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【オーストリア日記】おもしろ生徒

うちの門下には約40人の生徒が在籍しています。

趣味で楽しんでいる生徒からコンクール頑張りたい生徒、何かのイベントでピアノを弾くのを目的としている生徒まで幅広し。

そんな私の門下のモットーは【たのしく続ける】

なのでニート精神旺盛で仕事に行きたくない騒ぎをする私も、レッスン中は楽しく過ごしています。

特に楽しみになっているのは生徒観察。

もちろん生徒のピアノがどれだけ上達するかも楽しみですが、なにせうちの生徒は おもしろ生徒が揃っているので楽しませてくれます。

今日はそんな一部をご紹介。

ふてくされ鼻歌生徒

今学期から私のもとにきた紳士な少年。

一年だけ他の先生の元でピアノを習っていたらしく、楽譜は読めますの状態で10月から一緒にレッスンを始めました。

とにかくお父さんもお母さんもしっかりしたお方、「この親にしてこの子あり」の良い意味バージョンで、子供もしっかりしています。

ときどきうっかりさんなところも炸裂してくるけれど、基本的に真面目一直線。

どうやら去年まではハ長調の曲ばっかりを弾いていたようなので、練習も兼ねてバッハのメヌエット ト長調提案してみました。

普段はNein (No)といわない彼ですが、今回ばかりは
無理…難しそう。いや、難しい…
と、ふてくされ拒否モード。

いやいや、いつまでも同じレベルに留まってちゃだめだよ!と押すも、曲が気に食わないのか絶対手をつけようとしない。

無理やりやらせてもなぁと諦めていたところ、向こうも仕方ないと思ったのか、ふてくされつつもレッスン内で譜読みを始めました。

まぁ難しいよね。初めてのト長調だもんね。
と宥めながらその日のレッスンは終了。

じゃあまた来週と送り出してレッスン室のドアを閉めた矢先、彼の鼻歌が聞こえました。
しかもメヌエット ト長調。

え、好きじゃん!?😳
そんな鼻歌のテンションじゃなかったじゃん!?

と思いながら、そっとドアを開けて鼻歌を盗み聞きしました。
ご機嫌だねぇ、と思いながら一安心。

その後、彼の鼻歌メヌエットは2週間くらい続けて聞くことができました。

今ではメヌエット大好き少年に昇格し、今週からモーツァルトのメヌエットに挑戦中。

鼻歌、お待ちしてます。

年中ジングルベル小僧

うちの門下はやたらとクリスマスソング好きが多い。
その代表格が、年中ジングルベル小僧。

普段は小僧よりも少年という響きを好む私だけど、この子は本当に小僧。

毎度レッスンの前後にイタズラをかましては、お母さんにがっつり怒られている小僧。

今年からピアノを習い始めた5歳の彼は、1回目のレッスンからジングルベルについて熱く語ってきました。

この時9月。
まぁクリスマス近いしね🎄いいよね、ジングルベル。
のスタンスで、ぼちぼち一緒に楽譜を見ていました。

ただ始めたばっかりで楽譜も読めない彼にジングルベルはなかなかの難曲。
というわけで、今年は私がピアノ、彼は歌…というパート分けで決着がつき、無事にクリスマスを迎えました。

クリスマス休暇後。
1月末に発表会を予定している我が門下では、この時期から わっ とみんなが忙しくなります。

ジングルベル小僧も例外ではなく、発表会で弾くべきロシア民謡の連弾の曲を練習していました。

そこそこいい調子だけど、決してジングルベルのことは忘れず、毎レッスンでジングルベルのことを熱心に語ります。

そんなに好きか!!と思いながらも話を聞く私。

時は過ぎて迎えた発表会当日。
トップバッターの彼。

舞台に上がる直前、ちょっとちょっと…と彼に手招きをされ耳を傾けると

ねぇねぇ、ジングルベル弾いていい?

え!?😳😳
ジングルベル!?
弾けないでしょ!?練習したの!?

と聞くも、うん!🙂と澄まし顔で自信満々な彼。

お母さんに聞いていい?と確認すると、いいよ!とやっぱり自信満々。

すいません、息子さんジングルベル弾きたがってるけどもしかして練習してきました?
と確認すると、お母さんも
は😳!?
という顔…

あ。と察する私。

結局お母さんと私に諭され、準備してきた曲を弾くことになりました。

いや、そこまで好きなんかい!!
と思ってちょっと笑いました。

微笑ましいな、と思った矢先に
次の発表会(6月)はジングルベルを弾く🎅!
と宣言されました。

真夏のクリスマス。
弾きたい曲を弾くのが一番だよね…

さらっと毒づき少女

さて発表会も無事に終了し、生徒の親御さんともご挨拶。
生徒たちにも、頑張ったね!よく弾けたね!と声をかけて回っている時のことでした。

最初はやる気0に近かった少女と親御さんにご対面。

この少女とっても真面目で良い子なのですが、前の先生との相性がイマイチだった模様で、モチベーションが下がってしまっていたようです。

最近頑張ってますね〜☺️楽しいのが一番です!
と、声をかけたところ
前の先生クソ(scheisse)だったから!
と彼女の口から一言。

まじか…😳

呆気に取られる私、慌てふためく両親、それを横目に笑う少女。(ついでにその隣には真顔の私のパートナー)

楽しいのが一番。楽しそうでなによりです。
でも私の元を離れた時に、私のことクソ呼ばわりしないでね…😇

大人8歳

精神年齢80歳くらいの、8歳の生徒がいます。

時たま高いところから落ちて骨折する子供らしいハプニングを起こすかと思えば、哲学的なことを言ってくる不思議な生徒です。

発表会の曲決め。時は11月。
さーて、なに弾く?いつも弾いているエチュードでも弾こうか?
と提案したところ、
いや、これ子供っぽいから嫌。クリスマスソングにする🎄

いや、あんた8歳でしょ。子供っぽいってなんやねん。
ていうか発表会一月なのにクリスマスソング弾くんかい!!

っていうツッコミどころ満載な回答をしてくるような、おもしろ生徒さんです。

そんな彼の1回目のレッスン。

お父さんに教室まで送ってもらった彼は、帰りのお迎えもお父さん。

レッスン後に、もうお父さんお迎えに来てる👨🏻?と聞くと、多分駐車場にいる。とのこと。

初めてのレッスンだし、外はすでに暗いし…駐車場まで送っていこうか?と聞いてみました。

すると、
僕の人生8年の中で、お父さんの車を見つけられなかったことは2回しかない。
それは外がとっても暗かった時と、僕が風邪を引いていたとき。
それ以外は何事もない限り、見つけられないということはない。

…と言いながら、さよならも言わず教室を去って行きました😦

そうですか。じゃあまた来週ね。
と1人でレッスン室のなかで呟きました。

さよならは言ってから帰ろうね😇

【番外編】とびかかり犬 ちゃーりー

生徒のおうちの犬、チャーリー🐶
おそらくカタカナで書いた方が分かりやすいけど、なんとなく彼は平仮名の「ちゃーりー」。

大型犬のかわいい、わんちゃんというには大きすぎる犬です。

ちゃーりー の家には月2回、訪問レッスンでお家に伺う形のレッスンをしています。

ピンポンを押したタイミングから吠えまくるちゃーりー。

ドアを開けた瞬間から飛びかかってきます。

飼い主に怒られるちゃーりー、それでも止まりません。
ここの家に行くと十中八九、タイツが伝染します。

実は怒られている彼を見ると可愛らしさからほっこりすると共に、ちょっとだけ ふっと鼻で笑ってしまいます。

なぜなら、自分の教授もちゃーりーだから。

複雑な気持ちでちゃーりーを眺めながら、今日も教授から伝染した渋い顔でレッスンをします。

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