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「『変わらなきゃ』という気持ちが強かったですね」挑戦を重ねた先に見えてきたものとは?

下妻に本社を構え、茨城県下で複数の事業を手掛けるM’sグループ。
今回は同グループの代表を務める峯 亮さんに、日常から大切にしている心がけを伺いました!


―がむしゃらに働いて事業を立て直しました(笑)


―峯さん、本日はよろしくお願いします!

よろしくお願いします。

―さっそくですが、M’sグループはどのような事業を手がけているんでしょうか?

M’sグループはグループ内に複数の会社・事業があり、その一つである有限会社峯商店はM’sグループの誕生以前から存在している、いわばグループの中心的存在です。現在は下妻、筑西、つくば、土浦の4営業所で、宅配事業と自動販売機設置事業に取り組んでいますね。

―ありがとうございます。峯商店は、峯さんが立ち上げた会社なんですか?

いえいえ。私は2代目で、先代である父が興しました。父が社長の頃は、牛乳の卸売業をメインに営んでいましたね。

「先代の頃に使われていた、牛乳を運ぶための容器です」と振り返る峯さん

―なるほど!もともと事業を継ぐ予定だったんですか?

実は公務員を目指していたんです。でも大学を卒業するタイミングで、父親から「事業を継いでくれ」と懇願されまして(笑)。急遽進路を変えて峯商店に入社することになりました。

―そうだったんですね…!

それからしばらくは父の下で働いていたんですが、経営状況が思わしくなくて、「このままだと倒産するかも…」というところまで追い込まれたんです。そんな状況下で、27歳のときに経営をすべて任されるようになりました。

―大変な時期に事業承継されたんですね…!

会社を立て直すために、とにかくがむしゃらに働きましたね。大袈裟じゃなく、1年のうち360日くらいは働いていたかもしれません…(笑)。

―すごい…!どのように事業を立て直していったんですか?

卸売業だけだとほとんど利益が出ていなかったので、宅配事業に注力するようになりました。そちらがなんとか軌道に乗って、少しずつ事業を拡大していったかたちです。最近だと、つくば市にインターナショナルの小規模認可保育園をつくりました。

―これまでの事業とはずいぶん色合いが異なりますね…。どうして保育園の運営に乗り出そうと思ったんですか?

つくば営業所のほうで、新たに雇用を生み出せないか…とあれこれ模索していたところ、社員の一人が英語教師の資格を持っていることがわかったんです。

―その資格を活かしたのがインターナショナル保育園なんですね!

そうです。それにつくば市は海外出身者が多く、子どもを預けられる場所が少ないという課題があったので一石二鳥と考えたんです。

―「接客」の大切さに気づいた


―幅広く挑戦されていますね。

フランチャイズビジネスを興味を持って、いろんな企業の説明会を聞きにいった時期もありました。

―すごく興味深いです!気になる会社はあったんですか?

美容院のフランチャイズを手がけている企業の話に興味を持ちまして。「静岡なら出店できるよ」とお誘いいただいたことがご縁で、美容院を運営していたこともあります。

―美容院まで運営されていたんですね!しかも静岡…!

もちろん迷いもありましたが、「静岡で仕事をするチャンスなんて今後ないだろうな」と思って、こちらの仕事は従業員に任せて、3年ほど下妻と静岡を行ったり来たりしながら美容院の経営に携わっていました。

―宅配事業とはまったく異なるので戸惑うことも多かったんじゃ…?

でも得るもののほうが多かったですね。実は「接客」の大切さを実感するエピソードがあったんです。

―「接客」ですか。

当時、静岡で3店舗運営をしていたんですが、そのうちの1店舗が「絶対に売上が立たない場所だ」とフランチャイズの本部から言われていたんです。

―いきなり難関ですね…。

私としてはその話を聞いた時、むしろチャンスだと捉えました。もしここで売上を立てることができたら、商売に自信が持てると思ったからです。

―たしかに…!

さっそく原因を探ったところ、美容師がお客さまと誠実に向き合っていないことが大きいと感じました。そこで、お客さまが心地いいと感じる接客を徹底するように、美容師と話し合ったんです。

―そこで接客の話につながるんですね!具体的にはどんな取り組みをしたんですか?

たとえば「お客さまの名前を覚えて話しかける」「待たせてしまっていたら飲み物をお出しする」といったアクションです。結果、多くのお客さまから評価をいただき、美容師も指名がどんどん入るようになって、県内の売上ベスト10にまで入るようになったんです。

幅広く事業を展開するM’sグループ

―みんなの幸せを考える

―その成功は自信につながりますね!

そのときに学んだ「接客」の大切さを峯商店の経営にも活かそうと考え、現在「みんなの幸せ運動計画」という活動を推進しています。

―ステキな活動名です。どんな活動なんでしょうか?

まず、宅配も自動販売機の設置も、「サービス・接客業」として捉えようとスタッフに呼びかけました。そして、お客さまとお互いの名前を言い合えるような関係性づくりを目指しましょうと。

―(活動内容もステキだなあ…!)

どの地域も高齢者が増えてきていますから、親しくなれると日常の中で安否の確認ができ、安心して生活できるようになると思うんです。コロナが落ち着いたら、また積極的にコミュニケーションを図っていきたいですね。

―すごく大切な取り組みだと感じました。ところで、峯商店の事業以外にも、地域貢献の活動にも取り組まれているそうですね。

「ライオンズクラブ」という世界最大規模の慈善団体に所属していて、今は下妻地域の会長を務めています。こちらでは「良い行いをすれば必ず帰ってくる」という意味を持つ「善因善果」という言葉を掲げて活動していますね。

―こちらもステキな想いを持って活動しているんですね!具体的にはどんな活動をされているんですか?

地域社会への貢献活動がメインですね。たとえば近隣の小学生たちを対象に行われるバレーボール大会に協力したり、災害時のボランティア活動をしたり。清掃活動に取り組むことや、献血活動を支援することもありますよ。

―峯さんは会社でも慈善団体でも全体を見る立場だと思いますし、周囲への気配りをすごく大事にされている印象を受けています…!

そうですね。あとは、常に公明正大でいようと心がけています。自分の感情や指針を置いて、誰に対してもフェアな姿勢で接していきたいですね。

―「変わらなきゃ、変わらなきゃ」


―ここまでお話を聞いていて、峯さんは「変わること」をすごく大切にされていると感じました。

実は小さい頃から、自分にまったく自信が持てなかったんです。

―えっ!とてもそうは見えないです…(笑)

大学生になった頃なんて、引きこもってずっと漫画ばかり読んでましたよ(笑)。でも、「このままじゃヤバい」という気持ちが芽生えてきて。それで大学時代は友だちと一緒にウインドサーフィンを始めたり、オートバイを買ったり…。

―すごい変わりよう…!

フルマラソンに出たり、佐沼を5km泳いだりもしました(笑)。

―峯さんが引きこもっているイメージが全然想像できません(笑)。でも、そうした想いや経験が、今の峯さんをつくっているんですね。

「変わらなきゃ、変わらなきゃ」と思い続けているうちに、いつの間にかアクティブな生活スタイルに変わっていましたね(笑)。あと、誰かの「いいな」と感じたところは、積極的に自分のものにしようとしてきましたね。

―人を参考にするのは大切なことですよね。

「人の真似ばっかりで自分がない」と悩んだこともありましたが、そうして出来上がったものこそが自分だと考えるようになってからは気持ちが軽くなりましたね。

―すごくステキな捉え方です…!

あと、人以外だと社会を観察するのも好きですね。

―社会の観察、とても興味深いです…!

たとえばファミリーレストランの看板は、昔は10m以上の高さにあることが多かったんですが、ビルがたくさんある場所だと目立たないんですよね。

―頭の中でイメージしてみましたが、たしかに…!

それはアメリカのように、周りに何もない広大な大地だからこそ目立つのであって、昔の人はその点を深く考えずに日本に持ち込んだのではないかと仮説を立てたんです。

―その仮説は正しい気がしますね!

確認したわけではないので、あくまでの自分の想像ですが(笑)。だから自分のお店を出したときは、業者の方に看板の位置を低くするようにお願いしました。

―常に疑問や課題を持って、それらを改善するために「変わらなきゃ」と考えるようになったんですね。

変化の激しい時代ですし、これからも変化を恐れずに進むことが大事かなと思っています。

―会社や峯さんご自身のさらなる変化にも期待しています。

私自身は、会社は個人で所有するものではなく、みんなのものであるべきだと思っています。峯商店は父の代から数えて約60年の歴史がありますが、一族経営にこだわっているわけではなくて、むしろみんなでつくっていく会社を目指していきたいんです。

―「みんなでつくっていくんだ」と言われると、社員のみなさんも嬉しいでしょうね!

だから、スタッフ一人ひとりが自分のやりたい仕事と一生懸命に向き合うことができて、夢をかなえられる。そんな会社を目指していきたいですね。

「みんなのための会社でありたいです」と峯さんは力強く話します。

―すごくかっこいいです…!

ただカッコつけなだけなんですけどね(笑)。でもそれを言い続けて、実践していけば、必ず現実になる。そう信じて、これからも変わり続けていきたいです。

―貴重なお話、ありがとうございました!

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