だからなにをするのか①
個人的には、障害のある人に、夢や希望や目標を持って生きて欲しいとか、障害のある方をみんな助けたいとか、そんなふうには考えていません。既存社会との間のバリアを経験する自分自身のバリア解消への挑戦だと言ったほうが妥当な表現だと思っています。
でももし、今の日本の社会や地域の課題の解決にあたる人材として、障害のある方々が得意を活かして「解決」に「挑戦」できる仕組みが構築できるなら、障害者だけでなく、非障害者にも良い効果が生まれると考えています。
だからなにをするのか①
ダイバーシティ&インクルージョンへのアプローチ
ひとつは障害理解です。
まず、非障害者同士あるいは家族や友人間で意図的に相手のことを「理解」しようと思って接しますか?わざわざそんなことしない方が多いのではないのでしょうか。何かを共同する中でしか、生まれない「理解」に重点を置いて考案中なのが、発達障害情報マガジンの障害者クーポンシステムです。
目的は、非障害者の方々と同様に街のお店や施設を利用する機会を増やして、それほど障害理解の無い方とも触れられるようにすることです。教科書には障害の属性に関する情報が多いので、ぜひ「多様」な「個性」があることも経験的に知って欲しいのです。それは個人が実感しなくては自覚できないと思います。
きっとトラブルは起こると思います。ぼく自身、職場でも特性ゆえにトラブルを起こしてしまうことがありますので、実はインクルージョンには懐疑的なところがあります。でも実は、そのトラブルを考察すること自体に、多様性(ダイバーシティ)を包摂(インクルージョン)するための要素が秘められているのではないでしょうか。少なくとも、ぼくの職場の周囲の方はそのように捉えてくださっています。そのことからも、そのトラブルの要素は、今のところ研究者や一部の専門家の中でしか扱われていないから、概念がアカデミックなものとして滞留してしまい、一般化されないのではないかと考えています。
また、利用してみたいけど障害を理由に、行きたい店やサービスを利用できない障害のある方や友人やご家族の方がどれほど多いことか。令和3年5月に民間企業も合理的配慮が「法的義務」に改定されたので、もっと街にお店にあちこちに障害のある方がいてもおかしくないのですが、実感としてはそんなに変わりはないですよね。
次回は
だからなにをするのか②
を書きたいと思います。