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禅の道(122)決め手は「法界定印」

坐禅の世界には、心を静め、内面の調和を図るための多くの実践法があります。その中でも特に重要とされるのが「法界定印」です。これは、禅僧が坐禅を行う際だけでなく、日常生活のあらゆる瞬間に用いる、心と身体をひとつにするための手の組み方です。

まず、法界定印とはどのようなものかというと、両手のひらを上向きにし、右手の指の上に左手の指をそろえて伸ばします。そして、両手の親指の先をそっと触れ合わせ、まるで楕円形を描くかのような形にします。このシンプルな動作は、一見するとただの手の組み方に過ぎませんが、実は深い意味が込められています。釈尊が坐禅を行う際にも同じ手の形をとったとされ、その姿勢は心身の一体化、すなわち内面の平和と調和を象徴しています。

この印を結ぶとき、重要なのは単に手を組むことではなく、腕や身体の力を抜き、自然な状態で行うという点です。普段の生活の中でも、正しい姿勢とともにこの手の形を保つことで、内面にある静けさやバランスを感じ取ることができます。実際、怒りや不満といった強い感情が湧いたときに、法界定印を意識して手を組むと、まるで魔法のように心が穏やかになり、感情が落ち着いてきます。

このように、法界定印はただの形式的な動作ではなく、私たちの内面を映し出す鏡のような存在です。心の状態がそのまま手の形に表れ、手の組み方一つで内面の調和や平静を確認することができます。すなわち、法界定印は「禅定印」とも呼ばれ、心のしるしとして、自分自身の精神状態を整えるための大切な実践となっているのです。

この記事を通じて、坐禅における法界定印の奥深さや、そのシンプルながらも力強い効果を感じ取っていただければ幸いです。忙しい日常の中でふと立ち止まり、手を組むことで、心に自然な平和と調和を取り戻すことができる—それが、禅の教えが私たちにもたらす静かな力なのです。

力を入れず力を出す「決め手」


ご覧いただき有難うございます。
念水庵 正道

これはもう「ドカ雪」だ。昨日も真冬のような粉雪がしんしんと降り続いた。積雪はゆうに1mを超えた。わが庵はよく持ちこたえている。友と二人でツーバイフォーの木材と針葉樹合板で造ったものだが、大丈夫だ。ときおり雪庇がドスンと落ちる音。丸々と太った寒すずめが入ってきた。

昨日は夕方5時過ぎに市の除雪車がやってきた。
そこらじゅうの除雪で大忙しなのだろう。
豪雪地帯を実感せざるを得ない。
ゆえに一年中湧水が枯れることもない。

参禅堂(中)と庫裡(右)2/22


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