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【経理業務紹介】月次決算:当月20日ごろから月末までの業務(前半)
この記事では、月次決算の中で、前月の月次決算が完了して、当月の月次決算処理スタート~月末までに行う業務(前半)をご紹介いたします。
1)会計システムの月次締切処理(当月20日頃)
月次決算で確定させた内容は、重要な資料になります。
まずは、会計システムの月次締切処理を行いましょう。前月以前の日付で仕訳ができないように規制をかけます。
目的は、前月以前の数字を変更しないようにするためです。
月次決算をする目的は数字を確定させ会社の状況を把握することにあるので、締めた後に金額を変更してしまうと、せっかく把握した内容が違ってしまい、会社としての戦略・戦術も誤ったものになってしまいます。
また、月次決算の内容を経営陣や他部署、金融機関等に報告している場合、それぞれが報告した内容をもとに行動しているので、会社全体、社外の関係者にまで影響が広がってしまいます。意図せず、誤って修正してしまうこともあり得ますので、システム上で規制をかけてしまうのがよいでしょう。
どうしても修正が必要な場合は、一時的に規制を解除して対応すればOKです。自分たちの信頼性を守るためにも、会計システムの月次締切処理を忘れずに行いましょう。
2)社内にスケジュール・書類提出締切の連絡(当月20日~25日頃)
次は、月次決算にかかる締切のスケジュールを設定し、社内に連絡しましょう。
月次決算のスケジュールは経理が主導して設定しましょう。他部署に過度な負担がかからず、かつ、短い日数で処理できればベストです。何日に、月次決算を締めるのかを決め、そこから逆算して設定するとよいと思います。
締切の内容は、主に以下のようなものになると思います。
〇支払い請求書の提出の締切
〇経費精算の申請および承認の締切
〇売上報告の締切
社内に連絡するにあたっては、なぜ締切を設定しているかについても理解しておくと、他部署へ依頼する時に説得力が増すと思います。
そもそも、会社の状況確認・方針決定をなるべくタイムリーに行うために締め切りを設定し、月次決算を行っている=自分にも必要であることを定期的に伝え続ける必要があるでしょう。スケジュールを共有する際に、月次決算の目的も一緒に伝えるなどの工夫をすることも良さそうです。
他部署の人は、経理とは別に、自部署のスケジュールを作成しているはずです。相手の業務に理解を示しつつ、経理として必要なことをお願いするようにしましょう。一方的な依頼では、協力を得られにくいでしょう。
なかなか締切が守られず、適切な月次決算が行えない場合は、締切を守らなかった人に対して、ペナルティも用意しておくことも一案です。ある会社では、四半期決算に限ってですが「決算漏れ報告書」の作成をルール化しておりました。就業規則に記載されている懲戒処分ではありませんでしたが、一定の効果はあったようです。このあたりは、会社として月次決算をどのくらい重要と捉えるかによって、運用が変わってくると思います。
(余談1)
月次決算に、請求書は絶対必要なのか?
支払する請求書は、先方の処理状況によって受領するタイミングが異なります。ということは、せっかく設定したスケジュールでは、間に合わないということです。そこで、「請求書以外の情報で、処理はできないか?」と考える必要がでてきます。
例えば、
〇契約書で金額が決まっている
〇納品書を受領している
〇オンラインで利用金額が確認できる など
別の方法で確認が取れるのであれば、その情報をもとに計上するのもよいでしょう。
(余談2)
支払いする請求書は、経理で受領するのがよいのか、各部で受領するのがよいのか?
これに関しては、それぞれメリット、デメリットがあると思います。
経理で受領するメリット
〇各部の担当者が持ったまま放置するリスクを回避できる
〇請求書の紛失リスクを回避できる
経理で受領するデメリット
〇各部への振分に時間がかかる(不明な場合に問い合わせが必要)
〇各部の請求書への認識が低くなる(コスト意識の低下につながる)
メリット・デメリットを考慮しつつ、決めるとよいかと思います。
3)給与振込手続き(当月25日)
※給与支払い日が25日の場合で設定しています。
給与振込手続きに関しては、人事担当者がいる場合、人事担当者にて給与計算から振込手続きまで行うことが多いと思います。
そのため、経理は、給与に関わる仕訳の入力と、振込が完了していることの確認をします。
給与仕訳はいくつか押さえておくポイントがあります。
①給与の内、時間外手当の支給方法がどうなっているか
(翌月に支給する場合は、概算計上が必要なのか)
②社会保険料について、従業員から預り、国に納付するまでの流れが
どうなっているか
(何月分の給与の預り金を、何月の納付で支払いするのか)
③源泉所得税と住民税の預り金を、いつ納付するのか
このあたりの整理ができていない場合、預り金や未払費用などの勘定に不明な残高が残ることが多いです。従業員への支払い以外の部分の仕訳が複雑になりやすいため、毎月必要な仕訳をマニュアルにしておくとよいです。
今回は、月次決算の中で、月次決算のスタートから月末にかけての業務(前半)をご紹介いたしました。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
少しでも参考になるものがあれば幸いです。