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禅の道(126)成功を目指さない?

成功を追わず、今を生きる―禅の心に学ぶ生き方

世の中では「成功」という言葉が、しばしばお金や社会的地位、名声といった具体的な形で捉えられがちです。しかし、真の成功とは、外面的な評価だけで測れるものではなく、心が実感する幸福や充足感に他なりません。

成功と幸福の違い

多くの成功者は確かに経済的にも名声を手に入れています。しかし、その中には自らの信念に従い、清貧を貫く方もいれば、私財を慈善団体に寄付することで、豊かさの定義を再考する人もいます。一方で、外見上は成功しているにもかかわらず、家庭内の不和や健康の問題、人間関係の悩みを抱えるために、真の幸福を感じられない人も少なくありません。つまり、成功とは必ずしも「金持ちになる」ことではなく、「心からの充実感を得る」ことこそが、人生における本当の成功であると言えるでしょう。

成功を目指さないという選択

では、どうして「成功を目指さない」生き方を選ぶのか。これは、ある意味で禅の教えに通じるものがあります。禅は、結果を求めるのではなく、今この瞬間に存在すること、そしてその瞬間に全力を尽くすことを説きます。過度な期待や高望みは、しばしば心に重いプレッシャーを与え、自然な成長や気づきを妨げる原因となります。目の前のことに全力で取り組み、ありのままの現状に感謝し、その中で自分自身を磨いていく。それこそが、真に自由で穏やかな生き方への道かもしれません。

今ある状況に心から感謝する

「成功」という言葉を意識的に手放すことで、私たちは自然と今の瞬間に向き合い、感謝の気持ちを育むことができます。日々の努力や小さな成長、何気ない日常の中にある喜びに気づくことができれば、それが本当の意味での「成功」です。結果を求めすぎるのではなく、プロセスそのものを楽しみ、受け入れる姿勢こそが、心の平穏をもたらします。

まとめ

成功を追い求めるあまり、私たちはしばしば本来の自分自身を見失ってしまいます。禅の教えが示すように、無理に高みを目指さず、今ある状況に感謝し、日々の積み重ねを大切にすることで、心からの幸福を実感することができます。結果としての「成功」ではなく、プロセスとしての「生きる」美しさであり、真の豊かさの道であります。

貧しく豊かに生きる。


ご覧いただき有難うございます。
念水庵 正道

昨日は、京都とマキノを往復した。今日も往復することになる。明日は京都の家の明け渡し。ちょうど三年が過ぎていく。「流れ流れてどこまでも明日を知れないこの俺さ」岡林信康さんの「流れ者」の歌詞が頭をよぎる。ひとりの土木家として現場に最後まで残り、見渡しポツンと「有難う」。

いつ死んでも悔いのない人生を。


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