【49球目】M&A
【35球目】にも書いたM&Aについてのお話です。
先日、2022新卒採用オンライン会社説明会が開催されました。
今回で5回目の説明会です。
その中で質問があったことについて、ここに書いていこうと思います。
M&Aでどういう業種の工場を買うのですか?
学生からあった質問です。
オンライン説明会の中で、私の時間が20分ほどあります。
その中で、
現在、製造拠点と営業拠点が併設されているのは、福岡、兵庫、長野だけです。HRとものづくりの相乗効果を出していく為に、他の営業拠点の近隣に製造拠点を置いていきます。そして、その主要な手法がM&Aです。
こんな説明をしています。
それに対しての質問でした。
この質問に対しての答えは、
当社のM&Aの対象は製造業全般です。
一般的なM&Aであれば、同業他社や上流工程、下流工程の企業を買うことが多いのですが、私たちはものづくり企業であればその業種は問いません。
その理由がこうです。
会社を売る意思のある企業が抱えている課題として、
・事業承継者がいない
・技能承継者がいない
この2つが挙げられます。
ある会社に訪問した際に、70代の経営者の方が仰っていた言葉が印象的でした。
あらゆる手を使って、技能承継の為に求人をかけてみたが、全く集まらない。世の中から20代、30代の人は消えてしまったのではないだろうかと感じている。
こんなことを言われていました。
その通りだと思います。
私たちは、事業承継者問題及び技能承継者問題を解決します。
特に、技能承継者問題については、当社の営業拠点があるエリアにおいては数十人から数百人の生産推進グループ社員が在籍しています。
その平均年齢は30才。
ということは、そのほとんどが20代と30代なのです。
その中から、社員のキャリアアップの1つの方法として、M&Aした自社工場へと配属になる。もちろん、その工場の職種については、初めて取り組む場合がほとんどです。
そこが生産推進グループ社員の真骨頂。
1から覚えていくんです。
誰もが1から全てを覚えてきています。経験者、職人、工場長、みんな最初は1から、いや0からのスタートをしています。
しかも生産推進グループ社員は、日本を代表するような大手企業の製造現場での経験を持っています。
SQCDについての学びを持った人財です。
そういう社員が、心の軸を持った社員が配属されていきます。
技能承継者問題を、三陽工業は解決することができます。
何のためにM&Aをするのか
一言で言うと、生産推進グループ社員の活躍の場を広げていく為です。
その為にM&Aをする。
心の軸を持った社員が配属され、学んでいき、戦力になる。
営業拠点の近くに製造拠点があることによる相乗効果は大きいです。
ちなみに、当社の長野営業所は長野工場と同じ敷地内にあり、かつ工場は自社物件ですので、実質賃料もかかっていません。
副産物
長野工場は、元々M&Aをした子会社でした。
三陽工業が子会社を吸収する形で生まれた工場です。
M&Aの為に何度か訪問をした際の話です。
お昼ご飯の為に、少し車で走りました。
そうすると、車で数分の所に大手企業の工場があったのです。
すぐに、当時最も近隣だった岐阜営業所の所長に連絡をして、営業活動を行うようにお願いをしました。
そして、その企業との契約が成立。
人数も増えつつあった所で長野営業所が開設されました。
M&Aで工場取得→近隣での営業活動→営業所設立
という三陽工業で唯一のケースです。
行動の量があれば、こんな副産物も生んでくれます。
そして、これからも大いなる可能性を秘めています。
安定=応用を効かす
安定という言葉でどんなイメージをしますか。
きっと多くの人が、動きが少ないこと、そんなイメージを持つのではないでしょうか。
業績が安定する、といった使い方をしますが、業績が安定しているのは、どんな行動を取っているからでしょうか?
右肩上がりの時代は、同じことをずっと続けることができました。
仕事量が右肩上がりで増えているのですから、当然そうです。
今はどんな世界ですか。
ANAで夏の賞与が0を組合に申し入れた、そんなニュースがありましたが、そんな時代を誰が想像できたでしょうか?
客室乗務員をやりたくて入社したのに、スーパーで働くことになるなんて。
コロナ禍は、多くの人の安定を削いで変化をもたらしています。
客室乗務員→スーパー勤務
ここで何を思うか。それでその人の成長は決まってきますよね。
客室乗務員だけをやっていては見えないことが、スーパー勤務で見える場合があります。様々な通常時ではできない体験ができるはずです。
どんな環境下にあっても、考え方1つでそれは作業にも学びにもなります。
確かに、自分で誇りを持っている仕事以外のことをやる時には、プライドが傷ついたりもするでしょう。
でも、何のために仕事をしているのか。
目の前の仕事は全ての目的なのか。
ある人は家族の為に、ある人は自分自身の為に、ある人は周りの為に、目の前の仕事を通じての目的の為に仕事をしているはずです。
そう考えると、明日から何かが変わったとしても、そこに柔軟に変化できるのではないでしょうか。
柔軟に対応=応用を効かす=安定した成果がでる。
今の時代は、高度経済成長期ではありません。
この目まぐるしく変わる時代についていきます。
本日もありがとうございました。