見出し画像

荏原神社(東京都品川区)

荏原神社

目黒川の北岸に鎮座するのは荏原神社(東京都品川区)。鳥居が木造でとても重厚。由緒によると創建伝承は和銅2年(709年)にまで遡る。紀伊熊野にルーツを持つ鈴木氏が室町時代から現在まで神官をつとめる。鈴木氏は品川湊ともかかわりがある。

荏原神社の由緒によると、重要な祭祀の一つに海上祓式(汐盛講)がある。前九年の役の際の源頼義・義家の戦勝祈願に由来するらしい。海上祓式(汐盛講)は、同じく源頼義・義家の戦勝祈願に由来する大國魂神社(東京都府中市)のくらやみ祭りとも関係するようだ。両神社の海上祓式は同日に行われる。両神社は品川道という古道で結ばれている。

荏原神社の社殿には精巧な彫刻が施されている。神社由緒によると弘化元年(1844年)の建築らしい。

「古地図と地形図で楽しむ東京の神社」によると、品川宿は目黒川にかかる品川橋を境に北品川と南品川に分かれていた。北品川の鎮守は品川神社、南品川の鎮守は荏原神社。現在、荏原神社が目黒川の北にあるのは直線化改修のため。旧目黒川の流れは明治迅速測図に残る。

荏原神社の立地。明治迅速測図で見ると目黒川がゆるく円弧を描いた内側の低地にあり、水害が心配。周りに高台や微高地があるのに不思議。現鎮座地の前には高台にあったようだ。品川貴船神社が遷座前の鎮座地だという。御朱印神社メモさんのページを参考。

いいなと思ったら応援しよう!