『毒薬』を飲んだ感想やら何やら。
ウ◯コ漏らしながら書いてます(笑)
私には祖母がいました。正確には乳母さんというか。それはまぁ良いのですが。
その方は"母屋"に住んでました。当時の我が家は"離れ"でトイレはありませんでした。トイレは母屋の外にくっついた掘っ建て小屋。
そこには季節を問わず色んな虫がいて、雨が降ったらあふれ出て、サンポールの似合う昔ながらのそれでした。無論汲み取り。深い穴。
何が困るって、夜。なるべく明るいうちに用を足して、夜はそこへ行かないよう。でもどうしても夜に行かねばならない時もある。わーどーしよー…
遠くに見える裸電球を目指して、わき目も振らずまっしぐら!オバケがいたらイヤだなと気合を入れて扉を開ける!その臭気にヤられないよう、息を止めながらエイヤッと一気に用を足し、パパッと拭いたら扉を閉める!もしはみ出してたらごめんなさい。明日掃除します…
そんな流れで、用を足して扉を閉める。ホッとして頭を上げると、思わず足が止まる。
母屋は昔ながらの平屋建てでその中に祖母が一人で住んでたんだけど、部屋の電気を消して"白黒テレビ"を観ている。平日なら洋画か時代劇か、週末なら明智小五郎か横溝正史か、それが薄く開いた障子越しで目に入る。微かに音も聴こえる。
それだけでも怖いのに、画面に惹かれてボーッとそれを観ていると、突然ガッと障子が開くから思わず声が出る!
「何だ◯◯(私の世を忍ぶ仮の名前)か…泥棒かと思ったよ…」
いやいやいや…冷や汗かきながらビュッと我が家へ戻る。トイレの後で良かった。前なら絶対漏らしてますて!
でも、その時の祖母の目は何か怖かった。暗い中でもギラッと光って、もし私が人の子だったらそのまま喰われたんじゃないか?楳図先生の作品みたいなノリで?そんなことを思い出しました…
怖いのは考え過ぎだ。こざかしい自分のメタファーを祖母に写しただけだ。そんな小さな頃からこざかしいとか考えはあったのか?でも私はウソつきで見栄っ張りでええ子ちゃんしいで、もしかしたらその偽りの姿を祖母は見抜いていて、そんな怖い役を演じていたのかもしれません。
時として訪れる心の中の底無し沼。前を向き上に飛ぼうとするタイミングで現れては、それこそ汲み取りトイレの深い穴に堕ちるかのごとく沈んでしまう。メンタルもフィジカルも…
そんな複雑な気持ちを呼び戻すようなアルバムを最近手に入れました。イントロが長過ぎました。ごめんなさい…ごめんなさい…
『 #オマエにゃ毒でも私にゃ薬じゃい 』
通称"毒薬"歌うのは何度かここにも書いている、仕掛け人 #THOGO さんの最終兵器 #つむごき( #ガチバン #サジパカゴキ )さん!
歌ってよし脱いでよし。トラメガ片手に暴言吐きまくり、放送禁止用語いや"滅びの呪文"もいとわぬ無敵の存在。電気GROOVE、ザコシさんに続く、静岡が産んだクレイジーTMGK!!!
そのアーティスト活動への取り組みは誰よりも真剣で、勝っても負けても涙を流せる熱血漢でもあり、そのピュアハートがいじらしいステキな方。
そんな彼女が、過去に歌い上げた色々を一枚にまとめられました。そう一枚。今どき配信で無くちゃんとCDに。ジャケットも凝って歌詞カードもペライチで無く冊子にまとめられた、そういうところからクオリティの高い作品です。
何たって、タワレコさんでも売る位ですから!でも歌詞カードはその滅びの呪文だらけですが(笑)ジャケットも予約特典のポスターも色々アレでモザイクですが(笑)何ら媚びること無く。
一つ残念は、せっかくタワレコさんのサイトにその特典付きって書いてあったから通販で申し込んだのに、デザインがアレだから郵送はアカンって送られて来なかった。まさかの『わいせつ物頒布等罪』に引っかかるとか???
ということで、誰に頼まれた訳でも無いですが、ここにそのレビュー的なものを書いていこうと思います。よって"ネタバレ"なので、気になる方は以降読まないで下さい。逆にまだ手にされてない方には、それを手にするきっかけになればと思います…共有出来る方はぜひ共有しましょう♪
本当はご本人に読んでいただきたいところ、そんな長いの送り付けて来るな!とのことでしたので、誰にも邪魔されないこの場を使って消化します。一部は妄想、意訳、拡大解釈もあるハズなので、話半分で拾っていただければ幸いです…
何より、秘密基地はじめライヴで歌われるシーンよりCDのその声は力強くそして可愛らしくも感じられる、そのギャップが面白いです。そりゃスタジオ使ってますし、トラメガで無くてマイク通してですからね。
ただ声に表現力が無ければ何も無い訳で、上手下手はともかく印象的な歌い方をされているのは確かです。
そしてエライのは、全曲ご本人の作詞作曲。So!彼女はシンガーソングライター(SSW)でもあります。一体いつ頃そのセンスを磨かれたのか、とても気になります。
そのリリックは叙情詩であり即興詩で何とも味わい深いです。するとMCバトルやR-1というより、案外流行りの #ポエトリースラム に立たれるとイケるかもしれません。
要は、彼女の人生が歌詞カードそのまま(笑)10編のラジオドラマを楽しむ感覚で聴けたら良いと思います。
踏みにじられた過去
切りきざまれる日常
闇にはばまれる未来
そんな淀み濁る世界から一体何が見えて来るのか…
その1曲目から4曲目までは、彼女の過去を追うような展開。かさぶたをめくる、傷痕に触れる、命のロウソクを測る、そんなキリキリした中でもどっこい生きてる生きてやるという胆力も感じる、意外に同性からも共感される歌詞が魅力です。
『 #4C買うおっさん 』
(4°C買うおっさん)
いきなり昭和感のあるノイズ系。そのシャウトの大半は、マスプロに火を吹くアンチコマーシャリズム!タイトル含め、曲中で一体何社ディスられてるのか。しかも滅びの呪文も重ねながら。その内容も書きたいけれど、そうするとここが閉じてしまう(苦笑)
そういえば誰とか書かないけれど、昔その相手をした女性一人一人に対して、
かけた予算÷♂♀した数=(一回についての予算)で費用対効果?を求め続けた友だちがいました(笑)歌詞を追いながら、何か彼のことを思い出してしまいました…
『 #超ゴキブリ天国 』
サブタイトルは〜タヒぬくらいならゴキブリ食う〜。彼女が今日この位置に立つテーマ曲的な。この一曲を聴けば彼女の全てが分かる、まさしく聴く #街録チャンネル !?
「てめえの天下を守るため」落ちこぼれた平成ギャルの成り上がり序曲。
確かに下品は下品だけど、聴くたび力がみなぎって来ます。
青春は三十路から…
鋭い目線でツッコミます…
頭のいいフリしたきゃボケろよ…
気が弱いから毒を吐く…
そのパワーワードは平成令和を波風立てずに生きようとする、そのくせSNSとかでしか虚勢を張れない"しょっぱい"存在そのものを壊しにかかる。それこそがSSWでありライヴアーティストの危害を恐れぬ気概。
死んでからじゃ遅い
棚に置いて皆言う…
◯◯◯◯!!!
ここまで言い切ると哲学です。御託を5択で並べてんじゃねぇ!この1択しか無いだろう!そのリビドーこそアーティスト活動の源。
だから◯◯◯◯はステージで、あるいはそれを聴く車中で街中で、その瞬間はぜひその場で叫んで欲しいと思います。こんなのがラジオから流れる日が来て欲しい!そして、松本明子さんにも歌わせたい(笑)
『 #蝶々のプロになりたい 』
"蝶々"はミヤコ蝶々さんのことで無く、プロレスラー #松山勘十郎 選手の演出に欠かせない、歌舞伎テイストな"蝶"の付いた"差金"のこと。
彼女が何かしらでそれを振る役目を仰せつかりつつそれをこなすことに往生した流れから、その人生を「光らせるプロになりたい」男たちの光を操って自らも光る蝶になろうという志の高さが救い。でも結局「光る指にしか止まれない」芋虫のまま何も見えてなかったという虚しさ。
因みに"光る指"とは彼女のタニマチ的な方のペンネームでもあり。だから感謝を込めて、色んな曲にそのワードは出て来ます(笑)
家紋COMEON!準備はバッチリ!
鱗粉キライ!リップもバッチリ!
昼行性にならないと、中高生から危険性!
この辺りのライム、韻の踏み具合ムイビエン!家紋COMEONは家柄で選ぶということですかね?蝶自体が家紋でもあるからその血気を語っているのですかね。
あと"昼行性"なんて言葉もなかなか出て来ませんよ。てかこういうのって、歌詞カード見て初めて気付くところが多々ありますね♪
『 #腐った魚 』
今回一番好きな曲。原案は彼女も属する『ガチバン』の一ユニット『 #汚れなきティッシュ 』からの戦友 #風間寛治 御大の"女歌"から。
「腐った魚が子宮から生まれた」ツカミから最高のワード選び。古来女性は海の象徴であり、人間の体液は海の成分に近い。確かに月に一度、その香りから郷愁に誘われることもある…
風間御大が自身のライヴなどでこの曲を弾き語る時は、その世界観を分かっているのもあるがものすごく切なかった。彼自身が役者というのもあるが、近松物にも通ずる戯曲。刹那の美学。
だから例えば大将 #間々田優 さんが歌ったらどうなる?誇張し過ぎた『 #五反田嬢 』みたいな???
あるいは #中村ピアノ さん?世の女性たち皆それぞれに歌われたら一体どんな世界が生まれるのだろうと思います。それをカラオケで楽しめるのが令和の世です…
私は何も変わらなかった…
でしょうね…でしょうね…
狂った人生幸せでした…
だろうな…だろうな…
これはただのモノローグなのか、それとも第三者との掛け合いなのか。そのリフレインで自らを納得させるあるいはなだめる、月に一度ドロドロを吐き出す時にその言葉も吐き出していさめる、おまじない的な要素もあるかもしれません。
一生残る黒歴史下さい…
本当は…本当は…本当は…本当は…
何もいらない…
その人生がシンドイままだと結局その闇から光を見出すというか、自ら折り合いを付ける意味で"黒歴史"として嘲笑しながら語るしか無い。「東京の女はおっさんのカネで生きている」そう言い聞かせながら。
ただそれは敗者の美学であり、それ以上もそれ以下も無い。何もいらない、だからこんな風にsantoは面白おかしく書き立てるなと。遠い砂浜の底で静かに眠る貝でいれば良いという思いでしょうか…
そしてその5曲目から8曲目。こちらは彼女の現在から未来というか、比較的前向きな?何か楽しい曲が続きます♪
『 #ホープ軒 』
そんな中でこの曲はメロウ。でも決して悲しくなくて、純粋に生きてることを喜べる、そのこそばゆさも存分に楽しめる、遅れて来た青春ソングみたいな。
何より仕掛け人THOGOさんとの触れ合い、そして活動を通じて巡り合った仲間との触れ合い。それがきっと長らくの闇から抜け出すきっかけ。
その温かな光は、ご存知老舗のラーメン屋さんにあった。リハーサルなんかの後でTHOGOさんに連れられここで一杯食べて、さぁ明日もあるから解散しましょうという時の気持ち?
そんな感覚は私にもありました。中学生の頃にいつまでもその家の玄関前にたむろって友だちとくっちゃべってたり、仕事仲間やサークル仲間とどこかのファミレスや居酒屋でシメて帰る時とか。BSPさんで飲む時もそれかな?
確かに子供ぽい。でもそれをオトナになっても続けられるのがまた良い。1曲目の世界とは何か真逆な感じです。
『 #魔界村 』
『 #シン魔界村 』
『 #魔界村TheFinal 』
出ましたこれが"山梨三部作"(笑)THOGOさんの地元でもある山梨(甲府近郊)をなぜか"魔界村"になぞらえて、そこに連れられた彼女がそのインスピレーションで生み出したドロドロをコネコネしたらこうなりました!?
特徴として、おなじみ元・迷惑系? #織田ドリル さんがあちこちに出て来ます!特に『魔界村TheFinal』では彼の"癖"みたいなものが続々と紹介され、なかなかツボです(笑)
あと先ほどの"光る指"さんも出て来ます。そして地元の銘店や行楽地も色々!因みに『魔界村』は幻のPVがあるので、それが見れたら何かしら見えて来るかもしれません!?
この曲意味わかんないでしょ…
私もバグッてきたの…
何でこれ作ったか…
私も覚えてないの…
この辺りは『シン魔界村』の歌詞に集約されています。歌詞カードを熟読しても分からないことだらけ。100%理解出来るのはその時に同行された方々、いやそれこそTHOGOさんだけかもしれない(笑)
と言いながら、密かにこの曲のどれかが山梨あるいは甲府のイメージソングになったら痛快ですね。こうなりゃ #ぴっかり高木 さんに『山梨住みます芸人』復活してもらって、YBSやFM富士でヘビロテしてもらいますか(笑)
そして残り2曲。まさにTHOGOさんや仲間の友情パワーも得て、壁を乗り越え未来に挑むパンクスピリッツ!?
『 #不幸デパート 』
みんなが大好き絶賛不幸自慢…
ぶっちゃけだせぇよF'k you G'MEN…
実際に不幸自慢の方々から聞かされた様々な不幸話を並べて、笑いながら供養しましょうみたいな曲。
確かにダサい。浪花節で拾ってしまうとこちらがバカを見るというか、聞くだけムダだった…この時間を返せ…みたいなのは、令和の世でも良くあることと思います。
ネガティヴからは何も生まれない。そもそもそんな戯言はG'MENすなわちお上にぶつけて消化(昇華)してもらえ?
と言いつつ、THOGOさん的な考え方だとそれはナンセンスで、自分を高めてお上とタメが張れれば良い!というのが理想的みたいです。
背中を押しますね!気分どうですか?
意識ない?記憶ない?
それはおめでとう!
不幸自慢の方々は結局それを吐き出して相手に禅問答を唱えながら、自分自身はそうして相手を悩ませているという意識は薄く、そういう意味ではそのヴァーチャルを現実として突き付けてみるというのは完璧な対症療法かもしれません!?
『 #私は悪くない 』
ごめんなさい…ごめんなさい…
これだけ滅びの呪文唱えて悪態付いて罵詈雑言並べて、最後の最後に反省ザルかよ(笑)
しかしなぜか #NACK5 でヘビロテされる、アルバムのシメに相応しい名曲。まぁ他の曲があまりに流しづらいというのもあるでしょうが(笑)
歌い方と歌詞のギャップ萌えは、例えば彼女の好きな戸川純さんあるいは大森靖子さん、それともいにしえの森田童子さん風かもしれません。
私が私をもう分かんないよ…
訳分かんなくて、タヒんだふりしてる…
何にも言わないと無かったことにされる…
今すぐぶっこわしてよ、部屋のもの全部捨ててよ…
せっかくパンクス貫いて前を向いて来たのに、すっかりフィードバックかフラッシュバックかダウナー入ってしまったよな。でもこんなノリはあった!思わず昔ODで苦しんだ自分自身にもなぞらえる。
色んな不条理を抱え込むと、そこにぶつかる気力も失われる。自身が光を浴びることも面倒になる。光も影もあるのが組織と考えると、影を演じ切る度量も無ければ組織にいる必要も意味も無い。
どうしてこうなった…
どっから道外した…
私より私のこと知ってる人もいるのに…
そんな道を外れるポイントは誰より自分自身が知っているハズ。娼婦を選んだ自分。ゴキブリ頬張る自分。夜にしか羽ばたかない自分。
そして、たとえそれを知ってても教えない、言わない方が大半と思う。結局その"私"に乗っかることが面倒臭い。言ったところで聞く耳を持たれないオチ。それこそが再び深い穴に堕ちて行くスタイル。ならば…
私は絶対悪くない…
私の謝罪なんて信じるな…
ただ開き直るのみ。開き直って生き続けるのみ。その黒歴史たちを笑ってやり過ごして、その謝意や遺憾を滅びの呪文に紛れ込ませるのみ。吐いた唾を飲み込む、それが彼女のスタイル。その謝罪を受け入れるか否かはあなた次第…
ということで、書きました10編のラジオドラマ。毎度意図的に長く書いてますごめんなさい…ごめんなさい…
てか、やはりワードを分けたらダメですね。何でもそうですが、一曲一曲、一字一句その歌詞を追いながら聴くべき!
ここにリンク貼ってみました。他の通販や音楽アプリでも購入出来ますが、何よりCDとして欲しいですね。
そして、せっかくNACK5でかかるなら、何かしらの音楽雑誌でもフィーチャーされて欲しいですね。そうすれば、私のここまでの駄句駄句で無くちゃんとヒストリーに乗っかった、素敵なレビューを読ませて下さると思います。
更に途中『腐った魚』のところにも書きましたが、誰かがカヴァー出来たら面白いですね。本当に何も媚びてないからカッコええブルースです。
てな感じです。紆余曲折を経てご両親とも仲を取り戻して彼女の新たなコーダが始まった訳で、その調べの届く先はこれからも遠くから眺めておきたいと思います。まさかのワンマン◯ライヴとか出来たら革命。そのブームの先取りとして、ここに書いておきます(笑)
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