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個人事業主から法人化へ:資金調達で事業を飛躍させた内外装会社の実例

事業を成長させるには、資金管理と資金調達が欠かせない課題です。個人事業主として順調に成功していても、法人化後に新たな壁に直面することがあります。たとえば、資金不足や経理業務の遅れが原因で、事業の成長が停滞することも少なくありません。
今回は、内外装業を営む若手経営者が、こうした課題を乗り越えて事業を拡大していった成功事例をご紹介します。豊富な仕事の引き合いがありながらも、資金管理が追いつかない中、適切な資金調達によって事業を成長させたその過程に迫ります。

10年以上お付き合いのあるお客様から、「若くて腕のいい職人さんを紹介したい」との依頼をいただきました。彼は個人事業主として内外装の仕事を請け負っていましたが、法人化して社長となり、これから初めての決算を迎えるところでした。

実際にお会いすると、20代と若く、人望の厚い社長でした。下請けの仕事もある一方で、デザインを重視した高単価な案件を選び、価格競争を避けながら紹介の連鎖を生み出すという好循環を生み出していました。社長自身が仕事を取ってきて、"楽しさ満点なビジョン"を掲げ、社員と共に事業を盛り上げており、「間違いなくこの会社は伸びる!」と確信しました。

非常に優れた内外装の技術を持っており、多くの仕事を受注していたものの、課題が一つありました。それは、お金の管理ができていなかったということです。その会社には顧問税理士がおらず、帳簿や経理面が整理されていませんでした。そこで、弊社の顧問税理士を紹介し、帳簿を整備することからスタートしました。財務管理の基盤を整え、会社の健全な成長のための準備を進めたのです。

この会社が成長するための鍵は、人員を増やすことでした。若い社長は、すでに豊富な仕事の実績を持っており、元請け会社や紹介を通じて多くの案件が舞い込んでいましたが、それらを全てこなすための人手が足りていませんでした。多くの引き合いがある中で、質の高い仕事を維持するためには、人材を増やすことが急務だったのです。
ただし、ただ人を採用するのではなく、会社の文化に合う「ノリの良い」人材を厳選するため、すべてリファラル採用(紹介による採用)で増員を進めました。これにより、社内の一体感を高め、効率よく仕事を進めることができました。

さらに、事業を拡大し、売上と利益率の高い案件を受注するためには、高額なイニシャルコストが必要でした。売上と利益率が高い案件には、主に2つの特徴があります。一つは、高品質が求められる案件で、これには高価な材料の使用や専門家を雇うための人件費がかかります。もう一つは、規模が大きい案件で、調査やプロジェクト管理、計画策定といった事前準備に多くの時間やコストが必要です。どちらの場合も、初期段階での投資が大きくなりがちです。

また、こういったプロジェクトは完成までに時間がかかり、クライアントの入金よりも先に材料費や人件費を支払わなければならないため、日常的に事業を運営するために必要な、従業員の給与や材料費、光熱費、設備の維持費などが不足しやすくなります。こうした大規模案件に対応するためには、内部留保(会社のお金)をしっかり確保しておくことが不可欠です。そこで、資金調達が必要となり、運転資金を確保するために、事業計画書を作成し、銀行に提出しました。

銀行との面談は順調でした。明確な計画書と事業の将来性が評価され、一度にではありませんが、希望していた4000万円の融資を最終的に得ることができました。年度末で銀行の予算が達成されていたため、最初は2000万円の融資にとどまりましたが、後日追加で残りの2000万円が迅速に融資されました。この資金により、採用や事業拡大に必要なコストを賄い、安定した事業運営が可能となりました。

この事例からもわかるように、事業を成長させるためには、しっかりとした資金管理と戦略的な資金調達が不可欠です。社長の卓越した事業センスと技術力に加え、財務基盤を整えることで、会社はさらなる成長を遂げることができました。適切な人材採用と資金確保により、経営の安定と事業拡大が可能となり、今後のさらなる飛躍が期待されます。


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