれていく。

チェックが済んだことで、うたまるは今度こそ安全に《土地税/Land Tax》を送り出すことに成功。
とろは《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》からの《衝動/Impulse》で耐えるが、当然土地を置かない選択肢はない=ほぼ毎ターン《土地税/Land Tax》が誘発するためその間にもうたまるは枚数的なリソースを稼がれてしまう。

とはいえ《土地税/Land Tax》だけで勝てるわけではないため、まずはそれ以外を牽制すべく《行き詰まり/Standstill》でお茶を濁すとろ。
この《行き詰まり/Standstill》は次のターンに《陰謀団式療法/Cabal Therapy》で即爆破され《対抗呪文/Counterspell》が抜かれるが、過程で《オーラの旋風/Aura Blast》が見えてしまいうたまる苦悶。

引いたのであれば、ということで《オーラの旋風/Aura Blast》で《土地税/Land Tax》を処分した上でキャントリップ。とろはうたまるが土地で得たアドバンテージに活きているカードで追いつくことに成功する。

しかしうたまるにも別の狙いが。
ターン終了時の《悟りの教示者/Enlightened Tutor》で《土地税/Land Tax》を積み込み、メインの《土地税/Land Tax》プレイが予定調和的にカウンターされるのを見届けた直後。
本命の全捨て《壊滅的な夢/Devastating Dreams》が襲いかかってきた。

この二段構えにはとろも耐えきれず、お互いの場(土地)が木っ端微塵に。

デッキの軽さから少ない土地で動き出せるうたまる。
元々入っている土地枚数がそれなりに多いとろ。
お互いの復興作業が始まった。

最初のドローで土地を引けなかったうたまるに対し、とろは僥倖の土地連続ドロー!
しかも白マナを重ねて引いたことで2/2変異プレイ→《賛美されし天使/Exalted Angel》変異解除と繋がってしまい一気にとろペース。
事前の《土地税/Land Tax》での圧縮も効いており、うたまるは土地事情がなかなか前に進まない。

更に重ねられる《嘘か真か/Fact or Fiction》で追加クロックの《正義の命令/Decree of Justice》まで見せられては断腸の思いで1:4を選択せざるを得ず。
とろ、ダメ押しの《翻弄する魔道士/Meddling Mage》で完全に反撃の芽を摘み取ってしまい、うたまる撃沈。

とろ 2-0 うたまる

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優勝はとろ(ランドスティル)!おめでとう!

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