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禅の道(125)歩く坐る立ち上がる方法
禅の道における「歩く、坐る、立ち上がる」という日常の動作は、単なる体の動き以上に、心と体の調和を図る大切な所作です。以下に、その意味と実践法を綴ります。
まず「歩く」ことについて。歩行は、目的地へ向かうための基本的な動作ですが、ただ単に歩くだけではなく、体に無理のない姿勢が求められます。特に、ゆっくり歩く場合、腰への負担が増しやすいのです。そこでおすすめなのは、腰を中心に少し前傾の姿勢を取ること。腰から頭までが一本の直線になるように意識し、前かがみになりすぎず背中を曲げないようにするだけで、自然と歩くスピードが上がり、健康効果も期待できます。実際、速歩きが健康に良いということは多くの研究で実証されており、心身ともに活力がみなぎります。
次に「坐る」ことへのアプローチです。坐るときも、歩くときの前傾姿勢から一転、背中をやや曲げた姿勢で腰を支えることが推奨されます。これは、椅子に腰かける場合でも床に坐る場合でも同様です。このような姿勢は、立ち上がる際の予行練習とも言え、日常の中で自然に体幹や背中、足腰を鍛える効果があります。さらに、坐っている間は背筋を伸ばすことで、無駄な疲労を感じにくく、長時間の座位でも心地よさを保つことができます。
そして「立ち上がる」際の所作ですが、ここでも禅の智慧が息づいています。立ち上がるときは、頭を自然に下げ、背中を軽く丸めるような動作を意識することで、無理なく体が動き出します。この一連の動作は、日々の生活の中で足腰や背中、体幹を効果的に鍛えるものであり、腰を痛めずに健康を維持するための基本ともいえるでしょう。
このように、歩く、坐る、立ち上がるという一見平凡な動作に深い意味と工夫を込めることで、身体だけでなく心にも良い影響がもたらされます。もしこれらの動作が億劫に感じられるならば、かえって老化を招く一因となるかもしれません。日々の行住坐臥、すなわち、生活のあらゆる瞬間における動作の中で、自分の身体としっかり対話し、自分に合った「動き」を見つけ出すことが、真の健康への道といえるでしょう。道に落ちている物を拾うときに、しっかり腰を落として拾うように。
この記事を通じて、私たちが普段何気なく行っている動作に対して、改めて注意を向けるきっかけになれば幸いです。禅の智慧を日常に取り入れ、一歩一歩、坐る一瞬一瞬を大切にすることで、心身ともに充実した日々を送ることができるのです。
足腰は蹲踞で鍛える。
ご覧いただき有難うございます。
念水庵
昨日は一日京都で荷造り。段ボール箱にせっせと目につくものを押し込んだ。ここで一つ一つ選り分けていると時間がかかりすぎる。ほとんどは過去のモノ。無くなって困るものはほとんどない。ただ、捨てるには忍びない。
そこで分別はマキノに持ち帰ってから行うことにした。近くの川に、鴨の姿が見えた。去年もちょうど今頃。鴨かもしれない、と。笑
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