昔の音楽紹介と現在 Remembering Miles / Jimmy Cobb
今回は現在から
先日ネットのニュースを見ていたら「NYの日本人ピアニスト暴行で大けが ファンら支援金」という記事が目に留まり、見てみると暴行を受けたのは海野雅威さんであることが判りびっくり。昔の音楽紹介で海野さんの名前を上げていたので絡めて投稿。
ニューヨーク市警によると、事件があったのは9月27日午後7時半ごろ。仕事を終えて自宅近くの地下鉄駅で降りたところ、改札にいた10代とみられる少年から突然、殴りかかられた。駅構外に逃げた後も追いかけられ、少年少女8人ほどから暴行を受けた。「チャイニーズ」と話す声を聞いたという。容疑者の逮捕には至っていない。海野さんは事件後、目撃者が呼んだ救急車で近くの病院に運ばれ、右肩の骨折や全身の打撲と診断を受けた。命に別条はないが、全治は未定で、1週間以上たったいまも痛みがひかない状態という。
海野さんの事を知ったのは、2011年にリリースされた「プレイズ・ジャズ・スタンダード ~ソロ・ピアノ~」という彼のピアノソロCDをプロデュースされた伊藤八十八さんから頂いてです。頻繁に事務所で流していたが今、久しぶりに聴いて優しく気持ちよく心が落ち着くのを再確認。同時にジミー・コブのアルバムも(同時期伊藤さんから頂いた)懐かしく思い出した。伊藤さんは2014年に逝去されましたが日本を代表するジャズ・プロデューサーで、SONY時代にサヌカイトでお世話になって以後、長いお付き合いでした。2013年伊藤さんがお世話をしていた軽井沢ジャズフェスティバルにサヌカイトが演奏された時、病気で来られなかった伊藤さんの為にカメラマンの宮本敬文さんが記録動画を撮っていて「なんで?どうしてここにいるのお互いに」と談笑したこと(宮本さんは2016年急死された)など頭がぐるぐるするくらい蘇る。「プレイズ・ジャズ・スタンダード ~ソロ・ピアノ~」は素晴らしいDSD録音で作られたCDで、盤も品質の高いものを使っていて、自分もそうありたいと反省した。
今回の事件に戻ると、事件後すぐにミュージシャンやファンの間で、海野さんを支援する動きが広がり、インターネットの募金サイト「ゴー・ファンド・ミー」では1日余りで約9万ドル(約950万円)が集まった。海野さんは「目に見えない人と人とのつながりに感謝している」と述べ、早期復帰を誓った。と報道されている。早い回復と復帰を念じております。海野さんの実力は伊藤さんや共演しているニューヨークのミュージシャンの折り紙つきです。募金の集まり方からも本場で愛されているんだなあと感心感服。
What A Wonderful World - Tadataka Unno - Solo Piano
で ブログに上げた記事「夜更かしさんへ」
2011年10月4日 BLOG wonderstone SANUKITEより
枯葉 チュニジアの夜 星影のステラ 私でも判るジャズの名曲が並ぶ(新曲もあり) リラックスした4人の演奏 マイルス・デイヴィスクインテットのドラマーとして1959年の歴史的名盤「カインド・オブ・ブルー」でも演奏している 地味なジミー・コブ(言われすぎてるか) 1929年生まれだからそれはそれはお歳なのだが 映像を見るととても若い 「Kind of Blue」 当時のメンバーだったマイルス・デイビス(トランペット) ジョン・コルトレーン(テナーサックス) ビル・エバンス(ピアノ) ポール・チェンバース(ベース)は 全員がすでに亡くなっている 凄いメンバーだし歴史を変えたアルバムと言われているから まさに伝説のミュージシャン でも音は堅実な職人 このCD音がよいのだが普通のCDと較べて少し重く厚みもあるのでスロットインタイプご注意
このアルバムに参加しているピアニストは海野雅威 (Tadataka Unno) 1980年生まれ東京藝大作曲科出身 すでに日本を離れてNYで活躍している このアルバムの音だけだがなんだか柔らかくて素晴らしい 昨年亡くなったHank Jonesが最も期待を寄せていたピアニストとか このアルバム全体がスムースなのはプロデューサーの意識によるモノかもしれないが 参加ミュージシャンの個性かな とんがってなく秋の夜が好きなあなたにぴったりです 夜更かししてください
海野雅威 映像が少ないので・・・