禅の道(九)諸仏の父母「観音」
道元禅師が著された正法眼蔵の「観音」の巻に以下の部分があります。
この箇所で道元禅師は、観音菩薩の本質や意味を深く捉えるよう勧めています。ここでの「観音」は、単に苦しみを聞いて救済する存在というよりも、悟りや仏道の本質そのものに触れるための学びの対象とされています。
現代語訳
「観音菩薩は、苦しみの声を前後左右、すべての方向から聞き取って救いを与えると言われている。しかし、そうした慈悲の観音について理解を深めたいならば、雲巌禅師や道吾禅師のような過去の高僧たちの悟りの境