金山サヌカイト 石器材料として その1
香川県坂出市郊外に在するさほど大きくない標高281mの金山を歩いていると、普通に上の写真のような石が見つかる。掘ることもなく転がっているので苦労もない。私は金山のサヌカイトで楽器を作っているが、全体が遺跡なので保存するべき大切な山として長く関わっている。
金山のサヌカイトは訪れる人が必ず驚くほどの量が存在するにもかかわらず知られていないというか、私の宣伝が足りない(するきもない)のかもしれないが、山が荒らされるのも防がなくてはならない。とにかくいたるところに石器を作っていた跡や採取場所がある。
考古学は発見により変わっていく。上の新聞記事が出たことにより、金山のサヌカイトが知られるようになったのだが、金山東斜面(けいの里あたり)のサヌカイトが他の山のサヌカイトに比べてとても広範囲に伝搬し使用されたにもかかわらず、今でも香川県人にとってもサヌカイトは五色台なのです。
私は小学生の頃から考古学者に憧れていて、ちょうどツタンカーメンやトロイの発掘物語の人気があって、吉村作治さんが若く早稲田大学のエジプト考古学隊の話をし始めた頃です。学校の裏山にも古墳がいくつもあり、掘れば須恵器の破片がみつかりました。結局、仕事にする事は出来ませんでしたが本はたくさんあって、この歳になって役立っています。(見た目にですが)
香川大学が金山を3年にわたり発掘調査したのが2009年からで、多くの石器材料採取地が見つかりました。多いのは縄文後期から弥生時代にかけてで、調査時は旧石器時代は少なかったのですが近年ポロポロ旧石器時代の石器が見つかっています。今後の調査次第かもしれません。
金山のサヌカイトだけが広い範囲に運ばれたのはその割れかた硬さなどの特徴故ですが、単純に言うと稲作の道具に最適であったと言うことになります。それと量がやたらと多いのです。
また、その2にて