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「ドイツ歴史の旅」で思い出す その1
フランクフルトから足を延ばして 1987
サッカーワールドカップで日本がドイツに勝つという場面に感動したからか、ドイツが好きな私のドイツでの記憶が甦り、1986年出版の本を取り出した次第。サヌカイトとの旅には一人旅らしいちょっとした副産物的想い出がある。以前投稿したフランクフルトへの旅は、そこから鉄道を使っていくつかの街へ日帰りで出かけたりもした。2泊したベルリンとは別の小さな旅にも貴重な体験はある。
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その前に脇道ですがコンサートの話。2月5日にフランクフルトに着いた私は時間があるとぶらぶらしていたが、サヌカイトを展示する世界最大の楽器見本市会場のFesthalleで9日にDeep PurpleとBad Companyのコンサートがあると知った私(大きな看板があった)は前売りが判らず直接会場へ。その時のDeep Purpleは第5期と言われるメンバーだが黄金期であった第2期と全く同じメンバー(ジョン・ロード、リッチー・ブラックモア、イアン・ペイス、ロジャー・グローヴァー、イアン・ギラン)であり一時期良く聴いた私には奇跡的に巡り合ったチャンスでもあった。コンサートはハイウェイ・スターで始まりアンコールのスモーク・オン・ザ・ウォーター(みんなに歌わすところがあり嫌だった)で終わる2時間はイアン・ギランの声が良く出た素晴らしいものだったのです。ステージからは少し遠かった席も疎外感を少し感じながら冷静に聴けた。トミー・ボーリンのいた時と、デビューしたばかりのリッチー・ブラックモアズ・レインボウしか見たことがなかったので幸せでした。
バッドカンパニーのポールロジャースはギランが抜けたあとパープルのヴォーカルに入るなんて噂もあったこと、懐かしい。
本の説明をすると、西欧歴史学の教授で特に学生時代留学していた関係でドイツに詳しく、坂井栄八郎氏の最初の本です。学生時代に行った街々の愛ある思い出をもとに、ドイツ国内の多くの街の歴史書と旅行ガイドを兼ねたような読みやすい良著です。地図の中の都市名を見ていると、意外に都市の存在する位置関係を覚えていないことに驚きながら。フランクフルトについてはゲーテとのかかわりや、ドイツの首都になっても不思議ではなかった重要な都市の歴史解説が楽しい。
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フランクフルトからコブレンツへ 2月12日
日帰りであり時間は限られているので行きは特急に乗りコブレンツへ。コブレンツはライン川とモーゼル川の合流する地点で古くから船交通の要衝です。強いサッカーチームが無いので日本ではあまり知られていないのでは。しかし旧市街は美しいくワインでも有名とかでちょっと都会的、気楽なレストランで地図をみながらランチを食べた際、回りはビールより白ワインを飲んでいる方が多かった。川を眺めながら「むーっこれじゃない」と望んでいた空気ではないことに気がつき、駅に戻って時刻表を見ながら各駅停車で戻ろうと決めた。なんとなく眺めながらライン川沿いの小さな駅で降りようと乗り込む。
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のんびりとライン川を眺め山の上に見える古城をみて、感じの良さそうな街を探していると、人は見えないが湖畔にベンチがいくつか並んでいる風景が「座ったら」と言っているように思えてばたばた降りることに。その駅がサンクトゴワールスハウゼン。後で知ったのだが「妖精の岩」とも呼ばれるローレライが近く観光地でもあるようだ。
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小さな駅舎で出発時間を確かめていると、5人少年たちが賑やかに入ってきた。チョコバーの販売機があって買っている。「何処か面白いところはある?」と訊くと、英語はほとんどわからないらしく何かしゃべってくれるのだがわからない。でもニコニコしてなんとチョコを割ってくれた。とても甘いチョコレートの味を覚えている。ほかに人はいない。学生時代の第2外国語がドイツ語だったが先生の恩情で卒業できた私。
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今ならネットで調べて見て回れるのだろうが時代が違う。見上げると猫城と呼ばれる古城(今はプライベートなホテルになっているとか)少し歩いて歴史博物館の塔に上がって景色を眺めたり、整備もされていない公園でぼーっとした。最近グーグルマップで様子を見てみたがあまりストリートビューもアップされてなくて観光地として少しは開発されたのだろうか。川沿いは写真のような感じからきれいに整備されています。猫城は私が訪れた2年後日本人が購入し修復したそうです。2月ということもあるのでしょうが、下の写真の通り誰も歩いてなくて寂しさたるや最高でした。
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3時間ほど街に居て再び鈍行にてフランクフルトへ夜遅く戻った。その2はハイデルベルグへ コブレンツの前々日なのですが。ちなみにフランクフルトでの宿泊はフランクフルターホフと言う良いホテル。大きく古かったですが今は立派に改装されている。メッセにも旧市街にも歩いていけたのですが、あまりホテルにいる時間が少なくもったいなかった。あまり記憶がありません。